大嫌いでも大好き

とけい

第1話

すき。

きらい。

すき…

花占い。それは、乙女心が詰まっている。

「たっくん今日どこ行く?」

たっくん私、桜塚 雪の彼氏。

私と同じ高校二年生。背は私より少し高くてイケメン。

「学校」

「学校?」

でも、彼の行動は未だわからない。

「なんで学校?」

「ないしょ」

そんな会話だけでついついにやけてしまう。

「ねぇー」

「んっ」

「リア充の意味って知ってる?」

彼は少し考えてから

「リアル怪獣だろ」

アホなことを言った。

「たっくんってアホなの?」

私が笑いながらそう言うと

「アホかもな」

っと笑いながらいった。

そんな会話をしながら学校に着いた。

「懐かしー、ここってこんなに古かったけ」

そこは、昔たっくんと私が通っていた小学校。

もう廃校になっていていつ取り壊されてもおかしくない状態だった。

ここにはいろんな思い出がある。

「早く取り壊さないかな」

「そうだな」

私たちは、この学校が嫌いだ。

「ねぇ、覚えてる?」


「あの日の事か」


私が頷くと彼は真っ青な空を見上げた。


「あんな事がなかったら私たちもっと違う生き方をしてたのかな?」

「わかんねえ」

私たちはあの日のことをわすれない。

「そう言えば、あの日は雨だったね…」

吹き荒れる豪雨。

その日は、私の誕生日だった。

誕生日に皆で私の家に集まる予定だった。

でも、台風が近づいているから母に中止にするように言われた。

私は、せっかくの誕生日なのにと思いながらも誕生日会を中止した。


でも諦められなくてみんなにメールした。

─やっぱり今日誕生日会したかった!


─だよねー、でも仕方ないよ~


─なぁ俺らだけで誕生日会しないか?


─なにいってんの?


─だから、こっそり学校に集まるんだよ


─いつ?


─今日に決まってんだろ!


─えっ!嘘でしょ?


─マジだよ!今日の夜9時に学校で待ち合わせな!


─わかった

─おっけー


そうして、夜、お母さんにはもう寝るといって部屋に戻った。

そして、事前に自分の部屋に用意していた靴を履いて部屋の窓から抜け出した。

まだ雨が降っていたが、雨はほとんど小ぶりになっていた。

学校に着くと安美とたくまがいた。

「遅いよー」

安美が、すねた感じで言ってきた。

「ごめんね」

「まず教室行くか」

そして、学校の中に入った。

「なんか薄気味悪い」

「そうだな、お化けとかいたりして」

「へ、変なこと言わないでよ」

「そうよ安美は怖がりなんだからそんな事言っちゃダメよ」

そして、教室に着いた。

ガチャガチャ

ドアには鍵がかかっていた。

「たくま、鍵は?」

「んなもんあるわけねぇだろ」

私と安美は、えっと言う声を合わせて出した。

「えー、なんで用意してないのよ!」

私がそう怒ると

「何でって、安美がやろうって言い出したんだろ」

えっ。

「ちょっと待ってよ、たくまがメールでやろうって言ったじゃん」

「言ってねえよ」

じゃあ私たちは、誰と待ち合わせをしたんだろう。

「あの、私のメールは雪ちゃんからだったよ」

「えっ送ってないけど」

私たちは、それを聞き背筋が凍った。

「ねぇ!もう帰ろうよ…」

皆で、死ぬぐらい走って出ようとした。

だけど、いまさらわかった。いつもこの学校には警備員さんが見回りをしているはずなのに今日に限って誰もいない。

おかしい。

ドタッ。

何かが落ちる音がした。

私たちは美術室の前で止まった。

「ねぇ今なんか音しなかった?」

「うん、、」

誰か残っているのかも。

恐る恐る扉に手を掴んだ。

そして、美術室の扉を開けようとした。

ガチャリ。

でも、美術室にも鍵がかかっていた。

「な、なぁんだ」

少しほっとした。

そして、ゆっくりうえを見た。

天井に赤い字で、

…お誕生日おめでとう…

っと書かれていた。

「い、いやーー」

私は大声で叫んだ。

そして、走り出した。

校庭に出てから気づいた。

「たくま、安美、どこ?」

わたし、、

2人を置いていっちゃた、、

でも、戻って2人を迎えにいく勇気がなかった。

だから急いで帰って親にあったこと全部話してもう一度学校に行った。

っが、もう誰もいなかった。

次の日、たくまは来た。けど安美は学校に来なかった。

でも、たくまは昨日の事をなにも覚えていなかった。

「ねぇ!本当に昨日の事覚えてないの?」

「だから、何なんだよ!昨日は、お前とメールも電話もしてねぇって」

「じゃあケータイ見して」

そして、たくまはケータイを私に渡した。

そこには、なにも書かれていなかった。

いったい、なんで…


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大嫌いでも大好き とけい @aikachapy0821

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