人類を滅亡させようとする人と仲良くなりました

2話目「ありがとう そしてさようなら」

「おぉ・・・これが『てれび』という奴だな！　本当に箱から声が聞こえるぞ！」

どうやら紺はある程度なら人間としての知識を持っているらしい

「君にとってはこの家は飽きないかもねぇ」

と笑いながら狐は言う

「ふむ　人間が作ったものは興味深いな」

「それはよかった　僕明日は学校で家にいないから・・・留守番しててくれる？」

「『がっこう』・・・たしか人間が知識を学ぶ所だな？　狐は学生だったのか」

「うん　本当は町とか案内したいけど　学校をサボるわけにはいかないからね」

「それなら仕方ないな　我はここで待つとしよう」

紺はあっさりと了承した

「それじゃ・・・君の部屋はここだね　明日はバイトもないし・・・服とか必要な物を買いに行こうか」

「わかった」

「それじゃ　ご飯食べようかー」

「うむ！」

うん・・・・何もトラブルなく進んでるね　順応しすぎだね

～次の日～

「それじゃ行ってくるね？　危険なものには触らないように」

「わかったぞ！学校頑張ってくるのだ！」

その上からはどうにかならないのか

でも狐は気にしてないようだね

～学校～

「きっつねー！」

「震・・・おはよう　久しぶり」

と隣の男子生徒が狐によってくる

「おう！おはよう久しぶり！　なーなー　俺達がいない間に台風が来たんだってー？　体験したかったぜー！」

「なんで体験したいのさ　やっぱり震はおかしいねぇ」

「そうかー？」

「おかしいよ　全くね」

「ふむ　天災を喜ぶ人は珍しいのだな？」

「あぁ　うん　大抵みんな怖がるもんだよ・・・・・ってえ？」

と狐はいつの間にか隣にいた紺を見る

「どうしたんだい？　こんなところで」

「ふむ　おとなしく留守番してようと思ったのだが　嫌な予感がしてな　こうしてやってきた」

震は紺に向かい

「お？　狐の知り合いか？　俺は盤津　震（ばんづ　しん）よろしくな」

「現在狐の家で居候をしている　芽次波　紺と申す　よろしく頼む」

「紺　ちょぉーーっとこっちこようか」

「む？　わかった」

と廊下に出て　狐は紺に質問をする

「芽次波なんて苗字いつ考えたの？」

「時間帯で言えばちょっと前だな　この学校に来たときに職員玄関というところを通る際に聞かれたので　考えた　事務室の人には狐の遠い親戚で親の都合で狐の家で居候していると説明している」

「えらく現実的な言い訳をしたね　でもこの時間帯って確かダメなはずじゃぁ・・」

「その事務室にたまたま校長という人物が現れてだな『可愛いからOK』だと言われた　流石に行動の制限はされているが」

校長ロリ説勃発

「さっき嫌な予感って言ったよね？」

「あぁ　たが流石に何が起こるかはわからない　思い過ごしかもしれないしな　迷惑だと思ったが勘が当たって狐になにかあったら困るからな」

「そうか・・・わかったよ僕も少しだけ用心するね　このあとどこかに行くのかい？」

「授業中は保健室というところでいてほしいと言われた」

「場所はわかるかい？」

「教室に来る前に確認したから大丈夫だ」

と紺が言い終わると同時に　狐の後ろから新たな声が聞こえた

「虹述君　そろそろホームルーム始まるよ」

狐は振り返り　答えた

「ごめん　委員長　すぐ行くよ」

「・・・その子誰？」

「私は狐の遠い親戚で芽次波　紺と言う　高校というところに通ったことがないので見学しに来たんだ」

「そう・・・私は神道　港（かみどう　みなと）虹述君のクラスの委員長よ　よろしくね」

と港は手を出し　握手しようとする

「うむ　よろしく」

と紺も手を出し　握手をした

「じゃ　紺　大人しく待っててね」

「心得ている」

と紺はそのまま教室を離れた

ホームルームが終わり　授業そして　放課後になった

「さてと・・・紺迎えに行くかなー・・・あれ？」

と階段のところで港を見つける　狐

保健室もそのルートなので後を追う

なにやらプリントを持っているようだ

すると港は階段を踏み外し　転びそうとなる

「危ない！！」

と狐が港を受け止めた

「大丈夫！？　委員長！」

「へ・・・あ・・　大丈夫よ　虹述君　ありがとう」

と態勢を元に戻し　散らばったプリントを片付ける

「・・・虹述君は優しいのね」

「え？　そうでもないよ・・・実際」

「でも　転びそうになった人を助けるなんてこと・・・」

「あれは　目の前にいたから・・・あ　こっちにも落ちてるよ」

「いいえ・・・本当に優しい・・拾うの手伝ってくれてありがとう　虹述君　そしてさようなら」

「！？」

と狐は不意をつかれ　港の取り出したものにぶつかりそうになるが

その瞬間　紺が目の前に現れた

「ふん　嫌な予感は　貴様か　神道　港」

「さっきぶりね　芽次波　紺」

紺はそれほど大きくない剣　港は自分の身長ほどの槍を握る

「委員長！？　一体何を」

「さっき言ったでしょう？　さようなら　貴方達はここで死ぬの」

「ふん　そうはさせるか　神道　港・・・いやこれは偽名なのか？」

「いいえ本名よ・・・ただ普通の学生ではないけれどね」

と港は槍を構えこう言った

「暗殺者　港　世界の破壊者である貴方達を殺しに来ました」

そうして　港は紺に突撃しに行ったのだ