第7話 心的平等主義

ちょっとでも自分が不利益を受けている、と思ったら死刑庁に連絡すれば

 その時の監視カメラの映像が報告とあってるだけで死刑が成立する


ただし死刑にされる人も死刑にされるという不利益があるので

 執行猶予がある

多くて1か月、その間に告発者に不利益を受けたら死刑は相殺される


そしてその相殺を”作る”職業がある


基本自分は神様だ

他人は思い通り動いてくれない

それだけで死刑にできる

そして逆もまた然り


警察の天下りや、元弁護士などがどんどんこの職業になっていく

免罪制度があるから


自分は裁かれないっていう優越感

なんども国民はこれをなくそうとした

しかし亡くなったのはその発起人たちだ


もうどうでもいい

俺には324件の死刑の裁判が残ってる

これでも普通なんだ


当然命は一つ

俺の罪状で誰の死刑の訴えが死刑に値するかの裁判に発展する

これが長い

10年くらいかかる

その間は仕事など普通にできる


町で傍若無人にふるまって死刑をたくさんもらって

 裁判を増やして生きながらえる人もいる

他人をいくら殺しても寿命を全うできる


まあよほど強くないとそういう生き方はできない

当然される側にもなるんだから


だからあいつ殺したいと思ったら告訴しないっていう暗黙の了解

 で、町の嫌われ者を始末するやり方もある


俺は、もしかしたらまだ必要としてくれてる人に死刑宣告されて

 生き延びてるのかもしれない

どれがどれかわからんけどね

もしかしたら上の会社の人が、こいついないと仕事にならないって

 思ってるのかもしれないし


あ、俺は清掃員だ

あまりにも社会から見下されて清掃員が死刑になったから

 こういう汚れ仕事する人間がいなくなってみんな困ってるんだ

そういう意味で”必要”


まあなるようになるさ


あ、明日の仕事は町内会館の清掃3か所か・・・

まったく・・・

自分らでやれよな・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る