カナシミノウタ

港龍香

一つ目のウタ

ーあなたの苦しみ静めましょうー


 -あなたの悲しみ晴らしましょうー


ーあなたは何の悲しみですか?-


~~~~~~~~~~~~~~~


「ふぁぁぁぁぁぁぁぁ」


俺の名は加不思 鏡太 (かふし きょうた)

極普通の高校生だ


ここでこの町のシンボルを紹介しよう

不思議な塔だ なんかちゃんとした名前があるらしいが

知っている人は少ない この不思議な塔は遠くから見ればただの塔だが

近くにいくと誰も住んでいないのに声が聞こえてくるという

俺は近くに行くことがないから 聞いたことがないが

友達が聞いているらしい


さて・・今は朝 昼になったら行くところがある

さっき極普通といったが友達や周りの人に変と言われている趣味がある

不思議調査・・・これが俺の趣味だ

普段は行かない塔だが 今日は暇だし

その声も聴いてみたいし 中にも入ってみたい


「鏡太ー?朝ごはんだっていってるでしょー?」


「あ・・・今行くー」


母さんの声に気づかないで俺は長々と話してたんだな

ともかく昼が楽しみだ


~~~~~~~~~~~~


「えっと・・・ここから先だっけ?」


今俺は声が聞こえるところまで行こうと思う

いっきに行ってもいいんだがな

まず少しずつだ少しずつ


「~♪~♪~」


「お?」


声が聞こえる・・・とゆうか歌か?

うわさは本当みたいだ


「一つのボールがありました そのボールがなくなった

一つしかないからみんな大騒ぎ どこに行っても見つからず

みんながあきらめかけた時 ボールが見つかりましたとさ

見つかった場所は秘密基地 たった一人の子が疑われた

取ってもいないのに疑われて 精神壊れて死んだとさ」


「・・・」


ひどい歌だな・・・本当にあったことなのだろうか?

いや・・・さすがにあった話でもこれはひどすぎる・・・

とりあえず塔近くまで行ってみるか


~~~~塔 入り口~~~~


「はぁ・・はぁ・・・」


なんつー距離だ・・・

歌が聞こえたところから10kぐらいあったか?

見た目よりもものすごく長かった

さてと・・・はいるか・・・・


~~~~塔 内部~~~~


「ごめんくださーい」


・・・っていないよなぁ・・・


「あなたは誰?」


「へっ!?」


「・・・あなたは何しにここにきたの?」


どこだ・・・どこにいるんだ!

俺が周りを見渡しているところに

目の前に・・・目の前に人が・・・・


「・・・なーんだ 満ちてないじゃん・・つまんなーい」


目の前に現れた女の子 きれいな着物を着て

俺より背は小さい・・・


「お前は誰だ」


「その言葉そっくりあなたに返してあげる 人に名前を聞くときは

自分から名乗るのが礼儀じゃないの?」


たぶん俺よりも年下なはずなのになんだ?こいつ?


「あぁ・・俺の名は加不思 鏡太」


「かふし きょうた・・・ふーん」


「で?お前の名前は?」


「私の名前は雪里 燈夏祈 (ゆきざと ひげき)!」


雪里・・・悲劇?変わった名前だな


「変わった漢字なら同じでしょ?」


「お前は心が読めるのか!?」


「あと漢字わかんないけど その悲劇じゃないからね」


「お前は俺の心を文字にして見てるのか!?」


いや落ち着け・・・俺・・・


「そういえば 最初に満ちてないって言ってたけど・・・」


「それはね悲しみだよ」


なんだ?即答か?


「悲しみ?」


「ここに来る途中 聞いたでしょ?私の歌」


「一曲だけだが・・・・」


ってゆうか 歌ってたのお前か


「あれね 本当にあった話でその死んだ子の

お友達からもらった悲しみなの」


ふーん・・・って


「もらった?」


「そうだよーカフシ キョウタ君」


「カタカナ発音は止めような」


「だってキョウタ君の漢字難しいもーん」


「お前は言葉までもが文字に見えるのか?」


なんなんだ?あいつはいったい


「ってゆうか お前って言わないでよね ちゃんと名前があるんだからさー」


「あぁ・・ごめん」


「話し戻すね もらった何だけどね」


「あぁ・・・」


戻してくれるのか


「私はね 人の悲しみが大好きなの」


はい?今なんていいました?


「でね その人の悲しみをもらって歌にしてるの!」


Mか?こいつ・・・


「Mじゃないよ Mだったら自分をもっと不幸にするもん」


「あっそ・・」


「でも ここに来る人少ないからね あんまり悲しみがもらえないのが 悩みかなぁ?」


「聞いてもないのに悩みとか言うな」


「でも キョウタ君はここ知ってもらったから ちょっと命令」


「聞かないぞ」


「あのね 私のことは言わないこととー」


いや 人の話聞けよ


「あと 悲しみに満ちた子を連れてくること!!」


「・・・」


悲しみにみちた?


「具体的にどんな人が満ちているんだ?」


「たとえば いじめられてる子 いじめたくもないのに無理やり いじめてるこ子 リストラされた人とか」


あぁ・・・なるほどな


「じゃ よろしくねー♪」


「いや 頼みを聞くとはいってないぞ」


「文字数少なくなるから いったいった!」


だから 人の話を聞けよ


「そういえば 雪里 お前何歳だ」


「17だよー!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る