第3話 フェリス

「―――そんな必要ありません!」


 突如家の中に、少女の怒声が響き渡る。

 それにジュラは驚くが、一方のカイトは特に気にせず、のんびりとした動作でそちらに顔を向けた。

 扉の方に立っていたのは、腰まで伸びた明るい金髪を靡なびかせる、翡翠色を基調とした民族衣装ディアンドルを着た少女。背丈からして、恐らくカイトと同年代だろう。

 当然と言うべきか、やはりその鮮やかな髪に目を惹かれる。かなり明るい色合いのそれは、外から入ってくる夕陽の光を反射してキラキラと輝いていた。濃紺のベレー帽を被って一部が隠れてしまっている事が、少々残念に思える。

 だが、カイトにはそれよりも気になる事があった。


(……何で睨まれてんの?)


 他の村人達と同様、カイトと彼女が初対面である事は間違いない。

 にも拘らず、何故か彼女の大きな蒼色の瞳は、敵意を孕んで彼を睨み付けていた。


「な、何事かね、フェリス!? 今は来客と話してる途中なんじゃぞ!?」 

「それについては謝ります。でも、こんな不審者丸出しの人に態々お金を払う必要はありません! あの魔獣は、私が倒してみせます!」

「誰が不審者だ、誰が」

「失礼だぞ、フェリス。見た目は不審者丸出しでも、この方はれっきとした傭兵なんじゃから」

「いや、アンタも十分失礼だからな? 思いっ切り不審者扱いしてるからな?」


 全身を覆うほどの黒の外套ローブに、その腰に差した片手直剣ロングソード。更に、鋭い目付きに不健康そうな隈。

 自分の格好が怪しさの塊であり、不審者に思われかねないものだという事はよく理解している。だが、理解してはいても、実際に言われるとやはり傷付く。


「で。初っ端から人を不審者扱いにしたお前は、何処の誰だよ?」

「人に名前を聞く時は、まずは自分からって習わなかったんですか? 常識ですよ」

「その初対面の人間を不審者呼ばわりした奴に、常識を説かれたくはないな」

「ッ……!」


 更に敵意を増して睨み付ける少女に、全く動じずにせせら笑うカイト。

 まさに一触即発。両者の間に流れる空気は重く、その瞳からは火花が散っている。


「こ、これ、2人共! こんなか弱い老人の前で荒事はよさんか! プレッシャーで私の心臓を止める気か!?」

「止まる訳ねぇだろ。自分の事を『か弱い』って言ってる奴に限って、実はバリバリ元気だったりするんだよ。筋肉でシャツ破ったりするんだよ」

「出来るか!? 儂を何だと思ってるんじゃ!?」


 カイトに容赦なく言葉の弾丸を撃ち込まれ、ジュラは少し涙目になる。

 そんな彼を無視し、再度彼は少女と向き合う。空気が多少和んだ事もあってか、この場は彼女が折れて自己紹介を始めた。


「……フェリス・ルスキニアと言います。この村の宿で、お手伝いとして働いています」

「カイト・クラティアだ。さっき村長が言った通り、傭兵をやってる」


 それで……、と自身も名乗った後、カイトは先程の続きを促す。


「何で俺に依頼をさせたくないんだ? 一応言っておくと、俺階級ランクはそれなりにあるし、大抵の魔獣ならボコれるぞ」


 ギルドに所属する者はその実力や技能ごとに、最低のF級から最高位のSS級の8段階の階級で分けられる。

 依頼も同様に分けられており、基本的に同じ階級の依頼しか受注する事は出来ない。例外として、ギルドマスターがそろそろ昇格を認めてもいいだろうと判断した者は一つ上の階級の依頼に挑戦でき、無事に完遂すれば階級が上がる。

