3work「待ち望んでいた人 8年間の思い」
あれから5ヶ月後
私は何の大きい事件もなく過ごしている
夏鈴ちゃんも秋夜ちゃんも春梨ちゃんも
何も別状はない
ただ・・・・
ただ心配なのが 5ヶ月前見たあの映像
お母さんとお母様
なんでそんな映像を見たのか
私には解らないまま
なんで・・・・あんなものを見たんだろう・・・?
「雪奈はん?」
と有沢さんがいつの間にか隣にいた
「何? 有沢さん」
「いやー なんか考え事してるさかい 何かあったのかーと思ってな」
「ううん なんでも・・・ないの」
と私は言う
そのとき 店のドアが開く音がした
「お客さんかな?」
「言ってみるか?」
「うん!」
私は 店の方に走った
店の方に行くと
そこには見慣れた人がいた
「・・・・・」
「・・・・・」
有戸宮 武(ゆうとみや たける)さんだった
そういえば 最近来てなかったなー
「弟子は取らないから 帰れ」
「いやあの!! 今回は弟子入りじゃなくて お願いしにきたんです!」
と有戸宮さんは言う
「お願い? 何しにきたの? 聞くだけ聞いてあげるわ」
「あ・・・ありがとうございます・・・・あの・・・ですね」
と有戸宮さんは話し出した
ことの始めは 3ヶ月前
有戸宮さんの妹が 家を出たきり帰ってこないらしい
最初は家出かと思われたけど
几帳面で 家出のときはきちんと書置きするので
その可能性は失われた
いなくなった2日後には警察に連絡
しかし 警察は家出として処理され
探そうともしないらしい
有戸宮さんは 時間があるときは妹を探し
友達の家 よく行く店に回ったものの
見当たらず 途方にくれていたところ
この店を思い出し 今日ここに来たといった
「もう3ヶ月 何も連絡も無く・・・もしかして死んでいるんじゃないかって思うようになってしまったんです・・・・でも大切な妹です 生きていても死んでいても必ず見つけ出したいんです! お願いします! 妹を探してください!」
と有戸宮さんは言った
「人探しかぁ・・・ えーっと ゆいっちなら大丈夫よね」
「はい! もちろん この町であれば平気ですよ!」
「それじゃ 妹さんの私物を持ってきてくれる? この依頼引き受けたわ」
「あ・・・ありがとうございます! さっそく持ってきます!!」
と有戸宮さんは飛び出した
「大丈夫なの? お母さん」
「不可能じゃないわ ただ少し骨は折れるけどね 松! 範囲はこの町 同じ臭いがしたら言ってね」
「わん!」
松は 犬の動物霊 最初は凶暴だったけどお母さんがなだめて 大人しくなったの
「そういえば ゆいさんって地縛霊だけど この町にしばられてるんだね」
「えぇ そうですよ 私はこの町から出られません 自由に動けませんが 範囲内だったら大丈夫なんですよ」
とゆいさんはいった
「も・・・持ってきました!」
とものの数分で有戸宮さんは 戻ってきた
「早いわねー 松 お願いね」
「わん!」
と妹さんの私物を嗅ぎ
お母さんが用意した この町の地図の上に乗った
「わん!」
「ここ? ここにいるのね? ゆいっち!」
「はい お任せあれ!」
「さ 早く行くわよ!」
とお母さんは家を飛び出し
有戸宮さんも続いた
私も気になったから ついて行ってみた
~港~
ここに 妹さんがいるのか・・・・
「そうですねぇ・・・・ここ・・・ですかね」
とゆいさんが倉庫を指す
「ここ? それじゃあ」
と倉庫のシャッターを開ける
そこには 一人の女の子がいた
「み・・・未来!」
「お・・・・お兄ちゃん・・・?」
と有戸宮さんは 未来と呼ぶ女の子のそばに駆け寄った
「未来! よかった・・・・・本当に・・・・よかった・・・」
「お兄ちゃん・・・・・怖かったよぉぉぉぉ!」
と未来ちゃんは号泣していた
そのあと お母さんが 藤堂さんに連絡
警察がすぐきて
未来ちゃんを拐った人たちを捕まえた
事件の真相はこう
未来ちゃんを拐ったのは 小さな組織で
お金を手に入れるために 人身売買をやっていた
未来ちゃんを拐ったのは良いものの
取引相手が捕まり
3ヶ月間 違う相手を探していたものの
特に見つからず
5ヶ月して見つからなかったら 殺そうと言う算段だったらしい
つまりあと2ヶ月遅かったら
未来ちゃんは死んでいた
「ありがとうございました! えっとこれ 報酬・・・少ないですが・・・・」
「いいわよ タダにしてあげる これからも妹さん大事にしなさいよ」
「はい! 本当にありがとうございました!」
と有戸宮さんは 家に帰っていった
見つかって 本当に良かった
本当に・・・・
「さぁ! 家に帰るわよー 新しい仕事 捕まえなきゃねー!」
とお母さんは言った
家に帰って 数分後 家のドアが開いた
「あれー? しばらく 開けてたのに なんか綺麗だなー」
「お前 面接 人 雇う 忘れる」
「あぁ 春実か 懲りなくやってるんだなー あれ 靴一つ多いような・・・」
「子供 年齢 16 ぐらい」
「迷子の子か? 一体誰だ・・・?」
と玄関の方から声が聞こえた
「まさか・・・・・!!」
とお母さんは 玄関まで走った
私も後に続く 玄関の方には 男の人と 猫の動物霊がいた
「よぉ 春実 ただっ」
と言いかけたとき お母さんは男の人に抱きついた
「ずっと・・・ずっとずっとずっと待ってたんだから・・・・・お帰り・・・秋!」
「あぁ ただいま 春実」
秋? ええと どこかで聞いたような・・・
「春実 その子誰?」
「女 的中 16 高校生」
「あぁ 私の子供」
「結婚してたのか? 珍しい」
「拾い子! 居なくなってから そんなに時間経ってた!?」
とお母さんは叫ぶ
なんだろう すごい 生き生きしている
「なんや 生きてたのか 秋はん ロシャはん」
「有沢 まだ 成仏 不可能」
と猫の方は ロシャと言う名前 らしい
「あぁ ごめんな 俺の名前は 冬島 秋(ふゆじま しゅう)この店を作った張本人だよ」
と秋さんは言った
「我 名前 ロシャ 猫 動物霊」
「ええと 夏宮 雪奈です! お母さんには 拾われて ええとその・・・」
「あぁ 大丈夫 ゆっくり話せばいいからな 雪奈ちゃんか いい名前だね」
と秋さんは私の頭に手を乗せる
「しかし 何しとったんや? ずっと居なくなって」
「出張 仕事 沢山 事件 解決」
とロシャちゃんは言う
「ロシャの言う通り いろんなとこ行って事件解決してたんだよ 心配かけたね」
と秋さんは言った
でも それ誰にも言わないで 行くものなのかな?
