第3話 ここからファンタジー入ってます。

 ようやくDIONに着いた。ハァハァ…。駅の近くにあると思っていたのに、まさか10キロ近く離れてるなんて聞いてないぞ。日ごろの運動不足は解消されたが。

というか彼女、あんまり疲れているように見えないんだが。というか世の中のカップルって見た目に反して彼氏より彼女の方が意外に体力あるケースってよくあるんじゃないか…気のせい?


「ユウ君、大丈夫?」

ちょっと心配そうに僕を覗き込む彼女。


「ハァハァ…だ…大丈夫。全然大丈夫だから…」

さすがに彼女の前で弱音なんてものは吐きたくない。


「それならいいんだけど…少し休んだら宝くじ買いにいこうよ」


「え?僕も買うの?ヒカリだけ買って来なよ。」


「だーめ。ユウ君もせっかくここまできたんだし、1枚くらい買って行こうよ。ね?」


「うーん…」


 僕は少し考えた。正直いって乗り気じゃない。でも

まぁ確かに彼女の言うこともわからないでもない。

せっかく遠い所まできたんだし、1枚くらいなら買っていってもいいか。どうせ当たらないだろうけど。


「じゃあ1枚だけ」


「うんうん、それじゃなきゃ、今日ここにきた意味がないよね早速いこー!」


もう一度言うぞ。なんでそんなに元気なんだ。10キロ近く歩いたんだぞ。

というかさっきよりテンション上がってるし。女の子ってすごいわ。いや彼女がすごいのか。


そんなことを思いつつも、1枚宝くじを買ってみた。

ん?裏側に何か書いてあるぞ?


『おめでとう』


なんだこれ。なにかのイタズラか?

おめでとうって。まだ当たってませんけど。


と次の瞬間、辺りがまぶしいくらいの光に包まれた。


「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!なんだこれ!!!」


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「っ…ここは…?」


なにもない。さっき僕たちがいた宝くじ売り場も、自分の彼女であるヒカリも誰もいない。

なんだよこれ。夢でも見てるのか僕は…


『夢ではありません。あなたは選ばれました』


え、だれ?


周りを見渡しても誰もいない。


『ここです。上を御覧なさい』


へ?上?


上を見渡すとそこには羽根の生えたスーツ姿の男がいた。


『ようこそ、神域へ。あなたは選ばれました。我が主がお待ちしております』


やっぱり僕は今、夢を見ているんだ。うん。そうにちがいない。でなきゃ羽根の生えた男なんてファンタジーすぎるだろwwwえ?コスプレ?ぅえうぇうぇ?w


「混乱するのも無理ありません。何を思ってもらっていても構いませんが、あなたは選ばれたのです。とにかく私といっしょに来てもらえませんか」


いっしょにだって?いいでしょう。夢ならなんでもありだ。是非いきましょう。

本来ならもうすでにぶっとんでいるのだがこれは夢だ。うん。大丈夫、問題ない。


「わかりました。どこへいくんですか」

なるべく平静を装う。


『我が主のところです』


「あの…すみません、我が主って誰ですか?」


「そうですね。あなた方人間は神と呼んでいますか」

か…か…神だってえええ!?そんな夢みたいなこと…あっ夢か。


「はぁ…」


『あまり驚かないのですね』


いやだってこれ夢だからね。ぶっちゃけそんな…ねぇ?


「夢なんでそんなに驚いてもしょうがないですよ」


『やはりあなたは現実を見る人なのですね』

クスッと男は笑い、それからしばらくを歩いた。


『着きました』

着きましたって…なにもないじゃないか。

周りにはなにもない。とその時


『我が主様、連れて参りました』


カッ!


『ぅい~ご苦労さま~』


え…

なんか僕と同じようなアラサーの男が光の中からでてきたんですけど。

チェックにあの有名な靴ブランド、ポンバース履いてるし、まるで秋葉にいるような僕達じゃないか。この人が神様?


『よくきたねーようこそーYOYO♪』


YO♪ってなんだよ。神様って軽いなぁ…夢だからいいけどさ


『夢じゃないんだけどねーまぁいいか。えっと…NO.32462、渚ユウキくんだね』


「はぁ…そうですけど」


『うんうん♪突然だけどおめでとー♪君は大当たりを獲得しましたーパフパフー♪』

手をたたきながら神様?は言う。手をたたいてるのにパフパフ聞こえる不思議。


「あの、大当たりってなにがですか?」


『宝くじだよー君、我が聖地当宝神社で参拝した後、DIONで宝くじ買ったでしょ』


そういえば1枚買ったっけ。確かその後に…


『君の買った宝くじね~大当たりだったのYO!裏におめでとうって書いてあったはずだけどYO』


そういえば確かに書いてあったな。

あとそのYO!っていうのやめてもらいたい。


「はぁ…それでなにがもらえるんですか」


良くぞ聞いてくれた!といわんばかりに神様は僕に言う。


『それはね~君が今、一番望んでいるものをプレゼントするのねん♪ただし、プレゼントするのは1つだけ。君はいくつか願いを持っているからねぇ』


いくつかって1つだけなんだが。


「あの、僕の望みは1つだけですよ。」


『いーや、自分でも気づいていないだけで君は願いをいくつか持っているYO。君って欲望にまみれた人間だからYO!』

意味深に神様は言う。


なんか気味悪い神様だなぁ…僕が欲望にまみれた人間って…当たってるけど。


「うーんと、じゃあ僕の彼女の顔が可愛くなりますようにってお願いします」

迷うことなんてなかった。これが1番の願いだから。


『ほんとにぃ~??本当にそれが君の願いなのかYO!』

YOYOうるさい…いい加減そのYOっていうのやめてくれYO!


『いやね、本当に君が望んでいるものをプレゼントしたいのね。私も一応神様やってるから。ね?』


「本当ですよ!!!」


『じゃあ試してみよっか~』

ニヤニヤしやがって…試す?何を?


「試すって何をですか?」


『君が本当にその願いを叶えたいのか をだよ~』

めんどくさいこの神様。夢なら早く覚めて。


「どうやって試すんですか」


『うんうん、よくぞ聞いてくれた。これからね、箱の中から1つくじを引いてもらうのね。そのくじに書かれている内容が、今君が一番望んでいるものなのね。その願いは本物だからプレゼントするよ♪ただし、注意するべきことが2つあるYO♪』



①箱の中身を引く直前に自分の願いを思い浮かべること。

②思い浮かべた願いはなにがあろうと必ず叶ってしまうこと。


『わかったかな?』


「わかりました」

そんなのやったって決まっているじゃないか。なんでこんな回りくどいことをするんだよ。


『準備はいいかな?じゃあそろそろ始めるよ』

神様は、ぱっと中身が見える透明の箱を出した。


僕が思い浮かべた願いは…


彼女のブサイクな顔をかわいくしてほしい →Aルート 

金                   →Bルート

彼女の顔も変えない現状のままでいい   →Cルート 


※あなたが選んだルートへ進んでください

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