 ちなみに、今回カイトが受けた魔獣討伐の依頼はC級に分類されている。つまり、少なくともカイトはD級レベルの実力を持っている事になる。


「……言ったら、帰ってくれるんですか?」

「ンな訳ねぇだろ。こっちも金がいるんだ。どうしてもって言うなら、キャンセル料くらい払え」


 この村に入る際にも、法外な通行税を取られている。ハッキリ言って、今回の宿泊費が心配になるほどだ。先程のように不当に大金を請求される事があれば、確実に払えない。

 だが、カイトのそんな事情など知らず、金という単語がフェリスという火に油を注ぐ。それにより彼女は、一層彼に向ける視線を鋭くさせた。


「金、金、金って……そんなにお金が欲しいんですか!? その日の生活もままならないような人達から搾取してまで!」

「ハッ! 俺だってその日暮らしの生活だぜ? 宿に泊まるのだって、飯を食うのにだって金が要る。そして、金を手に入れる手段は仕事だ。だから俺は、ここの村長が出した依頼をこなして金を貰う。当然の事だろ」


 傭兵というのは金が掛かる。特に彼は根無し草で宿代が掛かる上、装備に掛ける分も馬鹿にならない。

 そして、こういった問題はこの職業に限った話ではない。農業や商業、工業、更には冒険者といった、あらゆる職業に就く人々に言える事だ。

 だからこそ、不当に金銭を要求している様な言葉をぶつけてくるのは、筋違いというものだろう。


「それとも何か? お前は自分達の生活の為に、俺に野垂れ死にしろってか?」

「ッ! そ、それは……」


 自分の幸福の為に、他人を犠牲にする。それは人の道から外れた行為だ。

 至極真面な意見を突き付けられ、フェリスは言葉を詰まらせる。


「まぁまぁ、抑えてください。彼女も少し言い過ぎました」


 そこで再びジュラが仲裁に入った。カイトの言う事ももっともだが、流石に言い負かされるフェリスが可哀そうになったのだろう。

 彼はカイトを睨むフェリスに自分の方を向かせ、真剣な表情で顔を合わせる。


「フェリス。気持ちは分かるが、君一人であれを倒すなど無茶だ」

「でも……! それに、この人に依頼したら……!」

「……何とかする。何とかするさ」


 心配する様子のフェリスに、悲痛な面持ちジュラは答える。

 その中で、カイトは彼女が呟いた言葉が気になった。


(俺に依頼したら、何だ? 俺は依頼人に危害を加えたりはしないし、何かしらのコイツ等の事情が関わってるのか?)


 どうやらこの村には、魔獣以外にも何か問題を抱えているらしい。それが理由で、フェリスは報酬を支払う事を渋っている。

 傭兵は仕事の成否が大きく今後に関わってくる為、カイトは依頼を投げ出したりはしない。その上で、正当な報酬を得られないのは痛手だ。

 それに、困っている人は見過ごせない。ここは快く手を差し伸べ、白馬の王子の如く颯爽と救ってみせ、


(……ねぇな、俺の性には合わん。英雄にでも祈って、救ってもらえ)


 なんて展開になりはしない。

 相手の事情を一々気にしていては、自分に掛かる負担が増すだけだ。

 自分は矮小な人間と割り切っている為、カイトはそういった面倒事は取り合わない。あくまで自分の依頼が優先だ。


「……いきなり騒いで、すいませんでした。でも、私は諦めませんから」


 最後にジュラと一言二言言葉を交わした後、不満気に口を尖らせながらフェリスは帰っていった。明らかに渋々といった様子だが。

 騒いだと思ったら直ぐに静かになった彼女に、カイトは『嵐みたいな女だ』と感想を述べる。

 そんな彼の呟きに、それを聞いたジュラは気恥ずかしそうに笑った。


「申し訳ありません。普段はもっと大人しい子なのですが」

「別に良いけど。それより、ただの村娘Aに魔獣討伐なんて出来るはずないよな? なのに、あそこまで自信満々に言えるって、アイツ何かあんの?」

「ええ。フェリスは、この村唯一の魔術師なんですよ。それも魔法学校に行って学んだ訳でもなく、独学で学んだんです」

「魔術師? しかも独学って……純粋に凄ぇな」


 魔術師とは、万物が内側に秘めた魔力を行使する事で、常識では考えられない超常的な現象を生み出す存在だ。

 万物という言葉通り、この世に生きる全ての物は魔力を有しているが、それに反して魔術師と呼べる者達は圧倒的に少ない。その理由は、個人の持つ魔力量や素質が関係してくる。

