5.The girl who kills people by
「瑙楼 眼華紗を殺せ」
え・・・?
「逆らったら・・・分かってるな?」
分かってるよ・・・・
私はあなたに従うしかない
それしか・・・・ないんだ・・・・
~学校~
はぁあ・・・・眼華紗ちゃんを殺せ・・・かぁ
人を殺しかけたことは何回もあるけど・・・
実際に殺すのは・・・・大変そう
「嗄恋? どうしたでありますか?」
「あ・・・ううんなんでもないよ!」
あ・・・眼華紗ちゃんには逆効果だったんだ・・・
もうバレちゃってるかな・・・
「そうでありますか・・・なんでもないならいいんでありますか・・・」
と眼華紗ちゃんは私の前をあるく
今日はたまたま一緒に登校してるの・・・
いっつも私の方がちょっとだけ遅いんだけどね
さてと・・・・今日中だっけ?
眼華紗ちゃんの眼でもうバレてるだろうし・・・
やっぱり今日中だよねぇ?
どうやって殺そう?
やっぱり簡単に窓から落とすとか?
カッターで一刺しとかロープで締めるとか・・・
いろいろ方法はあるよね
でもカッターもロープも今日持ってきてないんだよね・・・
どうしよう・・・・
まぁ・・・なるようになるか!
~放課後~
「めーかーさちゃん! かーえーろ!」
結局殺せなかった・・・
い・・いやまだ時間もあるしまだまだここから!
「分かったから 抱きつくなであります!」
抱きついた私を眼華紗ちゃんは引き離す
うぅ・・・最近全く抱きつけてないよ
抱きつきがいいのは本当なんだけどなぁ・・・
わかってくれたのは水響さんだけか・・・!
でも一回抱きついたらわかるんだよあのもう一回抱きつきたい気持ちが・・!
って何熱く語ってるのって・・・
殺せなかったけど 殺人のターゲットの前なのに・・・
そうして私は帰路に付き家に帰ると
玄関には沢山の凶器があった
‐でもカッターもロープも今日持ってきてないんだよね・・・‐
違う 私はわざと置いていった
‐やっぱり簡単に窓から落とすとか?‐
出来るわけがない だって・・・だって・・・!
「親友を殺すなんて私には・・・出来ないよ・・・・」
だってそれは今までと同じ
殺人衝動になったときも私は人を殺さなかった
それは 大切な友達だから・・・
でも どうしたらいいの?
たった一人の
私の大切な弟を助けるためには
一体どうしたらいいのよ・・・
~とある場所~
「まだ・・・殺せてないようだな・・・早くしないとお前の弟がどうなるか・・・」
「私は・・・」
ずっと考えて考えて・・・辿りついた答え
「私は殺せない いや 殺さない 大切な親友を」
「・・・なら・・・おまえの弟を殺してもいいんだな?」
「それはいや 大切な弟を絶対に殺されたりしない 変わりに私を殺して」
それしかない
大切な親友と大切な弟を守るためには
「そんなことしなくてもいいでありますよ 嗄恋」
後ろから声が聞こえた
私は振り返ると・・・
「眼華紗ちゃん・・・? 龍闍君・・・?」
すると眼華紗ちゃんはふっと笑い
「お前が死ぬなんて 誰が許しても私が許さないでありますよ」
と眼華紗ちゃんはあいつに向かいこう言った
「人を使って私を殺そうなんて姑息な真似をするでありますな」
「ど・・・どうして・・・」
「この能力は上手く使えば少し先の未来も見えるであります それからの予想でありますよ」
「それで俺の龍でここまできたってことだよ」
そういことなの?
でもなんで・・なんで敵陣のところにくるの?
決めた決心が揺らいでしまう
目の前にターゲットがいる
眼華紗ちゃんを殺せば弟が・・・弟が・・・!!
「眼華紗ちゃん 逃げて・・・これ以上一緒にいたら私が・・・」
「大丈夫でありますよ 嗄恋 お前は私を殺さない」
どうして・・・なんでそんな信用してるの?
あの時だって・・・眼華紗ちゃんは・・・まるで私を見透かしたように・・・
「あと・・・お前が私を殺しても 嗄恋 お前は殺されてたでありますよ あいつらの目的は私でありますからな」
え・・・?
