第9話 黒田庄 夏祭り

バゴぉぉおおおんっ…!!!!

...え?突然入り口の扉が倒れた。その扉は透明人間にぶち当たって反対側の壁に激突した。透明人間は大量の血を流して死んだみたいだ。

「大丈夫か!?」

「えっ!?」

なんと倒れた扉から人が起き上がった。

「えっと...あ、貴方達は...?」

「近く居ったら緊急ミッションでここに来い言われて来たんや」

「そっそっそ〜☆良かった〜無事で」

2人共若い女の子だった。

「とりあえず外でゆっくり話そうや。あとミッションはもうクリアしとるから」

...てなわけで赤い鍵を使って学校の外に出て駅の方へと歩く。2人共見た目は女子高生っぽいな。なんか1人チャラチャラしててギャルっぽい子がいるけど。

「あんたら2人でここまで来たんか?」

「うん。そうやけど...?」

「良かったらウチらと行動せえへんか?4人の方が心強いし4人以上限定のミッションをクリアしたらカウントが2以上になるミッションとかあるらしいねん」

「中にはあるミッションを1回クリアしただけでゲーム終了とかね!!」

へぇ......。お互い顔を見合わせて首を傾げる。

「...祇園はどう?」

「えっ...わ、私は賢治がいいならいいけど...賢治は?」

「俺も祇園がいいなら...いいよ」

「じゃあ...私達も入ろっ...かな...」

という事で...この子達と一緒に行動する事になった。

「あ、悪い悪い、自己紹介遅れたな。ウチの名前は三国ヶ丘澪みくにがおかみお。宜しく」

「アタシは篠美章しののびしょう。呼び方は美章か美章園でいいよ〜!!宜しく〜!!」

俺と祇園も自己紹介をしてお互い固い握手をする。何と2人とも高一だった。めっちゃギャルっぽい美章園は東京に住んでて東京から家族旅行で京都に来てたから。めっちゃ関西っ子な澪は三重に住んでて家族で大阪の祖母の家に泊まっていた時にこの事件に遭遇したと言う。ちなみに学校での悲鳴は美章園がゴキブリを踏んずけたからだったという。つまり更衣室で学校に居るのは何人?という問題で間違えたのも澪と美章園も居たからだ。

「そっちはミッションどんな感じなん?」

「私らはさっきで26個目」

「おぉ、ウチらもさっきので26個目やわ」

「ねねね!!!あの猫超可愛くない!?」

「えっ!?う、うん...」

美章園が祇園にまだ出会って数分なのに馴れ馴れしく話しかける。祇園は唐突すぎて困惑している。

「もぅーー!!!もっと反応してよ祇園ちゃぁ〜ん!!!」

「ちょっ...!?な、何よ!!」

美章が祇園に抱き着いて顔スリスリする。恐らく美章園の前世は猫だ。ぺしっと澪に頭を叩かれて元に戻る美章園。

「ごめんなぁ、こいつウチと会うた時からこんな感じやねん」

「あぁ...そ、そういう系って事か...」

「もぅ澪ったら〜!!!テンション上げてこーよ!!!」

そう言いながら澪に抱き着く美章園。

「...こういう事や、祇園さんよ」

「了解しました」

「俺も了解しました」

「きゃー!!澪と祇園の髪いい匂い〜!!」

そしてかなり歩いて西脇市駅近くを歩いていた。すると目の前に怪物が2体徘徊していた。珍しいな...田舎にも居るんだ...。すると澪がかばんからよく犯罪者が使うボウガンと矢をを取り出してセットする。すると怪物がこっちに気付いて迫ってきた。

ガシュッ...!!!

怪物に狙いを定めて弓を放った。横から見るとただのスナイパーにしか見えない澪。

ブスっ...!!!

頭部に突き刺さってばたりと倒れる怪物。しかしもう一体居る。

「ここは私に任せて〜ん!!」

「えっ?武器は?」

「ふっふー...だーいじょーぶ大丈夫...実はアタシね...」

「グワァアアアアア!!!」

怪物が美章園に飛びつこうとしたその時だった。

「はぁああああっ...!!!!!」

バチコォオオんっ...!!!!

