現実世界(『千の星』の2、現代ドラマ短編)
ひとり暮らしを始めてから二日酔いの朝はシャワーを浴びると決めている。いつもより温度を上げて頭からザアザアとお湯を浴び続けていると、身体の中に溜まった悪いものが、後悔とともに少しだけ抜けてくれるような気がする。
シャワーのあとはトマトジュースを飲む。飲んだ日の帰りは必ず近所のコンビニでトマトジュースを買っている。それだけは忘れないのはなぜか。自分でもよくわからない。
昨夜もしっかり買っている。
オレはトマトジュースを飲み干しながら、カクヨムの星のことを思い出していた。
本当は、思い出すもなにも、ずっと考え続けていたのだ。気になって気になって仕方がなかったのだ。早くPCを立ち上げて確認したい。オレは焦っていた。
そのせいで口の端からトマトジュースをちょっぴりこぼしてしまった。
急いで床を拭く。パンツも履いていないのに、だ。下を向くと気持ち悪い。
やばい、これ、完全に二日酔いのひどいやつだ。
便器にしゃがみ込もうと出たばかりのユニットバスに戻る。湯気でもわっとしてますます気持ち悪くなる。便器に顔を向ける。
大丈夫、大丈夫。こみあげては来ない。
ようやくパンツを履いたオレは、休日のユニフォームであるスエットの上下を装着した。今日は休日出勤もなければ出かけるつもりもない。なぜなら、今日はカクヨムで続きを書くと決めているからだ。
などと余計なことを考えながら、オレはついにPCを立ち上げ、はやる気持ちをおさえながらブックマークしてあるカクヨムの小説管理ページを開いた。
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