第29話 8月19日
バイクの日だ。
ここは某国が新しく首都と定めた人工都市。
バイクは危ないからと道を分けられることになった。
徒歩,ゾーン自転車ゾーン、バイクゾーン、乗用車ゾーン、バスゾーン。
しかし機動力のある自転車とバイクは勝手に別のレーンに入って迷惑になっていた。
更に自転車とバイクのいがみ合いもかなりのもので・・・。
一度乱れた道徳はどんどんカオスになっていく。
こうなると弱い立場でいる意味がなくなっていく。
車は鋼鉄の装備を付け、自転車はちょっとでも触れると薬品が飛び散り、他の物を
変質させることでぶつかりたくない状態にさせた。
バイクは今まで車のレーンに入って邪険にされていたが、やられ損になるような
状態では不利なので自転車ゾーンをわがものにしようとしていた。
バイクは自転車に追突した時に自転車から出る薬品を被膜化する物質をだすことで、
バイクは薬品から保護され、自転車も倒れてもクッションのようになるもの
を採用した。
これにより、バイクは自転車を蹴散らしても大して問題にならなくなった。
そしてあまりにも自由に通れるようになったバイクは、ほとんどの車両が
自転車を避けることはなくなった。
しかし自転車の側も対抗策をとる。
今度は倒れても大傍受だと知ったうえで、倒れたときに自転車をよりバラバラに
分解させ、そのパーツを鋭利にしたり粘着してチェーンに絡ませ、動力を止める
ような方法に出た。
これはバイク側も一瞬でパーツの破裂を完全に防ぐことはできなかった
これにより、自転車はバイクだけでなくすべてのゾーンで覇権を得ることになった。
こうしてあまりにも事故が増え、警察でも処理できなく放置され続け、事故の
後処理も、もうバカらしくてやってられなくなった結果、歩行者ゾーン以外の
道ががれきであふれ、通れなくなった。
その日。歩行者ゾーンでは我が物顔で歩く歩行者がいた(本来それでいいのだが)。
その後ろから車両がのそのそと動いていた。
歩行者はほかのどのゾーンもよじ登って歩けことで自由を得たのだが、あえて
他のゾーンから少しの、そして粘着質のがれきをもってきて、もうこれ以上
事故を起こしたら半端な時間では再開通でできない状態を作ったのだ。
これにより仕事のなくなったドライバーたちは地産地消できる農家や飛脚などの
職業に転職し、世界はエコになった。
END
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