...え、え、えぇっ!?俺と祇園は驚愕している。なぜならあのチャラチャラしたギャルっぽいって言うかギャルな美章園が怪物の頭を蹴り飛ばしたのだ。

「...アタシこう見えて〜...空手全国3位何んだよね〜...凄いっしょ?」

「...ウチも空手しとるねんけどウチよりめっちゃ上手いねん...こういう事や、祇園さんよ」

「......エクセレント」

そして駅近くのホテルに入る。今日はここで泊まることになった。時計を見ると4時だった。先に風呂を済ませて服を洗濯機にぶち込んで別の服に着替えて部屋に行く。皆お風呂から上がっていた。すると澪がスマホを見ていた。

「...よし、レーダー見た感じ怪物は居らんわ」

「レーダー?」

「おん。ミッション25個クリアしたら使える機能やで?知らんの?」

澪に場所を教えてもらって使うと本当にレーダーがあった。おぉ、1体も怪物が居ない...って、おい。スマホから目を離すと女3人が爆睡してる。なんか孤立感ハンパないんですけど。俺も寝るか...布団の上で横になって寝た。


...おぉ...眩しっ...。時刻は15時。自分でも驚くくらいめっちゃ寝てた。すると澪と美章園も起き上がる。

「おはよ」

「おは......よ!?」

ん?何だ?澪と美章園が俺のお腹の方を見る。...また祇園が俺に抱き着いていた。しかも全身俺に乗っけながら。

「......んぁ...んぅ...おはよー...」

「げっ」

「おっ」

祇園が起きた。周りの視線に気付く。自分のしてる事に気付く。俺の顔を見る。ゆっくり俺から離れる祇園。

「ほう...あんたらそういう関係か」

「は、はははぁ!?ちゃ、ちゃうわ!!!」

「ホントに〜?超〜ラブラブだと思うんですけど?」

「...そ、そんな事...これはたまたまで...」

祇園が証拠突きつけられて慌てる小学生みたいにおどおどし始めた。

「確か...抱き着きながら寝るっちゅーのは「離したくない」って想いがあるからって聞いたことあるなぁ」

「えっ...」

「つーまーり、祇園ちゃんは賢治の事を離したくない。そういう事でしょ?祇園ちゃん」

「...」

顔を赤くしながら下を向く祇園さん。

「ま、ええと思うけどな。今からお祭りやねんから2人で楽しみ」

「アタシ達応援するから!!」

そう助言?する澪と美章園。祇園は下を向いたままだ。

そ...そして夕方。俺達一行は電車に乗っている。祇園は一切俺に口を聞いてくれない。澪と美章園はやれやれ...みたいな目で俺と祇園を見る。今俺達が電車に乗ってるのは祭りに行くためだ。と言うのもミッションの種類の一つにイベントミッションというものがあってそれに参加しろというミッションがあるのだ。参加するだけでミッションカウントが1プラスされる。俺と祇園は美章園から教えてもらえるまで知らなかった。今回は黒田庄の夏祭りに参加しろというミッションだった。ちなみにこのイベントミッションには敵は出て来ない。そして電車は黒田庄に着いた。駅に出ても祇園は一切変わらない。とことこ歩くと明るいグラウンドとその真ん中に祭り櫓が見えてきた。屋台とかも色々とある。

「さ、行ってらっしゃい☆」

「ウチらはなんか買うてそこで美章園と座っとくわ。楽しんで来いや」

そう言って2人は屋台の方に行っちゃった。

...てなわけで、俺と祇園の初デートって言っていいのかわからない初デートが始まった。割と屋台もあるけど人は殆ど居ない。

「な、何行く?」

「えっ...」

俺がそう聞くと祇園は少し驚いて迷う。実はこのイベントミッションでお金を使う事は無い。屋台や自販機全て無料なのだ。

「たこ焼きが...ええかな...」

「OK、じゃ俺も」

てなわけでたこ焼きの屋台の前に行く。屋台の中には人が居る。

「たこ焼き1つお願いします」

「はいよーー!!」

澪曰くイベントミッションに出てる屋台や係員は全員人造人間だと言う。ほんとZeroって金かけてるよな...。

「へいお待ちぃ〜!!!ありがとう!!!」

人造人間とは思えないほどの身振り手振りで熱々のたこ焼きが出てきた。礼を言って別の屋台で唐揚げとポテトとジュースを買ってベンチに座る。

「お疲れ」

「お...お疲れ...」

乾杯してジュースを飲んでお互いたこ焼きを出して食べる。祇園は未だに俺の顔を見てくれないし黙ったままだ。そしてすぐに俺だけ先に全て食べ終わってぼーっとしていた時だった。

