ウナギのジョナサン(寓話?短編)
イベント 第二回「読んだらうなぎへの食欲が減退するナイスな短編で、うなぎを絶滅の危機から救おう!」参加用(『かもめのジョナサン』は読んだはずですが、まったく覚えておりません)
◆初代
ある朝、
◆二代目
省略。
◆三代目
以下、省略。
◆何代目か
今日も、天から降ってくる恵みを、心ゆくまで堪能する。体中に
「この世界の端から端だって、そんなのはおかしな話さ」
友達の
「そうよ、
彼女の
気がつくと、ニヤニヤした表情の
「なあ、
「もう、不潔」
腹を立てた
「いい加減にしてくれよ」
「何をだ? この退屈極まりない世界の中で、
皮肉屋の
「もっと早く」
◇ ◇ ◇
外の世界が騒がしくなっていた。夜になる前に訪れる二度目の天の恵みの時間が、今日はまだやって来ない。
「何かを感じるの」
震える
「大丈夫だよ」
強がりだ。
「おい、深さが変わったぞ」
けれど、確かに
「怖い」
「大丈夫だよ」
次の瞬間、外の世界から聞いたことのない激しい音が聞こえてきた。同時に、世界の表面が、大きく波打つ。世界を満たし
「助けて!」
「離れるな」
けれど、
「外の世界が破れた!」
破滅的な音に続いて、
ずたずたに引き裂かれた外の世界のさらに向こうに、何もかも飲み込むような不気味な暗黒が見える。
「もうダメだ」
絶望に打ちのめされ、もはや生きる希望を捨てた
次の瞬間、暗黒から水が降り注いできた。冷たい水が、適温に保たれていた世界を冷やしていく。
「このままでは凍えてしまう」
為す術は無かった。
「恐れるな」
こんな時に。また、
眼の前に、突然、
「心配してたよ!」
しかし、
「ジョナサン・リビングストン・イール、
「
荒れ狂う水に翻弄されながら、
「
「
裂けた暗闇から落ちてきた水で、世界が溢れ出していた。もはや境界はわからない。
「
溢れ出した世界はどこにつながっているというのか。
「探せ。この世の全てをそこにおいてきた」
天に
◇ ◇ ◇
ここで暮らし始めてから、長い年月が過ぎた。
何かを探さなければならないと思いながら生き抜いてきたはずだ。年老いた今、
穏やかな泥の河での暮らしは、心地よく、心底、安らぐものだ。これよりも良い暮らしがあったら教えてもらいたい。
「最良の
そう、今、この瞬間まで。
「
「
雷に打たれたあの夜の記憶が甦る。あの日、
約束の地に、
「この世のすべてがそこにあるのか」
心の中の声が
「
今の今まで、
「
「
言葉のひとつひとつを噛み締めながら、
「大丈夫だ。
心の中の声は聞こえなかった。が、何かを成就した安堵の念が、
「まだ早い」
そう、安堵するのはまだ早い。
まだ見ぬ遙か南の深海、
完
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