第5話 人間製造工場
台所にあるシンクのような物が長くずーっと続いている
向こうから人の一部が流れてくる
検品の人がほとんどの部品を不合格にしている
人って精密だから
何万のうちの1つくらいだよ、合格品は
合格品は形がそろってるかって?
そろってるわけないでしょ、作られた時間が違えば別物だよ
じゃあ何が合格だって?
最初に来た一番形のいいものに合う形のものが合格だよ
じゃあ足が最初に合格したらいい形の手は捨てられるのかって?
そうだなあ、よほどいいものじゃないとストックしないからね
もったいなくはないよ、どんどんできてくるんだもん
でも困るのもあるんだよね
たまたま合うものが、例えば顎が左にちょっと曲がってる人の顔だった場合
目や口もそれに合わせてバランスを取るために若干歪な物が合格になるんだよ
さあ、出来上がりだ、どうだこの姿で生まれるか?
それともまた100年待つか?
もう、いいですこれで
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます