第26話むしくいじけん。

BGM当てるゲームの手番が何回か回って、慣れてきたくらいの時に呼び鈴の音がした。 一瞬、その音もBGMの一部かと思ったけど、時間的にそろそろかと思ってたので、スルーすることなく気付くことが出来た。

キロがインターホンの方へ行き、「鍵空いてるから入って」と言う。

「サキちゃん?」

「うん」

まぁ、福原ならインターホン鳴らさず勝手にドアを開けて入ってくるような性格なので、用意に予測できたけど。

「おはよー」

サキちゃんは部屋にあがって、時間的に少しズレてる挨拶をした。

「おう」

ま、突っ込まず普通に応じるけどね。

「ちわ」

キロは、若干反応したように見えたけど、結局スルーした。

「福原まだ来てないけど、もうピザ選んじゃうか」

「そだね。 アイツなんでもいけんだろ」

俺の提案にキロが乗る。

「福原くんって、会ったことないけど好き嫌いとかないの?」

不思議そうにサキちゃんが訪ねてくるので、俺達はサキちゃんに真実を教えるべきか迷ったけど、これから会うことになるし、告げることにした。

「なんでも食うよな、あいつ」

そこまで言ってキロにふる。

「うん、虫でも食うよ。 実際食べてたし」

俺達の間で有名な、虫食い事件とは、このことだ。 なにかに穴が空いてたとか、そういう生ぬるい事件じゃなくて、マジで食ったやつ。 俺はその頃でもあいつとは長い付き合いだったけど、付き合い考えるべきか本気で悩んだレベル。 まぁ、そんなことがあっても時々会って話したり遊んだりするするくらいの仲が今でも続いているから、あいつの人間の良さの証明にもなってる気がしないでもないけど……。

「えっ……」

サキちゃんは、冗談と取っていいのか、それとも真実なのか、疑っているような表情を浮かべている。 そりゃそうだ。 俺も最初は目を疑った。 なぜなら、

「あいつ、部屋に出たバッタをそのまま手で掴んで口にはこんだんだ」

「マジでビビったよなー。 酒入ってたとは言え、あれはやばかったよ」

あ、キロも俺達も普通に成人してるから、お酒とか大丈夫だよ! ←(何に対する言い訳だよ……)

忘れられてるかもしれないが、キロに関しては一浪してるし。

ま、そのことは置いといて、ともかく福原に好き嫌いなどあるはずもないので、それまでの話をパパっとたたんでピザのチラシをキロが持ってきた。

俺は何でも良かったので、キロに聞くとキロも何でも良いと答えたので、サキちゃんに3枚くらい選んで貰って、俺が電話をかける。 住所で少し詰まりそうになったけど、なんとか思い出して伝えて、あとは待つだけ。

福原とピザ、どっちがはやいかなぁ……。

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