 基本的に魔術の行使は、自然界に存在する四大属性やそこから派生した属性の魔力に、魔術師が専用の術式を組んで繋がりラインを設け、自身の魔力を封入する事で成り立つ。だが、自然界の魔力はほぼ無尽蔵でも、個人の魔力には限界がある。

 仮に強大な魔術を行使するのに自然界の魔力を大量に利用する場合、個人の魔力が少なければ2つの間のラインが保てない。逆に十分な魔力量を保有していても、上手く操作が出来ず、必要以上の魔力が込められた場合でも魔術は自壊してしまう。故に、十分な魔力量と素質を兼ね備えた者しか、魔術師にはなれない。

 更に、魔力を上手に操作出来る者の筆頭としては、エルフや魔族が挙げられる。人間でも10人に3人の割合で居る事には居るのだが、彼等に比べれば圧倒的に数は少ない。それらの理由から、魔術師とは今や希少な存在となっている。

 それでも戦力としては十分であり、国の方でも魔術師専門の部隊が配置されているほどだ。熟練の魔術師が街を守ったという話も、旅をしている間に何度か耳にした事がある。ならば、フェリスにキスク村の防衛を任せるのも一つの手ではないだろうか。


「だったら、やらせてみたら良いんじゃねえの? 可愛い子には旅をさせよって言うし」

「いやいや。今まで相手にしてきたのが、ゴブリンやスライムなどの小型魔獣ばかりですからね。とてもではないが、あの子に相手が出来るとは思えません」


 元々は彼が今告げた程度の魔獣しか、ここの森には棲息していなかった。

 そればかりを相手にしてきたとなると、ある意味で反復練習に等しい。基礎を固めるは出来るだろうが、それより先に進む事は出来ない。

 話を聞いただけでも、今回の魔獣は明らかに小型を超えている事が分かる。実戦経験の少ないフェリスでは、相手取るのは難しいと思う。


「じゃあ、何でアイツはそんな無謀な事を? まさか、自分がどうなるかも分からないはずないだろうに」


 流石に、自分と相手との実力差を理解する技量は持ち合わせているはずだ。

 冒険者を始め戦闘職に就く者にとって、それがなければ確実に戦場で生き残れはしない。


「……復讐、でしょうな。先程言った5人の犠牲者の中には、あの子が親しくしていた友人も含まれていますから」

「なるほどね……」


 苦渋の表情でそれを告げられ、カイトは彼女が走り去った方角に視線を向ける。

 死者が蘇える事はない。にも拘らず、自ら進んで死地に赴くとは、普通の人間なら愚かだと笑うだろう。

 だが、カイトの表情に嘲笑の色はない。


「……復讐を笑う資格なんて、俺にはないからな」

「? 何か?」

「何でもない。資料は明日にでも取りに来るから、今日はもう休んでいいか? 流石に少し疲れた」


 本当はあれしきの口論程度では、疲労など感じない。だが、この空気で件の資料を出せというのも気が引ける。

 この場は引いて、一晩寝てから改めて訪れた方が良いだろう。


「これは失礼しました。では、私も明日までに用意しておきましょう」


 ジュラもその意図を察したのか、朗らかに笑って了承してくれた。

 その後、宿までの簡単な地図を書いてもらい、彼に見送られながらカイトは村長宅を後にする。






 宿に向かう途中で太陽が完全に沈み、建ち並ぶ家々の窓から暖炉やランタンの灯りが漏れ出ていた。その優しげな光や夜空に輝く星々が、儚げながらもしっかりと道を照らし出す。

