最終話
忌わしい都カスタリスの悪夢の夜を逃れ、ニレの手をひいて魔物除の香を焚きつつ、隣り合うアストリアとの国境を山越えする。
俺はもはや名を捨てた、もとより家は捨てている。愚かで驕慢な一族がいかなる末路をたどろうとどうでもいいことだ。
おそらく、あの灰色の眼をした侍女が第三王女ネフィーリアだったのではなかろうか。彼女が何故、俺達を
彼女は秘術によってニレを癒した。俺を救おうとし彼奴らに
その瞳は綺麗な
いまはただ信じよう、いつかニレの心が戻って来ると。その股ぐらの穴みたいにしまりない笑顔を俺に向けてくれることを微かな希望のように――――。
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