第2話目覚め

辺りを見渡しても何もない空間に立っていた。

そう、ただあるのは赤い髪の女に刺された時の光景だけが映っていた。そして女がまた何かを言っているようだ。

「(早く目覚めなさい、でなければ私があなたを殺します)」と、告げてまた女はどこかへ歩いて行ってしまった。俺は彼女を走って追いかけた。しかしいくら走っても彼女には追い付けなかった。「(待って、待ってくれ。一体どう言うことだ?目覚めろって一体何のことだよ?待ってくれ)」……

「待ってくれぇぇぇぇぇ」ハァー、ハァーと荒い息を正しながら、周りを見渡した。俺は知らない部屋のベットで寝ていた。それに、俺のすぐ側で俺の幼馴染の柊 夢が寝ていた。窓から外を見るとすっかり暗くなっていた。すでに雨はやんでいた。そんなことを考えていると急に、「う、うぅぅ…うるさい…な…って魁人!」夢は俺を見るなり急に大声を出した。「目が覚めたんだね」「善かったぁ」などと騒ぎだした。俺は夢に俺が寝ている間に何があったのかを聞いた。どうやら俺は、道端で血を流して倒れていたらしく。それを学校帰りの夢が見つけて救急車で病院に運ばれ丸1日寝ていたそうだ。「(まじかよ、てか俺よく助かったな)」取りあえず夢には帰ってもらい俺はもう一寝入りして翌日退院出来るそうだ。俺は退院するまでの間にさっき見たあの女の夢を思い出していた。「(目覚めろってどう言う意味だよ。、あの女は一体何が言いたかったんだ)」などと訳の分からないあの女の言葉をずっと考えていた。

翌朝俺は病院を退院した後家へ帰り学校へ…行こうかなとも思ったがどうせ行っても退屈なので行かないことにした。家でゆっくりあの女の言葉を考えることに…ピンポーン、思ったが突然家のインターホンがなった。「(誰だこんな昼間から)」などと思いながらも俺はドアを開けた。ドアを開いたとたん何かが体に当たって俺はその勢いで床に倒れた。何とか気を失わずに済んだので、何が当たったのかを確認した。何とそこに倒れていたのは……真っ赤な髪の女だった。

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