それじゃ なんで眼華紗ちゃんを殺すなんて・・・
すると眼華紗ちゃんは言った
「おい 私がそっちに行けば嗄恋の弟は解放されるでありますか?」
「・・・・あぁ」
「なら私がそっちに行くであります」
「なっ・・・! 眼華紗ちゃん!!」
ダメだよ! 折角・・・折角 2人ともがここにいてくれる方法を探したのに!
眼華紗ちゃんがそっちにいったら・・・!!
「嗄恋・・・言ったでありますよ お前が死ぬことは誰が許しても私が許さないって お前が私を助けるように 私もお前を失いたくないのであります」
「違う! 私は・・・私は!!」
言おうと思った瞬間 眩しい光に包まれた
目が慣れると そこに眼華紗ちゃんの姿はなかった
代わりにいたのは私のたった一人の大切な弟の姿
「秤瞳・・・なんでこうなったんだ?」
龍闍君が言う
「私ね・・昔・・・」
私は昔 人を殺しかけた
そうあれは中学2年生の時
私は好きな人がいた
私の友達はその恋に応援してくれてたんだけど・・・
友達は・・・私の好きな人をとっていた
だってあの日
彼の隣には友達がいたんだもの
嫉妬した
嫉妬して・・・嫉妬して・・・私はどっちも殺そうとした
でも殺せなかった
大切な友達を
好きになった彼を
私は殺すことは出来なかった
それからというものの
前まではなかったこの殺人衝動が起こるようになった
どんなことに対しても
好きな人をとられて 嫉妬して
付き合ってる人を見て 嫉妬して
何回も 何回も 私は人を殺そうとしたの
恋をしたら私は人を殺したくなった
そうして私は一人になった
誰も関わらなければ 私は人を殺さないもの
でも高校生
私は眼華紗ちゃんと出会った
会った時 眼華紗ちゃんはこう言った
「お前のその病気は逃げてるだけじゃ どうにもならないし 治らないでありますよ」ってね
私の何を知ってるのよ
私の苦労を知らないくせに そんな簡単に言わないでよ
だから 最初 私は眼華紗ちゃんが嫌いだった
でも眼華紗ちゃんはことあるごとに私に関わってくる
私は聞いた
「どうして私に構うの?」
すると・・・
「昔の私に似ていたからでありますよ 私も人と関わらず生きてきたでありますからね でも関わらないのはなにも起こらないであります その病気 ずっと抱えたままで生きていくつもりでありますか? それは人と関わることで収まるのでありますよ」
と私は眼華紗ちゃんの言う通り人と関わって
この殺人衝動は少しずつだけど・・・収まっていった
そして龍闍君と出会って水響さんが死んで・・・数日後
弟が帰ってこなくなった
家出が多かったけど すぐに戻ってくる
でも今回はいくらなんでも遅すぎる
友達の家に電話をかけても 弟はいなかった
探しても見つからず
それから誘拐した奴らから連絡があった
弟はこちらで預かっている
お金はないと私は言った
でもあいつらは・・・
「瑙楼 眼華紗を殺せって・・・言ったのか?」
「そう・・」
結果は知ってるとおり 私は眼華紗ちゃんを殺せなかった
殺せるわけがない
いくら嫉妬しても 殺人衝動にかられても 私は人を殺せなかった
そんな人に殺せっていっても無駄なんだよ
きっと・・殺すといったら・・
「龍闍君と水響さんかな・・・」
「眼華紗と仲良くしてるからか?」
うん そう
でも殺さないし殺せない
だって2人とも眼華紗ちゃんの大切な人だから
「どうだかな・・・あいつは俺の事嫌ってるみたいだけど・・・」
「鈍感だねー」
苦笑いを出すしかない
眼華紗ちゃんが分かりやすいのか 龍闍君が鈍感すぎるのか・・・
「さて・・・どうする?」
「どうするも決まってるよ」
私は弟を抱きかかえこう言った
「 」
すると龍闍君は笑い
「じゃ 行くか!」
「うん」
私と龍闍君は建物を出る
眼華紗ちゃん・・・必ず・・・行くからね
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