1話目「我は人を滅ぼす化物だ」

「さてと・・・」


と狐はどうやって行くのか考えていた


「普通に行ったら止められるし死ぬかなぁー多分・・・まぁでもどうせ死んじゃうし 別にいいかな そのまま行こ」


竜巻に向かい 一歩ずつ 一歩ずつ歩いていった

近づけば近づくほど 顔には傷が増えていく

それでもお構いなしに狐は歩いて行った

そしてもう竜巻は目の前


「うーん・・・ここから先どうしよう 特効する・・・とかしかないかなー ここまで来て引き下がれないし」


すると声が聞こえた


『貴様は誰だ』


暗く重い声


「僕は虹述 狐 君が滅ぼそうとしている人間の一人だよ」


『人間は・・・滅びろ!!』


と竜巻は強くなる


「まぁ僕は死んじゃうかもしれないけど・・・最後に君を見たいなって思ったんだよ」


『なぜだ?』


「冥土の土産みたいなね どうせ死ぬなら僕を殺した相手を見ようと」


すると竜巻から一つの影が見えた

その影はどんどんと大きくなり 竜巻から出てきた

そこから出てきたのは人間と全く同じ外見

身長はだいたい145cm 黒に近い紺色の長い髪

目は青色の女の子だった


「初めまして 君が人を滅ぼすと言った人?」


「人ではない 我は化物だ 人間を滅ぼす化物だ」


淡々と言う


「どうして人間を滅ぼすんだい?」


「この世界を守るためだ 今の環境破壊を止めるためには人間を滅ぼすしかない だから我は人間を滅ぼすための化物なのだ」


「どうして君は自分を化物と言うんだい?」


「簡単な話だ 人は人を滅ぼせない 滅ぼしても最後には自分という人が残るからな だから我は化物」


しかし小さな声で


「しかし我も人間を滅ぼしたら死ぬがな・・・」


それを聞いたのか狐は少し笑う


「君は死ぬのは怖くない?」


「怖くない それが本望だ」


「本当?」


と言うと少し口ごもる


「・・・怖くない・・・は嘘かもな 本心では死にたくないと思っているのかもしれない」


「それじゃ 君は人が嫌いかい?」


「・・・嫌いだ この世界を滅ぼそうとしている人間なんて・・・貴様はなぜそんなことを聞く? 何が目的だ?」


「君と話しながら 人間が滅びなくて良い その方法を思いついたんだ」


「我を殺す気か?」


「ううん」


狐は言うことを否定した


「きっと殺しても君みたいなのがなくなるわけじゃない しかも僕は君を殺せるほど強くないよ」


「なら・・・何をする気なんだ」


すると狐は手を差し伸べてこう言った


「君を人間にするんだ」


「何を言っている 我は化物 人間を滅ぼす・・・」


「君はそう思ってるだろ? でも僕は一度も化物とは思ってないよ 僕の目の前にいるのは普通より背が小さい中二病の女の子だよ 君がどんなに化物と思っていようとも 僕は同じ人間だと思っている 君が人間が嫌いというなら好きになるまで僕が付き合うよ だから・・・僕とい一緒にこれからの人間の世界を見にいかないかい?」


「・・・くだらない」


すると竜巻はみるみる弱くなっていき・・・消えた


「しかしそのくだらない幻想にのってるみるのも悪くない」


「交渉成立だね」


「我は今から化物ではなく人間だ よろしくな 虹述 狐」


「よろしく・・・えっと・・・君名前は?」


そうえいばこの人間は名前を名乗っていない


「名前など存在しない 我はただ人を滅ぼすために生まれてきたからな よかったらお前がつけるがよい」


「それじゃお言葉に甘えてー・・・」


と狐は考え・・・


「紺・・・紺(こん)がいいかな 君の髪の色黒っぽいけど紺色だし・・・目の色にちなんで碧とかでも良さそうだけど」


「紺・・・か・・・」


「気に入らない?」


紺と言われた少女は首を横に振り


「気に入った」


狐は微笑み


「それはよかった」


「しかし人間には苗字が必要ではないのか?」


「うーんそれはおいおい考えて行こう 今すぐ必要ってわけじゃないし まずは僕の家に案内するよ」


「よろしく頼むぞ!」


1人の少年によって救い出された世界

でもその事件はただのきっかけでしかなく

2人を巻き込む事件は

少しずつ闇を広げていく


虹述 狐

そして後に芽次波 紺(めつは こん)と呼ばれる女の子


そうして 人類を滅ぼす化物は人間となったのであった

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