まさくん、4
先日、まさくんから的確な嫌がらせを喰らい、思い出したくない手紙の内容にやきもきしていた。そんな中でも期末テストを終え一時的な開放感。そんな時に満面な笑顔のまさくんが目の前にいたから、仕返しをすることにした。
「まさくんって結婚しないの」
「いやー、彼女を作くるところでつまずいてるよ」
いつも通りに照れくさそうな笑顔を浮かべ、カップの中のコーヒーをかき混ぜていた。
「でも、こうやって私たちと一緒にいるとむりだろうね」
まさくんにとって私たちが大事だ。私たちを置いていかないと彼女が出来ないというちょっとした悪気を込めて言ってみた。こんなに、はっきり言われるとさすがのまさくんも眉をひそめるだろう。
「そうかな。日向ちゃんたちと一緒にいないと恋人なんてできない気がするな」
コーヒーに口つけ、いつも通りの感じだった。しかし、やられたままではおもしろくない。
「いいや、無理だと思うな。なんてったってこの私がいうんだから」
自信満々に顎先を上げ見下すような動きで視線を飛ばしてみる。そうするとまさくんの両まゆがあがり目を開けている。
「そうか、恋愛マスターなのか。じゃあ、経験もすんでるんだね」
「そうよ!」
何のことかよく分からなくて適当に答えたら、まさくんがコーヒー吹き出し、カップに残っていた分もこぼすくらいひよった。
「ほ、ほんとに!?そうか、最近の高校ってすごいんだな......」
ティッシュを取り、こぼしたコーヒーを拭いている。私はなんだか、よく分からなかったけどまさくんに一泡というかコーヒーを吹かせることができて、勝ったことが嬉しかった。
「僕はだめだな、これははるさんに怒られるなぁ......」
まさくんは顔についたコーヒーを拭きながらそういっていた。
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