さりげなくぶっ込め
Jack-indoorwolf
第1話ご当地アイドルのスキャンダル
愛する
そもそも理央はみんなのアイドルだった。
「よかったじゃないか、安っぽいラブホテルじゃなくて」
「まぁね」
僕と
「意外と落ち着いてるんだな、もっと取り乱してるのかと思ったけど」
「僕が? やめてくれ」
なんてこと言うんだ、丸尾は。僕は
「丸尾こそどうなんだよ、オマエ、よく理央に手出さなかったな」
「俺は負けない勝負しかしないんだよ」
「へぇ……理央はハードルが高かった?」
「いや、彼女と友達以上は面倒だと判断した。相性の問題だな……俺に
「ふざけた男だ」
街に二つあるクラブの片方、エレクトリック系の音楽を
僕と丸尾は少し酔っていた。
「ひとつ質問していい?」
「なに?」
「
「まさか」
と、言ったものの、時どき僕が話し相手の発言に「まぁね」と答えてお茶を
理央が男と街一番の高級ホテルから出て来たのは先週の月曜日の
北海道の小さな地方都市の話だ。
理央もまた我が道を行く女で、それを自分のために利用した。
理央はSNSのフォロワーをすべて自分の客にした。どういうことか。実を言うと彼女は学生時代からDJとしてクラブでテクノミュージックをプレイしていた。つまり彼女目当ての男どもを週末、クラブに向かわせたのだ。事実、彼女がDJブースに立つ日、クラブは
今、僕と丸尾が飲んでいるここ。こここそ理央のテクノ・ジャングル。いつもの週末なら理央がDJブースからノリのいい音楽を流しているはずだった。
その理央のスキャンダルだ。男とホテルから出てきた現場を押さえられては言い訳できない。しかも理央の相手の男は誰だかわからないという。画像に写っている、スマホのレンズを向けられたことに気づいた笑顔の主は、
「来週、俺の結婚式よろしく」
「オマエはオマエでまた何もなかったように……」
「しぃ〜っ」
丸尾が
「懐かしい、理央とは、きれいに食事する男はSexも
いつのまにか丸尾は、イスの背もたれの上にすわり、腰を下ろす
さて、理央をかっさらった男は誰なんだろう? そしてそいつは目の前の
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