フクシマから7年後、日本の野党が脱原発に向けて結集
【以下は仏「ル・モンド」紙の記事に基づく翻訳です。元記事のリンク:http://www.lemonde.fr/energies/article/2018/03/10/l-opposition-japonaise-se-mobilise-pour-la-sortie-du-nucleaire_5268778_1653054.html】
人口減にかかわらず、安倍晋三首相は、42機の原子炉の再開を希望し続ける。
政府への挑戦。電力の生産のための原子力の使用に関する議論を再開する意志。真の政治的野心。2017年10月の国会議員選挙のときにこの論点についてキャンペーンを行った立憲民主党を始めとした日本の4つの野党により、3月9日(水)に脱原発を計画する法律の草案が提出されたが、その中にはこれらはほとんど含まれていない。
草案では、今から5年ですべての原子炉を停止し、2010年の水準に比べて、今から2030年までに電力の年間需要を30%削減することを計画している。また、再生可能エネルギーの割合を40%にすることを目指している。原子炉の解体に出資するために、国有化が計画されている。「原子力は、廃棄物の蓄積や作業者の放射線への曝露などの問題を提起します。」 この草案を促進するために日本全土を巡回した立民党の枝野幸男は説明した。「原子力が人類に対してリスクを示し、現在の知見を超えているという理解が一般化しています。」
2011年3月のフクシマの大惨事から7年が経ったが、日本人は未だに原子力に不信感を抱いている。チェルノブイリ以来の最悪の原子力の大惨事の記念日である3月11日に、公式の儀式が東京で開催され、安倍晋三首相、明仁親王の次男である秋篠宮親王、配偶者の紀子様が、遺族とともに出席した。原子力への反対者もまた出席するよう呼び掛けられた。
立民党のイニシアチブとは無関係に、脱原発は前首相である小泉純一郎、細川護煕、または大惨事のときに政府を指揮していた菅直人によっても促進されている。
小泉氏と細川氏はまた、原自連とともに脱原発のための立法のプロジェクトに取り組んだ。「原発の擁護者は、住民および環境の擁護者に彼ら自身の利益を与えています。」3月7日の外国人記者クラブでのメディアカンファレンスのときに小泉氏はそう嘆いた。
大惨事のときに、日本の「原発村」、すなわち惨事に責任があると見なされる政治家、実業家、大学人の一派の不透明さに対して噴出した批判を思い起こさせる状況がある。日本経済研究センターの2017年4月の見積もりによると、その大惨事の解決には、約40年という時間と7兆円という費用がかかるということである。政府は、それを22兆円と見積もっている。
原子炉に対して、解体は着手されているが、遅れている。東京電力は、炉心溶融物の摘出、3基の原子炉の溶けた燃料、 損害を受けた原子炉の冷却に由来する汚染水の問題を特に解決しなくてはならない。85万トンが蓄積された。
安倍政権がエネルギーの方向付けの新しい枠組みを準備するときに、議論が再開される。最新版は2014年に遡る。そこでは、2030年に原子力の比率を20~22%(3.11の前は28%)、再生可能エネルギーの比率を22~24%、ガスの比率を27%、石炭の比率を26%にすると定めている。原子力はその頃、「基盤」エネルギーの1つと見なされていた。このテキストは、今から2040年までに脱原発を実現するという、先行する行政機関により2012年に定められた目標により結ばれている。
「無残」
安倍内閣の内部で、原子力の維持に対する一体性に亀裂が入っているように見える。原子力への反対で知られている、外務大臣の河野太郎は、1月17日のアブダビ市での会議の際に、「国が変化への恐れから現状に権限を与えている」ため、再生可能エネルギーの活用の目標が「無残」な状態であること、また遅れていることを批判した。
1月に小泉氏と細川氏がプロジェクトに取り掛かったとき、政府のスポークスマンである菅義偉は、党としての原子炉の再稼働の目標を維持していた。「私たちはまた、再生可能エネルギーの使用を高めるとともに、省エネ対策の適用により、できるだけ原子力への依存を減らそうと努めています。」それでも、彼は含みを持たせた。
脱原発の経済的影響を懸念する産業界に近い現政権は、2011年3月11日に稼働していた54機の原子炉の内42機の再稼働に取り組んでいる。大惨事の後、すべての原子炉が停止し、火力発電所の燃料の輸入が跳ね上がった。しかし、再稼働の進展は、遅々とし、込み入った状態である。5機の原子炉が稼働を再開し、追加の19機が再稼働の認可を待っている状態である。
フクシマ後に規定された安全性の新しい規範に適合するコスト(原子炉当たり10億ドル近くに達する)以外に、再稼働は人々のためらいに直面する。米山隆一元新潟県知事は、東京電力が運営する柏崎刈羽原子力発電所に反対する。彼はフクシマの大惨事の真の原因は、原発事故の人体と日常生活への実際の影響と同様に、まだ決定されていないと考えている。
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