童話モチーフ【ネタバレ】

 第二部の各話で使った童話のモチーフです。


◆童話:青い鳥

「青い鳥」のあらすじ:

 貧しい木こりの兄妹チルチルとミチルは「幸せの青い鳥」を探しに行きます。しかしやっと青い鳥をつかまえたと思っても、すぐ色が変わってしまいます。

 朝になり目覚めた二人は、部屋の鳥籠の中に青い鳥がいるのを見つけます。本当の青い鳥(幸せ)は、すぐそばの、自分たちの生活のなかにあったのです。


→「幸せはすぐ近くにあった」というテーマをそのまま物語にも使わせてもらっています。

 またヴァイスのイメージカラー「青」と掛けて。


 武州青嵐様に書いていただいたレビューコメント「冒険は、青い鳥が運んできた」――まさにその通りでございます! 素敵なキャッチフレーズをありがとうございます!m(_ _)m



◆童話:人魚姫

「人魚姫」のあらすじ:

 嵐で難破した船から溺死寸前の王子を救い出した人魚姫は、王子に恋心を抱く。人魚姫は魔法使いと取引し、人間になる薬を貰う。薬を飲んで人間の姿で倒れている人魚姫を見つけた王子が声をかけるが、人魚姫は声が出ない。 その後、王子と一緒に宮殿で暮らせるようになった人魚姫であったが、声を失った人魚姫は王子を救った出来事を話せず、王子は人魚姫が命の恩人だと気づかない。


セイレーン:

 ギリシア神話に登場する海の怪物。上半身が人間の女性で、下半身は魚の姿。海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる。


 この二つの設定を組み合わせて、第二部の「人魚族セイレーン」の像が出来上がりました。



◆カボチャ

 シンデレラの「魔法の馬車」から取ったのですが、「人を中に入れる」→「飲み込む」→「怪物カボチャ」という形になってしまいました。



◆世界樹

 これは童話からではなく、RPGやファンタジーでおなじみの設定から持ってきたものです。


 大きな木の周りにロッジが付いていたら素敵だな→「獣人族を住まわせよう!」→「でも兎族は地下に住んでるんだった」→「じゃあ鳥族と共生していることにしよう!」という形で、獣人村の設定が生まれました。



獣人兎族ラビット

 不思議の国のアリスの「兎」をモチーフにしました。

 彼らに洞窟を案内されて、続くドワーフの元へと物語は引き継がれます。

 渡される「木の札」は「トランプ」をイメージしています。



◆宝石

 童話「幸福な王子」の宝石を思い浮かべて書きましたが、結局この童話のオマージュはほとんどなくなってしまいました。(宝石を食べるスライムの核ということになってしまい……)


 強いて言えば、カッツェからアリーセに渡した虹石。「相手の幸せを願って、大切な宝物を渡す」という形に落ち着きました。



小人族ドワーフ

 「白雪姫」の七人の小人をオマージュして、七人の小人を登場させています。

 が、同時にFFで出てくるような「鍛冶が得意な職人ドワーフ」や、「酒好きで陽気な小人」という設定も混ざっています。

 黒剛石鋼ダマスカス月光秘ミスリルぎん神金鉄オリハルコン緋緋色金ヒヒイロカネ――わくわくしますよね!



◆黄金の林檎

 同じく「白雪姫」の毒林檎から取りました。白雪姫の毒林檎は喉に詰まったので→食べると声を失ってしまう→セイレーンの武器である声が使えなくなるということで、人魚の川にバトンが渡されます。


 さらに最初の構想では、人魚から「人魚の涙」というアイテム(ネックレス)を渡されて、それが幻術を破る効果をもつという話にしようと思ったのですが。ヴァイスが白魔導で幻術解除する方が自力で解決したという感じが出ていいか――と思ったので、無くなりました。



◆まとめ

 こんな感じで、いくつかの童話をモチーフに使いました。こじつけっぽいものもありますが、童話の要素を加えることで敵のアイディアなどが浮かび、なんとか物語を作ることができました。

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