少し的外れなレビューとなるかもしれません。
この作品群は「与えられたテーマに沿った内容を書く短編集」である事をまず念頭に置いた上で読み進めますと、そこにある魅力が隠れていると気づけます。
例えば、「にごたん」という企画の趣旨に則って書かれたであろう作品は二時間半で決まったテーマを含ませながら作品を書き上げている、という事。二時間半ですよ?書かれた内容もしっかり小説していて、素直にスゲエです。
ここから、上を目指す姿勢であるとか、活字に力を求める気概であるとか、つまり「澄川三郎」という作者の善き精神が見えてくる気がしませんか?私は断然、その精神を支持し、応援していきたいと思っています。