「...私さ」

「ん?」

祇園が突然前を見ながら話し始めた。

「人生で初めて心の底から大切な人が出来てん」

「...俺も一生守りたいって思える大切な人が出来てん」

「えっ...?」

祇園が目を丸めて俺を見る。

「...祇園、お前や」

「............」

じっと俺の顔を見てから下を向く祇園。

「...何泣いとん?」

「っ...泣いてへんわ...うっ......」

スカートにぽたぽたとなみ...にわか雨を降らしながら俯く祇園さん。仕方なく優しく抱く。

「...俺の妹そっくりや...強がって泣いてるのに泣いてへんって言うてこうやって抱いたら泣き止む所」

「......そうなんや......げっ!?」

祇園が突然俺から離れた。

「おっとー??いい感じじゃーん!!」

「おぉ...素晴らしい」

澪と美章園がやって来た。祇園は少し不機嫌そうな顔をする。

「...な、何よ...」

「まーまーそう怒んないでよ祇園ちゃーん!!でさ、この祭りね?20時から花火があるんだってさ!!」

「400発くらいの花火らしいで〜。んじゃ」

澪と美章園はとことこと去っていった。スマホの時計を見ると19時46分だった。

「行こっか」

「...うん」

お互い手を繋いで会場に行く。手は良くミッション中に繋いでるが今回は何か違う。いつもより手が温かい気がする。

そして20時。

ひゅー......ドンっ...!!!

夏を代表する音を鳴らしながら夜空に開花する花火。祇園は満開の花火に見とれている。

その表情はいつもより嬉しそうな表情だった。

...ふぅ。ホテルに戻って俺は湯船に浸かっている。ただ...俺は一つ困っている。なぜなら...祇園さんも湯船に浸かってるからだ。身体にタオルを巻いている祇園さんが真横に居るんですよ。これには訳がある。

数分前...。

俺が身体を洗っていると急に風呂場のドアが開いた。

「えっ!?ど、どしたん!?」

「......い、いやぁ...そ、その...」

何とそこにはタオルを巻いた祇園が居た。

「澪と美章に...せっかくやから2人でお風呂入って来いボケ!!!って脅されたから...」

「えぇっ!?あ、あいつらの仕業かよ...」

...という事でこういうことになった。良かったータオル巻いてて。巻いてなかったら祇園に天ぷらにされてただろうな。はぁ...お互い黙ったままだ。にしても祇園って身体綺麗だなぁ〜。

「...あれ」

「ん?」

祇園がめちゃめちゃ不思議そうな目で俺を見る。

「襲って来うへんの?」

「はい?」

「いやぁ...恋人同士で初めてのお風呂で...初めての混浴やろ?...襲う以外何があんの?」

挑発するような目で俺を見る祇園さん。...物凄く返答に困る。これなんて答えるのが正解なの?誰かに助けて欲しいくらい困ってるんだけど。

「なーんて。賢治ってほんまからかいやすいな」

「ぬぅ......」

祇園が子供のように笑う。...って言うか何なんだよこいつぅ!!!そして風呂から上がって服を着て部屋に戻る。祇園は安定の制服だ。澪と美章園はお風呂タイムだった。祇園はまだ俺を舐め腐った目で見ている。

「はーおもろ。ほんま賢治おもろいわ」

「それは何よりでございます」

「そんな怒らんとってや〜。さてと〜...」

...最近思うんだけどさ、祇園俺に馴れ馴れし過ぎないか?よーし...ちょっと一発ぶちかますか...。

「あ、めっちゃ久しぶりに言うけど変なこと...んっ!?」

祇園が俺の方に体を向けた時だった。祇園を押し倒して馬乗りになって祇園の左手を床に押え付けて口を塞いだ。祇園はびっくりしているのか目を見開いている。

「...あれ?抵抗せーへんの?」

耳元で微笑みながら小声でそう呟くと諦めたような顔で横を向いてどんどん顔が赤くなってきている。恐らく本当に俺なんかに襲われるなんて思ってもなかったんだろう。口から手を離すと祇園がチラッと俺を見る。

