第1話 題名が思いつかなかったのでデートの話です。

 日差しがまぶしい日曜の午後、僕はとある駅で彼女を待っていた。

やはり日曜だけあって、家族づれでレジャースポットに行く人達や、カップルでショッピングをする人達など、街は人で賑わっていた。


「おまたせユウ君、待った?」


待ち合わせ10分前に彼女はやってきた。

時間をきっちり守るところもすばらしい。


「いや、全然大丈夫だよ。僕も今きたとこ」と同時に


今日のユウちゃんのファッションチェェェェェェック!!


髪型  派手さはないけど清純なナチュラルロング  いいね! 100点

服装  天使を感じさせるような白のワンピース   いいね! 100点

メガネ 王道をゆく伊達メガネ           いいね! 100点

ネイル 控えめなホログラムネイル         いいね! 100点

香水  なんとつけておりません!彼女の自然な香り いいね! 100点

お胸  文句のつけようがない           いいね! 300点

顔 んがぁぁぁぁんがぁんんんんがぁぁぁぁぁぁぁ い・・いいね? 2点


TOTAL 802点


高得点だけれども…くぅぅぅっぅぅぅっおしぃぃぃぃぃぃ!!!!!!

あとちょっとで1000点だったのにい!!


皆様ご想像頂けたであろうか。もう最高ぞ!!(顔以外)

ふぅ…

(なんだか虚しくなってきた)


「ユウ君、何ボーっとしてるの?はやくいこ?」


「え?あ…あぁごめん。いこうか」


まさか脳内で今日の彼女を採点してたなんて死んでもいえない。

彼女の僕に対するイメージが崩れるからな。


「で、今日はどこいこっか?決めてなかったよね」


僕たちは普段ならどこにいくのか、事前に決めてから行く。

しかし今日の予定は何もない。めずらしくノープランというやつだ。


 ※ここで「どこでもいいよ」と答える奴は、このあと必ずといっていい程、喧嘩が勃発するからこのセリフのチョイスはやめたほうがいい。前回のデートで学習済みだ。(彼女は怒ると鬼のように怖い) フッこの前の俺とは違うぜ。


「じゃあ服と新刊を買いたいからそこのミトーヨーカドーにいこう。その後、ランチにするってのはどうかな」

まあこんな回答が無難なとこだろう


「うん。いいよ!じゃあ早速ミトーヨーカドーにいこっか」


よかった。どうやらこの回答はGOODみたいだ。

前回のような失敗は回避したぞ。

そんなこんなで僕と彼女はミトーヨーカドーで買い物をした後、昼食を済ませ、その後も2人で色々見て回った。

まぁそんなこんなで時間は刻一刻と過ぎて行き、そろそろ帰ろうかと入り口へ向かっていると、ふと入り口の隣にある宝くじ売り場に目がいった。

へぇ…2等がでたんだ。まぁ別にどうでもいいけど。


「あっみてユウくん、あそこの宝くじ売り場、2等がでたんだって」


今ちょっとシンクロしたぞ。僕とおんなじ事を考えてたのか!

うーんこれがカップル!意味もなくちょっとうれしい。


「ふーん2等か。当てた人はさぞかしうれしいだろうね」

残念だが僕にはあまり縁のない話だ。興味がない。


「そういえばユウ君って、宝くじとか買ったことないの?」


「あんまりないなぁ、買うだけムダじゃない?」


そりゃ誰でも宝くじなんてものは1,2回は買ったことがあるだろう。

よくテレビのCMとかで夢を買いましょう!なんてことを聞くが、一部を除いて大抵は当たらない。当たっても300円とかその程度、買うだけムダムダ。というのが僕の見解だ。それに宝くじを買う奴なんて大抵じじばばぐらいでしょうが。


「なによーユウ君ってば夢がないなー」


と、ぷぅ~と頬を膨らませながら彼女は言う。

そういうところがブサイクだけどちょっとかわいい。うざいと思うやつもいると思うが、僕は好きだ。


あとはブサイクじゃなければ完璧なのにな…

…はっ!そんなことを考える僕ってクズじゃん…ごめんねヒカリ。


※読者の皆様、僕は主人公のような人間ではありません。皆様と同じ心の綺麗な人間です。


そんなことを思いつつ、僕は彼女にそういえば…と今度の大型連休(いわゆるGWというやつだ)どこへいこうか、という話を切り出した。


「宝くじで思いだしたんだけど、茨城の当宝神社っていう場所に行きたいな。前から気になってたの。あそこで参拝するとね、宝くじが当たることで有名なんだって」


やれやれ、ものの5分前にでた話題の影響をどっぷり受けているじゃないか。

まぁ行きたいとこがあるだけいいか。あまり興味がないが。


「いいけど、どうしてそこまでして宝くじを当てたいの?なにか買いたい物でもあるの?」


「別にそういうわけじゃないけどヒミツ。とにかくそこにいきたい」


と、彼女は微笑みながらそれだけを言って、駅に着いたところで僕と別れた。


でも一瞬だけ彼女は、微笑みながらもどこか苦しそうな、悲しそうな表情をしていたような気がした。


僕たちは大型連休(GW)、茨城の当宝神社へ行きます。 つづく

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