憎悪
らうぶ
さよなら想い人
小学5年生の時、友達だった一(いち)に告白をされた。
告白と言ってもただ「叶音好き」という短調な言葉を言われただけだったが…
別に一が好きな訳では無かったが、それを言われ気になり出してしまった。
小学6年生の時は偶然にも同じクラスになり、恥ずかしい程好きと言い合う仲になっていた。
思えば、あの時一と同じクラスでも無く自然に終わる流れになっていれば私のこのどろどろした感情も生まれなかっただろう。
「叶音!一緒に修学旅行行けるね!」
一がぺたぺたと小走りに私の元へやってきた。
小学校というのは緩いもので修学旅行の班も子供達に選ばせてくれていた。
「え!やったぁ!一よろしく!」
素直だった頃の私はそんなことを言って喜んでいたのを覚えている。
バスの座席まで選ばせてくれる小学校の懐の広さもリスペクトだったなぁ…
私と一は最後尾の座席が一番並んでる所。班で集まって座らないといけないから右の一番後ろに一、隣に私、私の隣にチビッちい晴昭(はるあき)その前の座席に皆萌(みなも)と柊磨(しゅうま)で座ることになったんだよね。
修学旅行当日────
私と一は凄く話してた。
楽しすぎてびっくりするくらい…
って思ってたら一がバスのカーテンの中に顔を隠してしまって、私は面白く無かったのかな…って凄く不安になってた。
そしたら、一の手が私の手を握ったの。
最初はただ繋いでるだけだったけど、いつの間にか恋人つなぎになってた。
凄くドキドキして、死ぬかと思うくらい…
でも、その後には何もなく、手を繋いで終わったんだ。
小学校卒業後も何も起きなかった。
卒業式の前、一から聞かされたのは中学は違う所になるってこと。
凄く、凄く悲しかった。
でも、その時の私には応援の言葉しか言えなかった。
憎悪 らうぶ @nenegyo
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