第19話おひるごはん。

講義終了のチャイムが聞こえてきて、あのクソ長い講義が終わったのだと気付き、少し気分が晴れる。

っと、同時くらいに、またキロからのメッセージが届く。

『食堂で食べてかえらね?』

俺は、午後にもう1コマ講義をとっていたので、食堂で食べても帰れない旨を返信した。

数秒後、また返信がくる。

『んじゃ、食堂いってるわ』

了解。 ということで、俺は先ほどの講義の資料やレジュメをバッグにしまって講義室をあとにする。 講義の眠気がまだ残っているのか、食堂までの道すがら、数回あくびがこぼれる。

そーいえば、今朝はこのあたりでサキちゃんに会ったなぁとか思い出しつつ、まぁ、当然ながらサキちゃんいないなぁなんて不毛なことを考えながら歩いて、食堂に到着。

ぱっと見て、すぐにキロの座っている席を見つける。キロは、明るい髪色のせいか、よく目立つので、こういう時に苦労しない。 後ろ姿で判別出来るくらいには、めだってる。

「おう、おつかれ」

キロの座っている席へ行って声をかける。

「あ、おつおつ」

キロはテーブルに置かれたかけうどんを夢中ですすっているためか、こちらを見ることなくそう言った。

「俺もなんか買ってくるよ」

「ん、カバン置いてきなよ。 見ててやるから」

「さんきゅ」

そんな会話をして、俺は食堂メニューの並んでいる方ではなく、学生コンビニの方へ向かった。 食堂のメニューは、俺としては、あまり美味くないんだよなぁ。 だから、学校内で飯を食べる時は自然とコンビニに頼ることになってしまう。 おかげでポイントが、めちゃくちゃたまっている。

適当にサンドイッチとホットドッグ、あと牛乳を買って席に戻ると、キロはもう汁を飲み干さんばかりの勢いの所まで来ていた。

「はえぇな」

思わずそう言ってしまった。

「まぁ、うどんだからね。 他のより早いよ」

この時間、食堂はかなり混んでいて、普通の話し声は聞き取りづらくなってしまうので、自然と声が大きくなってしまうのは、キロも同じなようで、普段よりは少し大きめな声で答えた。

「なに買ってきたの?」

「サンドイッチとホットドッグ」

「あれ? いつもの牛乳は?」

「それはもう無意識に近いレベルで買うよ」

「うぇー。 牛乳おいしいか?」

「逆になんで牛乳嫌いなんだよ?」

「なんてゆーかさ、んー……」

話ながら、俺は先ほど買った昼食の開封をして食事の準備を進めてく。

「んー……」

キロは、どうしても牛乳が嫌いらしく、その嫌いな理由をまだ考えている。 その間に俺はサンドイッチをかじり、牛乳を一口。 うん、おいしい。

「なんてゆーかなぁ……。 くさい?」

「そーか? 風味が苦手、てきな?」

「あー、そんな感じかも」

「おいしいと思うんだけどなぁ」

「んー。 とりあえず、いちご牛乳みたいなのから飲んでみるとかやってみよーかな」

「あ、いいんじゃない?」

そんな会話をしながら、俺は食事を進めていく。 午後の講義までまだまだ時間はあるので、ゆっくり出来そうだなぁ。

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