最終話「今初めて知った恋 あなたは今」
有沢さんが消えて2ヶ月
お母さんが帰ってきた
「やほー! やっと復活だよー!」
「おかえり 春実」
と二人でイチャイチャモード展開してるよー
「・・・有沢は?いつもいちゃもんつけるくせに・・・」
「あー・・・ 春実 言いづらいんだけどね・・・」
秋さんは有沢さんのことを話した
「ふーん」
とお母さんは無関心に言った
「あいつも・・・幸せになったのね・・・」
と呟いていたのが解った
有沢さんはそうだん屋が出来てからいた幽霊
ここの思い出はあの人無しには語れない
でもなんだろう 有沢さんの話をすると胸がモヤモヤするの
これは・・・・一体・・・?
~~~~~~~~~~~~~~
「せっちゃんおはよー!」
「はよー!」
「おはよう みっちゃん りっちゃん」
私はふとりっちゃんとみっちゃんの後ろを見てしまう
あぁ 慣れてないな・・・ もう2ヶ月なのに
どうしてだろう 有沢さんの事を思うと 胸がモヤモヤしてしまう
どうしてなんだろう・・・?
朝ごはんを食べ 私は学校に行った
その途中 春梨ちゃんと出会った
「おはよー 雪奈!」
「おはよう 春梨ちゃん」
と春梨ちゃんは私の顔を覗き込んで言った
「何か 悩んでるの?」
「え?」
「フフ やっぱり? 『私悩んでいます』って顔に書いてる!」
「え・・・なっ・・・!?」
私は手で顔を隠してしまう
こうゆう冗談って本気で捉えちゃうのよね・・・
「もしかして恋の悩み? 雪奈に好きな人が出来たのかー!」
「ち・・・違うよっ!」
あ・・・ちょっとまって・・・恋?
・・・・・・・・・・・・・
あぁ・・・そうか これが・・・もしかして恋?
私 有沢さんのこと・・・好きだったんだ
8年間 ずっといてくれた有沢さん
私を守ってくれた 有沢さん
あぁ これが恋だったんだ
私は無意識に涙を流していた
「な! どうしたの雪奈! 何かあったの!?」
「ううん・・・なんでもない・・・」
有沢さん
会いたい 生きているなら 今あなたに会いたい
そして この気持ちを伝えたい
有沢さん 今あなたはどこにいるの・・・・?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一ヶ月後
「転校生を紹介するぞー!」
と先生が言っていた
前にそんな噂たってたけ?
「男かな? 女かな?」
と夏鈴ちゃんが楽しそうに話しかけてくる
「どっちでも仲良くなれればいいね~」
「入ってきていいぞー!」
とドアから一人の男の子が入ってくる
あれ? どこかで見たことあるような・・・
そして 横から前を見た瞬間私は驚いた
「今日から一緒に勉強する 有沢 ー だ」
声にならない驚きで頭はパニック
どどどどうしてこんなところに 有沢さんが・・・?
私は今すぐにでも叫びたかったけど 我慢した
ここで叫んだら変な人って思われちゃう・・・
三人は
「あれー? どこかで見たことあるねー?」
「奇遇ね秋夜 私も」
「うん・・・どこかで見た気が・・・」
うん 三人とも一回ぐらいしか会ってないし
確か名前聞いてなかったもんね
「席は夏宮の隣でいいかー」
と空席を指す
有沢さんは私の隣の席に座った
「よろしくな 夏宮さん」
と大きい声で言ったが 小さな声で
「まだ 冬島じゃないんやな・・・」
と言っていたのを私は聞き逃さなかった
昼休み
私は有沢さんを校舎裏まで連れてきた
「どうしたの? 夏宮さん?」
「有沢さん いつまでその呼び方でいるの?」
「なんでって 下の名前聞いてないしね? なにせ初対面だし」
はぁ・・・この人は・・・・
「好きな胸のカップは?」
「大きい方もいいけど BとCが一番萌えるわぁ~」
「そして中1の時 私の日記を見たのは?」
「わいやなー」
と無言が続く
「あーっ! しまったあぁぁぁぁぁぁあ!!」
「バレバレだよ!というか有沢さんだったんだね! 見たの!」
と私は怒る
「いやー 年頃の女の子の状況を見ておきたくてなー?」
「なによ・・・似非関西人・・・」
「長い間こうしてると標準語ってむずかしいねん」
私達は笑った
笑いが収まったら 私は有沢さんい抱きついた
「・・・雪奈はん?」
「どうして・・・・来るならもっと早くに来てよ・・・」
「・・・ごめんな・・・転校の手続きとか体の状態 そんなものをしてたら遅くなったんや」
そう有沢さんは言った
あぁ 幽霊の時では感じられなかった温もり
幽霊の時では触れなかった体
そして彼の手は私の体に回してくる
あの時では全く感じられなかった物
もう有沢さんとは呼ばない
昔一回だけ聞いた彼の名前
私は言った
「おかえり 夏空(かくう)」
「ただいま 雪奈」
~そうだん屋 END~
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