彼女を想い出すのは

彼女を想い出すのは、銀座駅に降りるとき

彼女を想い出すのは、シャンパンを注がれるとき


賢い人だった。だけど愛して欲しいと、いつも焦がれている人だった。

僕は愛の比重が軽く、仕事に重きを置く。そのことを理解していても、共感はできない人だった。

彼女は僕への愛が重すぎて、バランスを崩して去っていった。


彼女を想い出すのは、ルブタンのレッドソールを見かけたとき

彼女を想い出すのは、フォートナム&メイソンの紅茶を買ったとき


彼女は僕に言った

いつかあなたは後悔する、私ほどあなたを愛している人間は今後現れないだろうから


でも僕は、愛をそれほど重要視していない

だからこのまま多分、やっていける


寂しいと思うことはたまにあるけど、

ふとした瞬間に彼女を想い出すけど、

それでも僕は、一人でやっていける

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