第35話 子供に悪魔の痣が出るとどちらかの家系が供物として根絶やしにされる村 8月26日

子供に悪魔のあざが出ると、2つの家系は互いに斧をもって争う。

そして村の神社に根絶やしになった方の血と供物をすべて集めて捧げ、

 勝った方の皮膚をその血で洗うととあざは消えるという事だ。

ではあざをそのままにしておくとどうなるのか。

全ての家系家族に同じあざが出て、そこから両方の家系が途絶えてしまう。

あざはすべての人が同じ形で成長し、体中にあざが広まるとあざだけ残して

 人の組織が消滅し、床にそのあざの方だけ残して消えてしまうのだ。


あざはまるで対のようで、子供に出た悪魔のあざが完成形であり、最初は

 親戚に指先から似たあざが出て、それから悪魔のあざの形になると終わりなの

 だが、父方は黒く、母方は白く出て、しかも人によって派生のようにあざが

 形作られていくのだが、その個性が父方母方のだれかと誰かが対になって全く

 同じ形になる。

そしてその対になったあざを持つ両者は全く同じ寿命=タイムリミットになるのだ。


ある時ついに悪魔のあざがある子供が生まれた。

その日から父と母は険悪になり、親戚たちも空気が変わった。

そして凄惨な殺し合いが始まった。


たまたまそのうわさを聞き付けた外国のテレビ局がこの噂を聞き付け、この村を

 取材した。

そこで赤ちゃんのあざを調べることになった。

家の外では殺し合いの叫び声が鳴る中で赤ちゃんの遺伝子を採取し、

 取材班の国に持ち帰って調べた。


すると意外なことが分かった。

悪魔のあざは血が濃くなってきたときに出るあざで、それを解消するために

 でるものだった。

そしてそのあざが出たときにどちらかの家系を根絶やしにすることで

 血の濃い末裔を排除できるようになり、それでこんな小さな集落の村でも

 何千年も続いていられるのだと分かった。

おそらくそれがなければ血が濃くなりすぎて途絶えてしまっただろうと

 研究した医学者は言った。


試しに村人全体に遺伝子検査をして、なるべく血が濃くならないように婚姻を

 していくと”その日”以来、悪魔のあざのある子は生まれなかったそうだ。


しかしなぜあざがその子が生まれたとたんに両家系に出るのか、

 あざだけ残して消えるのかはわからなかった。

その遺伝子は伝染性のある物質を生成するとか、その遺伝子を持つ皮膚にだけつく

 人食いバクテリアであるという話も出たが、決定的な証拠は見られなかった。


今我々が分かるのはこれが報道されてからあざはなくなり、神主が忽然と姿を

 消したという事実だけだった。


END

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