 農作業に精を出していた人々の姿が消え、彼等の話し声などがなくなった為か、虫の鳴き声がよく響く。夜特有の静けさの中で、それはとても心地良く耳に届いた。

 昼間見た光景も穏やかで親しみやすかったが、こちらも幻想的で趣きがある。未だカイトに向けられる警戒の視線さえなければ、もっと気分よく堪能出来た事だろう。

 そんな事を思いながら歩いていると、数分ほどで目的地である宿に辿り着いた。


「へぇ、中々賑わってるな」


 宿の名前は『恵みの風』。見たところ、オーベルジュのような仕様らしい。建物の1階部分には食堂や受付があり、2階部分に幾つかの客室が設けられている。

 そして、今カイトが見ている食堂は、ガタイの良い男達で溢れていた。農作業などの仕事を終え、一杯引っ掛けに来た村の男達といったところだろうか。

 大抵がジョッキに注がれたエールを煽っているが、中には酒に見向きもせず、ただ料理に舌鼓を打つ者もいる。そこまで夢中になるのだから、これは味に期待が持てそうだ。

 昼をサンドイッチで適当に済ませていた分、カイトは心躍らせながら『恵みの風』の入り口をくぐった。


「いらっしゃいま……げっ」

「おい、一応客だぞ。顔見ていきなり『げっ』はないだろ」


 だが、彼の抱いていた昂揚感は、一瞬にして霧散した。店員の顔を見た瞬間に。

 より正確には、こちらの顔を見た直後に眉をひそめた少女―――フェリスの顔を見た瞬間にだ。


「そういや、宿で手伝いしてるって言ってたっけか」

「嫌なら出ていって良いですよ。そのまま村から出て直ぐに魔獣の餌になって、森の肥料になってくれたら尚良いんですけど」

「礼儀のなってないウェイトレスだな。脳みそに焼きごてで直接礼儀って言葉刻んでやろうか?」


 互いに向かい合い、黒い笑顔で罵詈雑言を吐く2人。それにより、一気に周囲の気温が氷点下にまで下がった。

 迷惑な事に、その被害に合っているのは事情を知らない客達だ。彼等はフェリスの変貌ぶりと、カイトの残忍な軽口に驚き、固まる事しか出来ない。

 そんな状況など気にも留めず、それどこか気付きもせず、2人は睨み合う事を止めない。いい加減、視線だけで相手を殺しそうだ。っというか、その視線によって現在、客達に石化の呪いが掛けられているのだが。

 誰一人動けず、一向に好転しない状況。だが、それを打破するように、―――ゴォン! とフェリスの頭にトレイが叩き付けられた。


「~~~ッ!! いったぁ!?」

「なぁにお客とメンチ切ってんのさ。男衆がビビってんじゃないの」


 フェリスの背後から現れたのは、白と黒を基調としたウェイトレスの服に身を包み、濃茶の長髪をお団子状に纏めた活発な印象を感じさせる年配の女性だ。

 少々身体の横幅が広いが、優しげでありながら何処か強気な印象を感じさせる目など、如何にも肝っ玉母さんといった感じ。そんな彼女の登場に、フェリスという火は一瞬にして鎮火する。


