第42話 WEB小説の一話について

「……またシロート発言をしてしまったようだな。」 作者 如月芳美

第4話 見なきゃいいじゃん

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884313754/episodes/1177354054884315410


 このエピソードを読んで、やや小林よしのり化してたところに、ツイッターで見かけた一つのツイートに刺激された雑記が以下。

 暴論アリな内容になってるでしょうから、ムッとされたらコメントにぶちまけていただいて構いません。雑記のくせに二千三百字程度もありますし、そんな内容読みたくねぇだと言う方は即ブラバしていただければとm(__)m


 補足:「いや、サイトには一応あげてるだけで、誰かが読んでくれれば嬉しいけれど、あくまでもマイペース、好きなように書いていく」というタイプの方にはお勧めできない内容です。















 誰が何と言おうと私はこう思っています。

 

 「WEB小説は読んだ瞬間から面白いと感じて貰わなければ、続きを読んで貰えない」


 ツイッターで私の考えと同じようなことをツイートしている方を見かけた。

 その方はミステリーを主戦場にしていらっしゃるようで、「それを本格ミステリで体現するとつまり、冒頭から不可解な状況下で人が死ぬんだけど、それを面白いと感じるのはやっぱりミステリ好きだけなわけで……。」と嘆いてらした。


 この点には異論があって、「読者に楽しんで貰える構成で書く努力できない方は、WEB小説として読まれないことを」と考えてます。くだんのツイートした方であれば、ミステリー好き以外には楽しんで貰えないことを受け入れるしかないと考えてます。


 作家は作品全体で考える。だから、エピソード(一話)は全体の一部と考える。

 あるイベント、もしくは作品の結末に向けての伏線としてのエピソード。次話への繋ぎのエピソード。キャラクターの個性を立たせるためのエピソード……。などなど。エピソードごとに、作品全体にとって必要な……いろんな役割を持たせている。


 しかし、読者にとってはそんなこと関係無い。


 「その時読んでる一話が、その作品を判断する全て」


 こう考えると、作家側はその事実を厳しく受け入れる覚悟がなくてはならないだろう。書くのは好きに書いたら良いと思うし、基本はそうあるべきだろう。WEB小説向きの作品もあれば、書籍化されて初めて楽しめる作品もあるだろうから。


 ただ、WEB上でも読んで貰い、楽しみ続けて欲しいなら、話は難しくなる。


 余暇を楽しむための選択肢、ゲームやコミックなどの選択肢がたくさんある中で、作品を読むためにWEB小説に時間を割いてもらうには、エピソードごとに楽しみを提供していく必要がある。


 人それぞれ考え方はあるでしょうが、「どのエピソードでもそこだけ読んで何らかの面白さを十分に感じられる作品が、読者に読み続けて貰えるWEB小説」だと考えます。


 いきなり十話目を読んでも、ストーリーは当然いまいち判らないけれど、このキャラクター面白い、会話のやり取りが面白い、気になる設定だな等々と感じられるエピソードになるよう工夫しなくちゃいけないのだと。


 WEB小説での究極は「長編の一エピソードであろうと、一短編として楽しめる作品」ではないかと考えてます。それもひとつのエピソードは五千字以内で、できれば二千字以内で。

 私の考えが正しいかは判らないけれどもね。


 そのために必要なことは、下ネタであろうと、厨二的な台詞だろうと、エピソードに盛り込んで、エピソード単体で、想定する読者に面白いと楽しんでもらうこともあるだろう。描写の上手な方なら、下ネタ等使わなくても、様々なスキルを使って読者に楽しんで貰えるだろう。


 それができればきっと読み続けて貰えるのではないか。

 私はそう考えてます。


 ま、この手法が正しく、さあ使うとなっても、長編書くのは苦しくなるなと、インプット増やさないと書けなくなるなと悩みも多いし、今のところはまったくできそうもないのですが、目標がないよりはいい。まったくできていないから、読まれなくても諦めもつく。読んで貰えないのは、自分の実力不足と結論できる。


 もし、WEB上で大勢に読んで貰いたいならば、既存のあり方……本格ミステリだからとか、そういった形に囚われるのではなく、新たな形式やスタイルを考え、試し、そして結果を掴み取っていき、WEB小説に合うものを見いだしていかなければならないんじゃないか。


 読者にとっての一話を考えると、一話目の役割は全てのエピソードの中で最も重要で様々な役割を担っている。

 ミステリーというジャンルでは、私には判らない……一話目の難しさがあるのかもしれない。でも、もしそこを打開できないなら、ミステリーはWEB小説としては不向きというだけの話で終わり、そもそも嘆いても仕方ないということになる。


 それでいいのだろうか?


 私は嫌なので、今はまったくできていないけれど、あがいてみようと思います。そして精根尽き果て、自分に見切りをつける時は、大勢に読まれることは諦めるか、筆を折るのだろうと思います。


 書籍化される作品は、コンテストでも公募でも応募される作品のごく一部。

 出版された作品でも、売れる作品は多くない。


 WEB小説もネット上に投稿される作品は膨大。

 その中で読者をある程度掴める作品はごく一部。

 大勢に読まれるとなれば、更に一部。

 読まれなくて当然の世界で、読まれたいと思うのであれば、工夫と研鑽が必要なのは当たり前。


 当たり前を当たり前として受け入れ、その上で、自分に何ができ、何がうまく行くのか。挑戦し、失敗し、この繰り返しを続けられないなら、大勢に読まれたいという希望が叶えられないからと嘆くのではなく、運に任せて叶えられる時をのんびり待つべきことのように思う。その方が精神衛生上好ましい。


 ここまで小難しく書いてきたけれど、要は、


 「作品全体像など知らなくても、一話だけ読んで楽しめるエピソードを工夫して書きましょう」


ということに私の言いたいことは尽きる。

 極端な物言いになるが


 「書籍の勝負は一冊単位。しかしWEB小説は一話一話が勝負、常時戦場!!」


 と思っております。


 以上、自作へ読者をどのように誘導するという点は別にして、自作を一話でも読んでくれた読者に対して、WEB作家はどう考え、どのような作品を提供すべきかの私見でございました。

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