3話目「厨二病の人間の女の子」

「甘いな」


と紺は港の槍をいとも簡単に払い除け 懐に入る


「まだまだ甘い これで一度死んだな」


「あら・・・殺せるのに殺さないの?」


紺は剣らしきものを消し港から離れて言う


「普通の人は 人を殺したら重罪なんだろう? だからこそ 私は人を殺さない」


「ふぅん」


港も槍を小さくし ポケットにいれる


「拾ってくれてありがとう 虹述くん それじゃ また明日ね」


「あ・・・うん」


「狐 もう帰れるのだろう? 買い物とやらに行きたいのだ!」


狐は少し笑いながら


「そうだね 帰ろうか」


と階段を降りて 校門まで向かう


「そういえば紺 靴は?」


「おぉ そうだ  職員玄関に置いてきたままだ 校門で待っててくれ」


「わかったよ」


と一足先に校門につく狐 すると


「溶さん」


「狐くん 久しぶり 元気みたいだね」


「溶さんこそ」


「僕は元気じゃないと あの三つ子ちゃん達に心配されちゃうからね そうそうもし見かけたらあんまり遠くには行かないようにって言ってくれるかい?」


「いいですよ」


それじゃと溶と呼ばれた男が立ち去っていく


「ふむ 今のは誰だ?」


「え? あぁ 火流 溶(かりゅう よう)さん ちょっとした知り合い 警察の人なんだ」


「ほぉー なるほどなー」


「それじゃ 一回帰ろっか お金とかほとんど置いてきてるし・・・そういば紺 鍵閉めた?」


「うむ 出るときに鍵入れっぽいところから それらしいのを選んだら合ってたから閉めてるはずだぞ」


「そっか ならいいや」


二人が家に帰り 着替えてから商店街へと向かう


「ここが商店街か!」


「そうだよー まず服屋さんで 自分が気に入ったものを選びなよ あと下着と」


「う・・・うむ!!」


珍しく紺が緊張している様子


「あ・・・・」


と後ろから声が聞こえ


二人とも振り返ると まだ小学生の小さい女の子が現れた


「雫ちゃん お買い物?」


「うん 狐お兄ちゃん!」


「雷ちゃんと雹ちゃんは?」


「えっとn」


と雫と狐の間に 雫と同じ背丈の女の子が現れる


「雫に近づくなこの汚物!!」


「雷ちゃん 久しぶりー」


すると雷の頭を手刀で殴る また同じ背丈の女の子が現れた


「いきなりそんな暴言吐かないの 雫がオロオロしちゃってるでしょ」


「おぉ・・・三つ子と呼ばれるものか!」


興味深く 雫たちを見る紺


「あの・・・えっと・・・!」


「あぁ 名前を知らないな 私は芽次波 紺という 今は狐の家で居候をしている身だ」


「あ あのあのあの えっと 気害 雫(きがい しずく)って言います!」


「気害 雷(きがい らい)よ!」


「雹(ひょう)って言います~ 苗字は雫と雷と一緒です~」


「ふむ 雫に雷に雹だな よろしくな」


と雫の頭を撫でる


「あー 雫だけずーるーいー! 紺お姉ちゃんあたしも撫でてー!!」


「私もー」


「うむ 順番だぞ」


「ハハッ 懐くねぇ 3人とも」


「話しかけるな 汚物!!」


どうやら 雷は狐が嫌いな模様


「はいはい ほら雷 買い物いくよ」


「はーなーせー 雹ー! こーのーおーぶーつー片付けるー!」


とどんどんと離れていく


「えとえとえと 狐お兄ちゃん 雷がいつもごめんね?」


「気にしてないから平気だし 僕を嫌うのもわかるからね ほら雫ちゃん 早く追いかけないとおいて行かれるよ?」


「ふぁえ!? ま またね! 狐お兄ちゃん 紺お姉ちゃん! 雷ー!雹ー!まってぇ!」


そういうと 雫はお辞儀をして雷と雹の後をおう


「さて 紺行こうか」


「あぁ!」


と商店街を進んでいくと


「狐はいろんなタイプの奴と仲良しなんだな」


「あの人たちだけだよ 仲良いの 小学も中学も・・・高校も・・・ここに住んでいる人は僕を気味悪がっているから」


「ふむ・・・いじめというやつか?」


「まぁそんなもんだねー っと ここの服屋さんはどうだい?」


紺が店の様子を少し伺いながら


「うむ、気に入りそうなのがありそうだ 入ろう」


そうして数時間後 2人は帰路へとついていた


「これでしばらくは大丈夫かな」


「うむ 手数をかけたな」


「大丈夫だよ~」


すると紺はいきなり立ち止まり 狐を見て


「虹述 狐 貴様はなぜ私を人間にしたんだ?」


狐は紺の方に振り向き 少し間をおいてから


「何を言ってるんだい? いったじゃないか あの時目の前にいたのは厨二病の人間の女の子だってさ」


「…そうか」


紺は少し笑い 家へと帰った

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人類を滅亡させようとする人と仲良くなりました 港龍香 @minatoRK

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