二つ目のウタ~局薬 みなづのカナシミ~

なんということだ

年下最高でも同じ年齢であろう雪里が

年上だった・・・・

まぁ・・・それはさておき

雪里からなぜか命令された内容

悲しみに満ちた人をつれてくる

あのあと制限時間付で言い渡された


「期限は一週間後!守らなかったら悪霊よぶから!!」


「お前は儀式を使えるのか!?」


元気良く生き生きと

とりあえず明日学校でさがしてみるかぁ・・・・


~~~翌日 通学路~~~


「よ!鏡太!お前昨日あの塔いったんだって? どうだった!?」


「誰にも行ってないはずだったんだがな どこから聞きつけた?」


「いいーじゃんかよー!」


こいつは報道 樹斗(ほうどう きと)

情報マニアだ一言で言うと


いったいどこからそんなものを聞いて来るんだ?

と毎日言っているが こいつはなかったことにする・・・

ちなみに本気を出せばテストの内容までわかるらしいが

それだと本当の実力が解んないから使わないらしい

・・・真面目だなぁ・・・


「で?どうだった?」


「たしかに近くまでいったら声が聞こえたよ 内容は歌だったけど」


「ほー・・・で?中は?」


「もちろん行った 歌が聞こえた辺りから塔まで見た目よりも ずっと遠かったから塔入り口でばてたよ 中は特に何もなかったなぁ・・・ 映画とかに出てくる西洋風のお屋敷みたいなかんじだったけど」


「へー・・・人とかいたか?」


「最後まで登ってないからなぁ・・・途中で日が落ちたから帰ったし」


「お前はそこだけ真面目だな・・・」


「真面目で結構」


「んーま結構情報集まったしいいかな」


「あっそ」


嘘は言ってないただ雪里のことを言わない命令になってるので

(いったら悪霊くるかもしんないし)登ったのも本当だし

日が落ちて帰ったのも本当だ

雪里が主に住んでるのは最上階だと思うし・・・

とりあえず・・・もう一つの命令をさっさと終わらせるか


~教室~


といってもいじめられてる人とか

今まで見たことがないし 聞いたことがない

さてどうしたものだか


「どうしたの?加不思くん 周り見渡して」


「別に」


今話しかけてきたのは 院瞳 亜莉栖(いんどう ありす)

生徒会の副会長で家は病院だとか


「それも 不思議調査の一貫ですか?」


「断じて違う」


の隣にいるのは局薬 みなづ(きょくやく みなづ)

このクラスの委員長で院瞳の親友だとか


「ではなんで見渡してたの?」


「悪いか見渡して」


「普段やってないことでしたから」


「いつも周り見渡しているよな?鏡太」


声がしたほうに振り向くと樹斗がいた


「お前 いつからそこにいた」


「院瞳さんが話しかけてきてから」


気配がないな・・・お前は


「それで加不思くん あの塔のぼったんだって?」


「樹斗お前 どこまで広げた?」


「クラス中」


広めるなよ・・・


「それで上ってる途中で日が暮れて帰ったんですよね」


「変な所でまじめよねぇ・・・」


「うるせぇ」


キーンコーンカーンコン


「HRはじめるぞー」


先生が来た院瞳 局薬 樹斗はそれぞれ席についた

ちなみに俺の席は窓側2列目一番後ろ

樹斗の席は真ん中の列一番後ろ

で一番席の遠い院瞳が廊下側一列目一番前

局薬の席が窓側一列目俺の隣だ


「~で最近暴力事件が起きている きーつけろよー」


ふーん暴力事件ねぇ・・・そんな中俺は周り見渡す

そんな横で局薬が震えていることに気がついた

なぜ震えていたかはその時解らなかった

しかしすぐに検討がついた 暴力事件のことだろうと

HRが終わり局薬が教室から出ようとしていた

俺はすぐに後を追った


局薬が向かった先は校舎裏

なんでもそこで告白すると一週間で別れるんだとか

局薬がいるところは男の群れ

なるほどあれが 暴力事件の首謀者だ


「局薬さんよー例の物は持ってきてるのかー?」


「・・・・はい・・・」


局薬は封筒を手渡した

おそらく金だろう


「へへ そこらへんの女よりもいいもんだな お嬢様!」


「・・・」


男達はさっていく

局薬はその場で泣き崩れた


「どうして暴力事件の首謀者達と一緒なんだ?委員長」


「だ・・・だれ!?」


「俺だよ」


「加不思君・・・お願い!このこと誰にも言わないで!」


「言わないよ・・ただ・・」


「た・・・ただ?」


「お前の悲しみ助けてやろうか?」


~不思議な塔 内部~


「♪~♪~・・・誰か来た」


「雪里いるかー」


「おぉ!キョウタ君ではないか!」


「ほれ 約束のもん」


「一日で来るとは キョウタ君はいい子だな~」


「俺は子供じゃない・・・」


「あの・・・」


「今晩わ!私 雪里 燈夏祈!!」


「あの・・・えっと・・私は局薬 みなづだけど・・・」


「へぇ・・・きょくやく みなづねぇ・・・」


おそらく雪里は局薬の心の中でも見てるんだろう

本当にいやなやつだな


「あの・・・ここは?」


「悲しみをあげる場所・・・って言っておくよ」


「キョウタ君に連れてこられたなら悲しみを持ってるはず・・・」


と同時に雪里は何かを言い出した


「あなたの苦しみ静めましょう

 あなたの悲しみ晴らしましょう」


「あ・・・あの・・・」


「あなたの・・・悲しみなぁに?」


「わ・・私は・・・・」


雪里と局薬は光に包まれた

中で何をやっているのか俺にはわからない

ん?少しずつ光が小さくなっていく

光は小さくなって消えた

そのとたん 局薬は倒れた


「局薬!!」


「キョウタ君 ミナヅちゃんを家に帰してあげてねー」


「あ・・・あぁ・・・」


~塔 外~


俺は局薬を背負って塔を出る

それから少し歩いた時だった


「その子は一家のお嬢様 しかし普通の生活にあこがれて

親の進めた学校に行かず 違う学校に入ったとさ

親友呼ぶものできたけど 自分がお嬢様だと気づかれなくて

ずっと黙っていたのに ある時ばれてしまった

ばれた人は男の人 暴力事件の張本人 

その子は脅され 日々不安になっていた」


おそらく これが局薬の悲しみなのだろう

しかし こいつお嬢様だったんだな

俺は局薬の家に送った後 自分の家についた

これで命令は無くなったが一応明日 いってみるか


~翌日~


俺は学校に向かう

もちろん 塔に上るのは学校が終わってからだ


「あ・・加不思君」


局薬がいた


「あの・・・えっと・・・あ・・ありがとう」


「俺は何もしてないぞ」


「ううん 加不思君が燈夏祈ちゃんの所に連れて行ってくれたから さっき私あの男達に自分に気持ちを話してきたの お金は渡さない 私がお嬢様のことは言いたかったら言ってもいいって・・・」


「上手くいったんだな」


「うん!」


局薬は今まで見た笑顔より良い笑顔を見せて学校に行った

悲しみをあげただけで あんなにも人は立ち上がるもんだな

俺はそう思いながら学校へと向かった

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