4.Past of the cursed girl

あの事件から数日

眼華紗は元気が無い

狂詩さん 死んじゃった・・・からか・・・

俺は眼華紗を見る

どうやら秤瞳が励ましているようだ

でも多分見る限り逆効果だろうな・・・・


昼休み


いつもは秤瞳と食べているものの

今回は教室を出た

まぁしかし 秤瞳は何やら用事があるらしい

さてと・・・俺は後を追ってみるか

眼華紗はどうやら屋上に向かうようだ

気晴らしだろうか?

屋上に着くと 眼華紗は時計台の上にいた


「何やってんだ?」


「・・・あぁ・・・龍闍でありますか・・・」


眼華紗は呆れながら言う


「何やってるのはこっちのセリフであります」


・・・・言い訳してもあいつの場合解るんだよなぁ・・・目で

まぁそんな話 普通なら信じないけどよ

俺のこの龍を呼び出せるって能力があるから信じるしかないんだよな

まぁ現に 遅刻したときの前日の行動お見通しだったしな・・・


「き・・・気分転換だよ」


「そう・・・」


あー・・・ バレてるのバレバレなのになんで俺嘘つくかなー・・・


暫く沈黙が続くと・・・


「龍闍・・・あの時止めてくれてありがとうであります」


「は?」


ってあーあの時か


「あの時止めてくれなかったら・・・私は後悔していたであります」


確かにあの時・・・俺が止めてなかったら とんでもないことしでかすところだったよな・・・

すると眼華紗は


「水響は・・・・私の初恋の人であります」


そうして眼華紗は昔のことを話してくれた


~回想~


水響に会ったのは私が小学2年の時


私の父と母が死んで・・・その時の葬式の時であります」


「可哀想にねぇ・・・まだ小学生なのに」


「本当にねぇ」


「まぁ でも仕方ないんじゃない?だってあの子母親あの『瑙楼』一族なんでしょう?」


あぁ・・・外野が五月蝿いとか考えていたはずであります

私の苗字である『瑙楼』は呪われた一族である証

周りの人なんて 気味悪がって近づかないであります

そんな時


「あ いたいた いたよー! 母さーん!」


迷子の子でもいたんでありますかね

大声で叫ぶ人がいたであります


「って ちょっと待ってよ! 『眼華紗』ちゃん!」


私の名前が呼ばれたとき 私は驚いたであります

周りが気味悪がり 遠ざかって言ったのに

その人だけは・・・その人だけは 私の名を呼んだであります


「水響ナイスよ! 初めまして眼華紗ちゃん 私 あなたのお父さんの妹なの つまりあなたの叔母ね この子は水響 私の息子であなたの従兄で3つ上なの!」


「・・・・私に関わるなであります 私は・・・」


と言おうとすると叔母はこう言った


「『呪われた一族だから』かしら?」


私は口籠もる


「そんなの関係ないわよ! 私の目の前にいるのは 尊敬していた兄とその愛した人の子供よ! だから兄と義姉の亡き後はこの私が育てるわ! もちろん夫にも水響にも了承・・・というか歓迎してるわ!」


そうして水響の家に引き取られ 私は育った

それから高校に上がるまで ずっと・・・ずっとお世話になったであります

でもこの眼は見たくないものまで見てしまう

だから私は中学2年までは 人を見ないで生きてきたであります

だから・・・同じ家でずっといて 唯一関わってきた水響に私は好意を得ていたであります


中学1年の冬


私は思い切って 水響にそのことを話したであります


「眼華紗ちゃん・・・嬉しいけど・・」


と水響はためらって


「君は学校でも人を見ていないんだろう?」


すると私の頭に手を置き


「世界には沢山の人がいるんだよ 僕なんかよりも良い人がね 眼華紗ちゃんが色んな人を見て もし僕より良い人が見つけられないなら・・・」


その時は僕が結婚してあげる

水響はそう言ったであります

それから私は人と関わって・・・

人を助けた

私は友人も出来た 

忌まわしかったこの眼で笑顔が見れるなんて

今までの私では信じられなかったのであります


~~~~~~~~~


「そうして 私は水響に振られたのであります 高校生になるときに私は一人暮らしをすることを決めたであります 育ててくれた叔母さん達が嫌いになったわけじゃないであります 水響の言葉を信じてるから・・・地元ではなくて遠くの高校に通うことに決めたのであります」


眼華紗はそう語った

狂詩さんが眼華紗の初恋ねぇ・・・・


「水響は・・・死んでしまったけれど・・・私はこの約束を守っていこうと思うであります」


「・・・?なんでだよ」


「水響のおかげてこんなにも変われた きっと約束さえも守れなかったら私は昔に戻るであります そんな自分は・・・もう嫌でありますからな」


「ふーん・・・」


と言うと同時にチャイムが鳴る


「うわっ 昼休み終わった! 昼ごはんも食ってねーのに!!」


と急いで屋上から出ようとする


「龍闍」


「なんだよ お前も遅れるz・・・」


と振り向いた瞬間

眼華紗は俺の頭の横に手を置き

俺の頭を固定して顔を近づける


すると

眼華紗の唇が俺の唇と重なった

いわゆる・・・キスというやつだ

眼華紗が離れた後も 俺は固まっていた


「さぁ 遅刻するでありますよ!」


と今までで見たことも無いような笑顔で眼華紗は屋上を出た

な・・・なんだったんだ?

こればかりはあいつの眼を借りたいところだ・・・

はぁ・・・教室に・・・戻るか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る