第6話 役職バランサー
現代の神様は大変だ
人が会社というものを作ってからというもの
神々の世界のヒエラルキーとは違った権威ができてしまった
そこで神様は新しい天使の役割を作った
役職バランサー
人は能力に応じてヒエラルキーの上位に行く
でも神様の視点から見たら、それはとんでもない事だった
個体には固有の格というものがある
そこで明らかに格の低いものが格の高いものを
顎でこき使っているという状態が起きる
だから、そのほかの部分で何とか釣り合いを取らせないと
人々の魂の質が変異してしまうようになったのだ
こいつは悪人のはずなのに悪人の研究をして権威になってるとか
こういう場合何か私生活でハンデを負わせることにしないと
周りがが収まらない
特に前世で善行を積み、せっかく格を高く産ませた人間が、
こいつの下に行ったらただの不貞腐れた人生を送らせてしまうことになる
だから天使たちを使ってそれを是正する組織を作ったのだ
しかし、人の社会は大きくなり過ぎた
とても手に負える仕事量じゃない
悪魔どもに頼んでも、それでいいじゃない、そういう風になったんだよ
と、自分たちの勢力拡大も忘れて人間社会に出て出世して遊んでいる
魂を刈ることを忘れて何が悪魔だ
お前の会社がブラック企業と風評を受けて自滅してしまえ
まあとにかく地道に人間の格にあった状態に治す作業をしていくしかな
そうしているうちに過労で倒れる天使、堕天してしまい、あまつさえ人間社会に出て
出世頭になる天使も出てきた
つまらない世界だ
そうこうしているうちにその日が来た
ある人間(元天使)が、天界とのつながりを作る転移装置を開発してしまったのだ
もう天界すらも人間に入り込まれた
そして・・・
今私はある人事コンサルタント会社で働いている
人間の企業の傘下で、神様はサラリーマン社長におさまっている
クライアント企業の社員の天使たちの秘密を墓までもっていくという義務と主に
わたしは第二の人生を歩み始めた
果たして天使の格は誰が決めていたんだろう・・・
じつは神話の時代から結局人間が決めていたのかな、と最近思うようになった
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