第13話 宝の地図

ある日郵便受けに宝の地図が入っていた


何だと思って一度開けてみてみたけど、近所の公園の写真のトレースしたものに

 宝のマークが描いてあるだけだった


しょうもないいたずらだと思ってそのまま捨ててしまった


次の日、また同じようなものが入っていた


もう大して関心もなくなり、捨ててしまった


しかし、毎日その地図はポストに入っていた


次の日も


その次の日も


・・・



ずっと無視していたけど


いつも捨てていたけど


たまたまごみ箱からゴミ捨てようの袋に入れようとして落ちたその地図を、

 もう一度だけ見てみようと思った


いつもと大きさや封の仕方が違ったのだ


地図は、裏返しになって筒状になっていて、それを封筒の形にしてあるものだ

 しかも薄く透けて見えている


いつも最初に見た公園のようなものがうっすら見えているから同じものだと

 思ってそのまま捨てていた


しかし開けてみると、番号が振ってあり、ここから少し離れた公園の

 写真のトレース画と剣の様なもののアイコンがあった


何となく今までの地図も見てみてくなった


しかしも何週間も前から捨てていてその確認は無理だった



その日以来地図はポストに入れられてなかった


そして何か月か経ち、そんな記憶も薄らいだころ


警察の人が来た


何でも近くに住むごみ屋敷の住人がここら辺のごみも盗んでいって

 自分の屋敷にため込んでいたそうだ


「一応ゴミではありますが確認してもらっていいですか?」


「はい」


その時ちょっとだけ期待していた


あの地図が入っていないかと


そして、マスクをして生ごみなどを用意してもらった袋に捨てて

 目当ての紙類を分けた


しかし、目当てのものはなかった


まあ仕方がないと思っていると


ふと目をやった奥の壁に、あの地図が貼ってあった


しかも番号順に、きちんとその結果も添えて


警察の人はそれを見たのか


「ああ、これはここの住人のいたずらですね、あなたのうちにもあったんじゃ

 ないですか?」


「ゴミを盗んで、盗んだものの一つを公園に掘って埋めて隠した後に

 そのお宅に隠し場所を知らせる地図を描いて投函していたんですよ」


よく見ると似たようなものが壁に何枚も貼ってあった


おそらくほかの家のものだろう


「これ、確認したんですか?」


「はい」



こうして私は逮捕された


ごみ屋敷で飼っていた動物を、近くに住む友人たちと殺して埋めた罪で


証拠はその捨てたごみの中にあり、それが公園に埋められた

 宝ものだった


宝物である薬品や小型のナイフが証拠となった


どうやら復讐だったらしい


とはいえそこまで大した罪には問われなかった



しかし私だけはまだ服役している


最後の剣のアイコンの宝は、私がその主人を殺めたときに使われた

 凶器だったからだ



最後の封筒は、犬だけでいいと言って主人までやることに反対していた

 仲間からのものだったらしい


凶器の捨て方の癖を知っていたから、凶器の隠し場所までばれていたんだな

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