第4話胡蝶泉

20100822(日)雨


ぎょっ!朝薄明かりに見ると女が寝ている。

何かわけがわからない?男子部屋のはずだが。また寝る。


やはり二人の女性が出て行った。みんなが出て行って起きる。

一人の英国風老人が向かいで眠っている。ほっとする。


今日は一日中雨か、これなら昨日かさを買っとくんだった。

とにかく食べに出る。すぐのところに折り畳み傘があった。


スーカイ(スー元)。このスーが4のスーと10のスーと

まったく区別がつかない。指を4本立てると首を横に振る。


両手の人差し指を重ねて十の字を作るとうなずく。

やはり10元だった。傘を差してきくやにむかう。


強烈なケチャップのかかったオムレツをよくかんで食べる。

さあどうしたものか。便意を催してきそうだが手紙ティッシュ

は十分あるし途中でもいいか。バス停を確認しようと思ったら、


胡蝶泉まで5元。安い!もうそのまま乗ってしまった。

琵琶湖の湖西道路をミニバスで行く感じ。


喜州からわき道に入り凸凹道を抜けると胡蝶泉に着いた。

約40分くらい。憧れの胡蝶泉に着いた!!


2010年8月22日午後2時ごろ。

胡蝶泉は私が来るのをじっと静かに待ちわびていた、


はずだったが。たくさんの観光バスが並んでいる。

60元払って憧れの胡蝶泉景区に入った。


蒼山のふもと、うっそうとした森の中だ。

各団体のガイドさんは皆白族の民族衣装で

とても美しくおしゃれに見える。


竹林の坂を上り詰めたところに泉は湧いていた。

ちょうど富士のふもと忍野八海のような泉で

かなり深いがきれいにすんでいて湧き水が見える。


あちこちと水中洞穴でつながっていそうだ。

忍野八海もそうらしいが飛び込んだが最後

戻ってこられそうにない。


うっそうとした樹木が周りに茂っていて

とても神秘的なところだった。


泉にまたこれるようにとお題目をあげ

こぎれいなトイレで用を足して

胡蝶泉を後にした。


さあ最後の大仕事藍染を買い付けに周城へ向かう。

胡蝶泉の駐車場からバタンコに乗ると、


「どこへ行く?」

「周城」

「5カイ(元)」

「ハオ」


ところが後でよく考えると、胡蝶泉から続く街道沿いが

ずっと周城らしくて2kmで町並みは終わった。


「どこへ行く?」

「藍染工房」と言いながら書くと、

「ハオ」と言ってとある染物工場へ連れて行く。


それは町並みのすぐ裏手でこじんまりとした民家。

中に藍染のハンカチ、風呂敷サイズが一杯。

いろいろ見せてはくれるが他がない。


こんなのを探していると暖簾の絵を描くと

バタンコのおじさんは大きくうなづいて

次の工房へ連れて行ってくれた。


ここは本格的な工場だった。ここだここだ!

染めは木製の大きな樽で行う。

この樽がいくつも作業場においてある。


藍染のほかに草木染め、菊、ウコン、芥子、茶などなど。

同じアイでも染めの回数、葉と茎と根によって色がぜんぜん違う。


暖簾だけでも相当の量があって安ければここが一番かな。

問題はデザインだ。かつてインドネシアやインドで

探したバチックの図柄は独特だが宗教的で難しい。


なんとか日本的なものを京都的なものをと探すと

草花の一本描きがなかなかいい。藍、菊などいろいろとある。

これはいけそうだが、1枚60元という。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る