「お、お母さぁん……」

「ハハッ。ざまぁみろ」


 その様子に、散々彼女から不躾な言葉を吐かれてきたカイトは、いい気味だと言わんばかりに笑みを浮かべる。

 だが、キッ! と勢いよく女性がその顔を向けた事で、その笑顔は瞬時に凍り付いた。


「アンタも。もし今言ったような事をウチの娘にしようものなら……分かってるね?」

「イエス、マム!!」


 バキボキ……! と指を鳴らして威圧感を放つ女性を前に、カイトはあっさりと屈した。

 例えどれほど強者感を出しても、母親には勝てないのが世の摂理である。

 直後、店内の至る所から拍手が沸き起こった。そして、それを生み出す客の男達は、口々に女性へと賞賛の言葉を送る。


「よっ! 良いぞ、ジーナ!」

「どんな奴も一睨みで黙らせるその肝っ玉! そこに痺れる憧れるぅ!」

「フェリスちゃんに手を出す奴なんて、ぶっ飛ばしちまえ!」

「出してねぇよ。寧ろ出されたんだ」


 彼女に対し、下心の類は抱いた覚えは微塵もない。そもそも、そんなものを抱く気すらない。

 飛び交う野次を無視し、カイトはジーナと呼ばれた女性の前に立つ。


「泊まりたいんだが、部屋は空いてるか?」

「見ない顔だと思ったら、アンタ旅行者だったのかい。なら安心しな、部屋なら腐るほどあるから。宿屋そっちは今、閑古鳥が鳴いていてね」


 冒険者が依頼を受けていた頃は、彼等が泊まりに来ていた事もあり、まだ良かったのだろう。

 だが、彼等が来なくなってからは、魔獣の影響で村に寄り付く人間自体がいなくなった。今は実質、食堂の売り上げで切り盛りしているといったところか。

 だが、部屋が空いていた事は、カイトにとっては嬉しい。面と向かって良かったと言えるかと問われれば、迷うところではあるが。


「それで、料金を教えてもらっても良いか?」

「朝食・夕食付きで、一泊3000Gだよ。昼食は別料金になるけど言ってくれれば出すし、弁当も作るよ」

「そりゃ良いな。値段も良心的で文句なし。じゃあ、3日分頼む」

「あいよ。アンター! お客さん、3日滞在だってよー!」


 ジーナの大声に、おう! と奥の方から厳つい男の声が答える。聞くと、この宿の店主と料理長を兼任する、彼女の夫らしい。

 普通カイトのような子供が一人で旅をしていれば、何かしらの疑問を抱くもの。だが、彼等は碌に事情も聞かず、快く泊めてくれた。傭兵というだけで妙に敵対心を抱かれる身としては、こういった対応をしてくるのは有り難い。心休まるとまでは言わないが、自然体でいられる。

 だが、事情を知っているフェリスとしては、まだ彼に不安があるようだ。


「あの、お母さん。この人、ただの旅行者じゃなくて傭兵だよ。あの依頼を受けに来た……」

「え!? こんな『如何にも不審者です』って格好の子が!?」

「何でどいつもこいつも、俺を見た第一声が不審者なんだ!?」


 一々目くじらを立てて怒鳴りたくはないのだが、ここまで不審者扱いされると、いい加減泣きたくなってくる。格好は怪しくても、本人はまだ健全な16歳だというのに。

 そんな彼の心情を余所に、フェリスの進言を聞いたジーナは、それを豪快に笑い飛ばした。


「傭兵だろうが冒険者だろうが知ったこっちゃないさ。お客様はお客様。そして私達にとって、お客様は財布だ。なら、もてなすのが当然だろ?」

「お母さん……」

「しれっとトンでもない事言ったよ、この人。お客様は神様じゃないの? 金ヅルなの?」


 堂々と人を金ヅル宣言した事にカイトは驚くが、周りは気にしていない。寧ろ、『もっと取れ!』と煽るほどだ。

 これがジーナの接客スタイルらしい。下手に相手と壁を設けず、家族のように接する事で親密な関係を築き、また利用してもらいたいのだろう。

 確かにカイト自身も、一人で休みたい時になら、また訪れたいと思うようになっていた。


「ほら、フェリス。お客様を部屋まで案内して」

「え……? あの、出来れば、気まずいからやりたくないんだけど……」

「どうせ、この後も顔を突き合わせる事になるんだ。少し親睦を深めなさい」

「う……。は~い」


 部屋の鍵をジーナから受け取り、如何にも渋々といった様子でフェリスは返事をする。

 カイトはその後に続き、2階にある客室へと案内された。

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