「ほんまにされたら弱いんやね」

「...そんな私は嫌い?」

「んーん、寧ろ可愛い」

「...ふっ...そなえ言うたら何でもええもんちゃうぞ.........」

30秒くらい沈黙が続く。

「...何しとん?」

「え?」

「早よ......脱がしてよ...」

「えっ!?」

今何て言った?いや......待て待て今のは聞き間違えだ。

「こ、ここまで来たんやから......は、早よしてや......」

...そして祇園の身体を起こしてゆっくりと祇園のセーラー服を胸の上までずらす。そこには真っ黒の下着を付けたまさに日本の女性を象徴するようなしなやかでむっちりした美しい祇園の上半身が顕になった。いやぁ...綺麗。ていうか祇園って......結構胸あるんだな......。

「そ、そんな見んとってよ...恥ずかしいやんか...」

「あぁ...ご、ごめん...」

腕で胸を隠して横を向いてほんの少し怒った顔をしながら照れるという男を殺すくらい可愛い顔をする祇園さん。そして...お互い手を取り合って顔を向き合わす。

...ちゅっ。

今私は人生で初めての舌を絡ませるキスをした。そして私を押し倒して私を支配するかのように覆いかぶさる賢治。すると賢治の片手が首に触れた。え?と思っているとゆっくりと猫を撫でるように撫で始めた。あれ...?何か...変...?撫でられる度に身体が変な感じになる。んっ...待って...これって...。脇、手、腕...と、指を這わしていく。まさか...賢治...私を焦らせてる?そのせいで...身体が......ムズムズしてる...?そしてとうとうまだ誰にも触らせた事が無い私の両胸を掴んだ。

「んっ......」

無意識に声が出た。賢治は興味深い顔をしながら遠慮なく揉み続ける。揉まれる度に声が出てしまう。あれ...私ってこんなに感じやすかったっけ......?気が付けば身体をくねらせて悶えていた。すると賢治の右手が胸から離れた。え?と思っていると閉じていた太ももを右手で開いてそーっと太ももの付け根の方に手を沿わしていく。どんどん指がそこに近づくにつれて息が荒くなる私。そんな私を見て少し微笑む賢治。なるほど...こうやって私が悶えているのを見るのが目的だったってことか...。そしてスカートも捲られて真っ黒のパンツも丸見えになった。ツンっ.....。あっ......。ついに指がそこに触れた。私の祇園に触れた。それと同時に声が出た。その声を聞いてまた微笑む賢治の両手が動く。遠慮なく胸を揉み続ける左手と優しく猫を撫でるように右手で私の祇園を下着越しに盛り上げる度に久しく濃くて甘い色の声が出る。段々私の祇園からクチュクチュと盛り上がりの音が鳴り始めた。すると賢治の中指が私の祇園の中の祇園に触れた。私の身体が祇園の盛り上がりについていけなくなってビクッと震えたと同時にさっきとは違う快感が全身を駆け巡った。するとブラをズラして乳房を手のひらで遊びながら胸を揉んだり耳を舐めて来た。無意識に私の右手が口元に添えられる。快感が込み上げて我慢出来なくなってもう何も考えられなくなった時だった。

「あっ...んんんんぅううっ......!!!」

...腰を突き上げて絶頂に達した。...初めて他人に触られてイカされた。それが人生初の彼氏だなんて......。すると賢治が私の髪を掻き分ける。

「終わる?」

そう聞かれて小さく頷くと賢治の唇が私の唇と重なる。私の祇園祭は賢治の手によって華やかに幕を閉じて制服を着直す私。

「結局変な事するつもり満々やってんな」

「べ、別にそうって訳でもな」

「そうやろ?」

「...もしそうやったとしても...嫌?」

「......別に」


「...なぁ...いつ入ったらええんやろ......」

「も、もういいんじゃない...?流石に終わったと思うケド...」

全て澪と美章園に襖越しに聞かれていたのは内緒の話。

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カンサイ崩壊 祇園四条 @ASR223

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