愛の搾取

「結婚しよう」と君は言う

私は他に好きな人がいて、その人は私と結婚してくれない


欲しいセリフを君は全てくれる

好きだよ、可愛いよ、ずっと一緒にいようね


私は君の愛を搾取している

優しい腕に抱かれて、安心して眠る


君はどんな想いで私の髪を撫でているのだろうか

愛おしそうに見つめる視線に本当は何が隠されているのか


「その人じゃなくて僕を選んでよ」


私は一方的に誰かに愛を押し付け、飢えた分を君から搾取している


「愛してる」

君はそう言いながら泣く

他の男を想って涙を流す馬鹿な私を抱きしめながら


君を選べば、幸せになれる気がする

そう思わせてくれるほど君の愛は心地よかった

でも私はその人を諦められない


私は君の愛を搾取している

こんなこと止めなければと思うのに君が優しいから甘えてしまう


ごめんね



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る