何か裏がありそうだけど 今の時点では解らない
「何か食べる?」
「ううん大丈夫 晩ご飯までは」
「そう 解ったわ 雪奈 夕方買い物に行くわよ!」
「解ったよ お母さん」
と私は言ったあと 自分の部屋に戻った
「キー!」
「キーちゃん ここにいたんだ 下にいかないの?」
「キー キー!」
とキーちゃんは誰かを嫌がっている 首を横に振った
「誰のことが嫌なの・・・?もしかして・・・・」
「嫌い 臭い 的中」
「キー!!」
と部屋にロシャちゃんが来た
「長年 決着 今 着ける!」
「キー!!」
と狐と猫の戦いを見られるとことで
私と秋さんは止めた
「キーちゃんダメだよ!」
「ロシャ 落ち着け」
「キー!キー!キー!」
とキーちゃんは暴れる
「何があったんだ?」
「我 あいつ 生前 ライバル 戦い 相打ち 死 決着 つかない」
とロシャちゃんは言った
キーちゃん何で死んだのか 知らなかったけど
ロシャちゃんと戦って死んじゃったのね・・・・
「我 足 傷 あいつ 足 傷」
と言った
キーちゃんと初めて会ったとき 足に怪我してたのはそのためなんだ
「キーちゃん 落ち着こう? キーちゃん居なくなったら 悲しいよ」
「キー・・・・キー!」
「言葉 喋らない やくただず」
「キー!!」
とロシャちゃんに向かって キーちゃんは怒る
「ロシャ いい加減にしろ お前の方が人間と長く付き合ってるんだから 仕方ないだろ ほら下に行くぞ」
と秋さんは 私の部屋を出ようとした
「あ・・・あの 秋さん!」
私は引き止めた
「なんだい? 雪奈ちゃん」
「あの・・・・秋さんは お母さんのこと・・・・どう思ってるんですか?」
「春実のこと?・・・・いい子だよ 仕事の邪魔はしてこないし まぁ いつもいつも会いにくるから ちょっとうざかったけどさ」
と秋さんは そう言って 私の部屋をでた
冬島 秋 真ちゃんの事件のとき
有沢さんが言っていた
お母さんの好きな人って
それで もし私が一人になったら・・・・
どうすればいいんだろう
事件は明るみに出てないし
藤堂さんに頼んで 私の名前は出ていない
だから お母様にもお父様にもバレていないから
まだ 生きていけるけど・・・・
もし・・・・一人になったらどうすればいいんだろう・・・
そんなことを考えていたら 時間は過ぎて 夕方
「雪奈ー? 買い物行くわよー」
とお母さんの声で 私は一回 考え事を止めた
買い物が終わり 私は ふとお母さんに聞いてみた
「お母さん・・・・私のこともう・・・捨てる・・・ってことしないよね・・・」
なんてことを話しているのかな
どうしても お母様のことが離れない
「秋のことでも考えてた? 私は秋のことが好きで あのそうだん屋のところにいつも行っていた 秋が戻って来ても来なくても 雪奈 あなたは私の娘なんだからね」
お母さんはそう 言った
嬉しかった もしお母さんと秋さんが結婚したら
秋さんって 私のお父さんになるのかな・・・?
なんか 違和感があるけれど・・・・
そう遠くない未来 あるかもね
お父さん・・・か・・・・
「『私の娘』と言い切れるものね」
と後ろから 聞きなれた声が聞こえた
「雪奈 その様子から何も言ってないんでしょうね そんな子をよく育てたと感謝するわ」
後ろには女の人と 男の人2人
その女の人は言った
「あの時 あなたは死んだと思っていたけれど 助ける人がいるものね 雪山にでもすてていけばよかったかしらねぇ? 雪奈」
「雪奈・・・知り合いなの?」
お母さんは私に言う
どうして なんで
ここにいるの?
「お・・・・・お母様・・・・・・」
そう そこいた女の人は
私を捨てた
私が八歳のとき 寒い雪の中 田舎の歩道の真ん中で私を捨てた
私のお母様
四季波 凍子(しきなみ とうこ)がいたのだ
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