第2話スウィートサマータイム
僕は今、パン屋で
夏のある日、みんなでレンタカーに乗って海へ
大きく堤防に囲まれて砂浜がある。左はテトラポットの塊が海に突き出ている。右の海岸線は岬の突端に続いている。海の匂い、いや潮の香り。夏なのに早朝なので少し寒いのは北海道ならでは。まだ少し暗い。
「10年後、俺たちは今日のことを笑顔で思い出すだろう」
海と空のすき間からしみ出るように登場したオレンジ色の太陽を見ながら
3人で東の空を見ていた。ふり向いた理央が僕においでおいでした。僕が
「
僕と理央は砂浜に重なって倒れこむ。
「理央なんてことを! 神がお
丸尾がわざと
「童貞の神がお怒りになる」
「きゃはははは、くだらない」
理央がうれしそうに笑った。
砂にまみれ僕は理央と重なって横になっている。
「フライドチキンの消化される音がする」
理央は僕のみぞおちに右耳を埋め、
「うお〜っ、俺は太陽を食べてやる!」
丸尾がデニム、Tシャツのまま
「……今日も私は私でよかったよ」
理央が幸せそうにつぶやいた。僕は両手を理央の
僕はこの日から、初めての女は理央と決めていた。
こっちとしては中二のとき付き合っていた女とキスをしただけだから妄想は爆発する。願いがかなった場合、理央はベッドの中でどんなことするのか。こんなことあんなことを彼女に要求して怒られないだろうか。
果たして理央はどんなSEXをするのか?
それからというもの、僕と理央はお
何もかも上手くいくはずだった。
そして秋の理央の誕生日には彼女のマンションでロウソクの立ったホールケーキを二人で囲んだ。しかしその夜、僕は大失敗をしてしまう。
僕は理央の過去の恋愛にダメ出ししてしまったのだ。
1年生の時、理央はろくでなしと付き合っていた。彼女は見るからに自分らしさを失っていた。当時、みんなが彼女を心配したものだ。そのことの原因は理央にあると、僕はそのとき
丸尾の
結局、
その理央が見ず知らずの男といっしょにホテルから出てきたという。何も感じないと言えば
明日は丸尾の
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