三つ目のウタ~院瞳 亜莉栖のカナシミ~

みなさんこんにちは 加不思 鏡太です

最終話において疑問に残った人も多いでしょう

院瞳 亜莉栖 報道 樹斗のことである

どうしても作者がこういう形でのせたかったらしい

・・・・メタ発言だな

とりあえず今回は 院瞳 亜莉栖のことだ

院瞳がひげきねぇにカナシミをあげたのは 局薬がカナシミをあげてから一ヶ月たったときのことだ 時期は局薬が5月初めだとすると院瞳は6月初めだな


先にいってしまうと 院瞳のカナシミは『両親と一緒にいられない』ことである 院瞳の両親は有名な病院に勤めているせいか 子供とかかわる時間が少なかったらしい 両親と会えないカナシミ それが6月はじめにある事件で発生した 今回は 6月初めに起こった事件からお話しよう


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


「ねぇ 加不思くん みなづに何か魔法をかけた?」


局薬が雪里にカナシミをあげてから 一ヶ月がたった


「いきなりどうした?」


そう本当にいきなりだ 朝オレの席まできて

院瞳 亜莉栖はそう言った


「んー 一か月前からみなづが性格変わったなぁって思って 今日思いっきり話してみたの」


「その間の一ヶ月どうしたんだよ」


「勇気がだせなくてねー なんんか加不思くん近寄りにくて・・・」


「結構一緒にいるのにか!?」


と俺は突っ込む 院瞳・・・


「うふふ冗談 冗談 最近生徒会のほうが忙しくてあんまり時間とれなかったのよ」


「まぁ それは仕方ないな」


俺は了承する 院瞳は生徒会副会長だからな 仕事も多いんだろう

キーンコーンカーンコーン

とチャイムがなった


「HR始めるぞー」


と先生が来る


「話はそれだけよ」


と院瞳は自分の席に戻った

それだけなのか?

それだけのために 今日いまこの時間に話すことだろうか・・・

朝だったら まだ時間もあったはずだが・・・・

HRが終わり 授業 いつも通りの日だ

そう 今日は

今日はいつも通り 院瞳 亜莉栖はいつも通りだった


~翌日~


「よう 鏡太 おはよー」


「樹斗か おはよ」


と教室に入った瞬間 樹斗が話しかけてきた


「なー 鏡太ー いい話ねぇの~?」


「ねぇよ しつけーな」


と席に座る俺 そして教室をふと見渡すと

院瞳がいないことに気がづいた

それを 樹斗に話すことじゃないから黙っていたが

生徒会の仕事だろうか?

たしか院瞳は朝の制服指導にはいつも参加していないし

今日参加していたとしても 校門にはいなかったし すれ違わなかった

なにかあったのか?


