第10話 禁酒法

地球環境が変わった

古代に生命をはぐくんだ環境ホルモンが大量に染み出してきた

人間はその影響をもろに受けた

肝臓からアルコールを分解する機能が消え去った


それでも飲みたい人は飲んでいた

当然体を壊す人が増えた


政府はある日を境にアルコールを醸造レベルから禁止する法律を作った

もちろん駆け込みでお酒を飲む人がたくさん出た

普段飲めない人も最後ということで飲む人もいるようだ

どんどんアルコール分を分解する能力が減っているのに



その日、法律が実施される日

地球から人が消えた


アルコールで死んだ人ももちろんいた

しかし町中にアルコールが分解されない人がアルコールを含んだ息をまき散らし

 副流煙のように吸った子供や老人が急性アルコール中毒で倒れた

それだけでは助かったのかもしれない

しかし助ける人のほとんどは酔っぱらっていてとてもそれに対応できなかったらしい

しかも病院に行っても、医者も含めて消毒用のアルコールすら酔ってしまい

 何もできない状態だった


そして今、地球は古代に地球で発生してその時を待っていた旧人類が

 街を闊歩している

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