「HR始めるぞ~ あ~ 今日院瞳休みな~」


と先生が言った

院瞳が休み? 珍しいことがあったもんだ


「先生ー なんで休みなんですか~?」


と生徒が聞くと 先生はこう言った


「病欠って言ってたぞ~」


だけだった

他にもあるだろう

しかし 本当に珍しい

中学からの付き合いだが 

あいつ 中学は皆勤賞だったはずだ

風邪なんぞ 聞いたことがない

HRが終わり 樹斗が俺の席まできた


「珍しいな 院瞳さんが休みだなんて」


「亜莉栖ちゃんどうしたのかな・・・・・」


「帰りでも よってみればいいだろ 誰か解るか?」


「俺わかるぞー!」


と樹斗が手を挙げる


「私 今日は委員会もないから一緒にいけますよ!!」


局薬も参加した


「なら 放課後行ってみるか」


~放課後~


「・・・・・・・・・・ここか?」


「そうだぜー」


「病院・・・・のままだね」


と局薬が言った

その通り 病院のままだ


「ばか言え その隣だ隣」


と言うと 俺と局薬は横を見た

病院と同じくらい大きい屋敷が合った


「医者の娘とか聞いてたけど こんな奴だったのか・・・」


「なんでも院長が院瞳さんのお祖父さんだってさ だから親の大事な箱入り娘みたいなもん」


「大きい家だねぇ・・・・」


だなぁ・・・・・

だが 局薬お前の家もでかい家だろ

雪里にカナシミをあげたあと 局薬の家まで送ったからな

俺は知っている


「まぁ ここで話してても意味ねぇし 突入しようぜ!」


と樹斗がはしゃぐ

何やってんだよ お前 よくはしゃげるよな・・・・・

俺たちは 家の前までいき インターフォンを押す


「は~い~」


と声がした 


「どちら様でしょうか?」


「あの私たち亜莉栖ちゃん・・・・院瞳 亜莉栖ちゃんのお友達です」


と局薬が答える ドアから出てきたのは20代前半の女の人だった


「亜莉栖さまのお友達ですか!? どうぞどうぞ! お入りください!」


と女の人に手招きされるがまま 家の中にはいった


~応接室~


応接室というところでしばらく待つと 男の人と女の人が現れた

おそらく院瞳の両親だろう 面影がある


「亜莉栖のお友達は君たちだね 私は亜莉栖の父親だ」


「亜莉栖の母親よ」


「え・・・えっと 私は局薬 みなづです!」


「俺は報道 樹斗です!」


「加不思 鏡太です」


と自己紹介が終わる


「亜莉栖のお友達が来るのは初めてだよ 来るんだったら仕事を休んでも会いに行くからね」


「大げさですよ あなた」


と会話 


「院瞳さんは今日病欠でしたが なんの病気なんですか?」


「病欠・・・・・」


と会話が止まる

なんだ? 病欠でなぜ止まる

普通に病欠だったら すぐに答えられるはずだ

と思っていた瞬間 ドアが勢い良く開き

65歳以上の老人が現れた


「お前ら 我孫がさらわれたというのに のんきに出来るな!」


おそらくこの人が病院の院長だろう

元気なおっさんだな


「父さん! その子達の前でそんな話は・・・」


「そんな話? 何かあったんですか?」


俺は迷わずその話を持ち込んだ


「っ・・・・」


院瞳父は すこしためらっていたが 

しばらくして全てを話してくれた

始まりは昨日

昨日学校に行ったきり帰ってこないだそうだ

学校ではオレらが見てるから

放課後からの時間

連れさらわれたといって過言ではない

そうして 警察に搜索届けを出そうと言うときに

連れ去った犯人から手紙が来たそうだ


『お前の娘は預かった 返して欲しくば警察に連絡せず10億もって港の倉庫にこい』


という内容だそうだ


「警察に連絡したほうがいい! 10億なんぞ出せん!」


と院長の言い分


「何をいっている!? 警察に連絡して亜莉栖が殺されたらどうするんだ! 大事な娘の命を考えたら10億なんて安いもんだ!」


と院瞳父の言い分

今現在 その二つに別れている


「もう父さんには呆れた! 俺は俺の道でいく!」


「10億出して 亜莉栖を助けに行くんだったらもう私はお前を息子とは思わん!」


「・・・・ああ いいさ! それで亜莉栖が助かるんだったら 医者なんぞやめてやる!!」


と院瞳父は叫ぶ


「ふん!」


と院長はドアを強く締め 出ていった


「すまない 見苦しいところ見せてしまった・・・・最初帰ってこないと思ったときは家出だと思ったんだよ」


「私達・・・・ずっと病院の方にいるから 亜莉栖に親らしい事 してやれてないのよ・・・」


「そうじゃないってときは少し安心したのは 否めない だがこのままでは親の立場がないよ 父親の前ではいいことを言っていたが 実行に移せていないよ・・・」


と話す 仕事が忙しくて 相手にしてやれない・・・か・・・


「あ・・・あのー・・・・」


とメイドが話に入り込んでくる


「あのー 私今思い出したことがあるんですけどー・・・」


「なんだ!?娘をどこかで見たのか!?」


「いや そのー・・・手紙を受け取ったのは私で ドアで物音がしてそれから手紙を拾ったんです」


とメイドは言う

何があったんだ? 


「拾ったときに 誰か・・・遠くで人影が見えて・・・・遠かったからよく見えなかったけど・・髪の長い女の人だったような・・・」


と話した瞬間 ある可能性が生まれた

髪の長い女なんぞ どこにでもいるが

それで ある可能性が生まれたんだ


「樹斗 今世間を騒がせている組織は?」


「あるにはあるが ここには関係ねぇよ」


「小さな組織でもいい ここで騒がれてるのは?」


「いるが 金には困ってないはずだぜ あと人さらいする連中じゃねぇよ」


と樹斗が言う

もし正しければ

この可能性が正しかったら

院瞳・・・・お前・・・・

俺は急に立ち上がる


「大丈夫ですよ 警察に連絡することも 10億を出すこともないでしょう」


と俺は言った


「君・・・それはどうゆうことだい?」


「俺の考えていることが正しかったら・・・・」


そう 正しかったら

院瞳 亜莉栖はさらわれていない


~倉庫~


手紙の場所まで行き

ドアを開くと支柱に院瞳がいた


「加不思君?」


と院瞳は言う


「やっぱりな お前何馬鹿なことやってんだよ」


「ふふ 加不思君には見破られちゃったのね・・・・・不思議調査って推理力も上がるの?」


「ただ可能性が当たっただけだ」


俺は言う


「全部お前が一人でやったんだろ」


「えぇ 親の真意が知りたくてやったことよ」


と院瞳は言った


「前々からこんなこと考えて それが丁度昨日が良い日だったんだな わざわざごくろうなこった」


「うふふ 全部一人でやるのも大変だったわ」


「お前のミスしたことは2つだ まず一つ手紙をドアの前に落としたときに隠れるではなく逃げるにしたことだ メイドがお前のこと遠目で見てたぞ」


俺は言った そして最後の一つ


「こんな馬鹿げたことをしたことだ お前の両親 お前が思っている以上に心配してたぞ 娘のためなら10億も投げ出すし 医者という身分もなくなってもいいだとよ」


「そんな・・・・ことを・・・・」


と院瞳はうつむいて 泣き始めた


「悪い・・・ことをするつもりはなかった・・・初めから知ってたわよ・・・お父さんとお母さんが私のこと大事に思っていることくらい・・・・でも本当にそうか確かめたかったのよ・・・」


と院瞳は言う しばらく沈黙が続く


「もし・・・それがお前のカナシミなら お前の悲しみ助けてやろうか?」


「え・・・・?」


~塔~


「あーあー!ひまぁ・・・・って誰だ!」


「俺だ いつもいつもそんなこと言うな 雪里」


「なんだキョウタ君かー びっくりびっくり どこかの刺客かと思ったよー!」


「お前どこに恨み持たせた・・・・」


「加不思君 その子は?」


と院瞳が聞く

たしか局薬の時もそうだったな

まぁ 当たり前のことか


「今晩わ 私雪里 燈夏祈! あなたは?」


「院瞳 亜莉栖よ」


「いんどう・・・ありす・・・・ふーん なかなかな悲しみだよ」


「かな・・・しみ・・・?」


「あなたの苦しみ静めましょう

 あなたの悲しみ晴らしましょう

 あなたの悲しみは一体なに?」


「私は・・・・」


と光に包まれる

局薬の時にみたが

不思議だ

普通の人間にこんなのが出せるのか?

と考えていたら 光が小さくなっていった

そして 光がなくなると 院瞳は倒れた


「それじゃ アリスちゃんよろしくねー・・・・!」


と雪里は驚くような顔をした


「キョウタ君・・・・・君・・・・」


と言う


「どうした? 雪里?」


「・・・・・ううん なんでもないよ」


と雪里は階段で上にいった

なんだ?あいつ

俺が塔を出ると歌が聞こえた


「その子は可哀想な子 親に愛されても相手にされず

ずっと孤独で生きてきた きっかけはある心変わり

友達が変わったのを見て 決心したとさ」


と雪里は歌った

つまり 局薬が変わったから

自分も変わりたかったのか?

院瞳 でもあんな馬鹿げたものじゃなくても

変われたはずだぞ

お前ならな


~住宅街~


しばらく歩くと 樹斗がいた

俺が呼び出した


「院瞳さん 背負ってどこいくきだよー くすすー」


「へんな笑い方すんな ちょっと寄り道したら 寝たんだ お前持て 俺は長い道のりで疲れた」


「やだねー あと少しなんだから 我慢しなよー」


と言うと 前から明かりが見えた


「「亜莉栖!」」


院瞳の両親だ

俺に呼び出されたあと あいつこっちにも話したんだな

俺は院瞳を二人に渡し 帰った

家族の事にもうこれ以上関わることはないからな

次の日 院瞳は普通に学校に来た


「みなづが変わったのは あの子とあなたのおかげなのね」


と院瞳は朝 俺の席でそう言った


「俺は何もしてないぞ」


「したじゃない あなたがいなかったら みなづだって 私だって変われなかったわよ」


と院瞳は言う

俺のおかげねぇ・・・・


「みなづが・・・・あんたのこと・・・・・理由も解ったわ うふふ」


と俺は一部分だけ聞こえなかった

何いったんだ?


「おい 今何言った?」


「何も言ってないわ じゃあね」


と悪戯まじりの笑顔を見せ 院瞳は自分の席に戻った

これで二人か

しかし雪里は人使いが荒いよ

あのあと言ったらまた 連れてこいとか言われるからな

まぁ 人が幸せになるってのは

なんかいい気分だな



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