ヤミ金地獄に陥る日本人
【以下は仏「ル・モンド」紙の記事に基づく翻訳です。元記事のリンク:http://www.lemonde.fr/economie/article/2017/08/31/les-japonais-dans-l-enfer-des-yamikin_5178959_3234.html】
高利貸がはびこる、借金まみれの日本。伝統的なチャンネルから借金できない人の弱みを利用している。
借金しているのは日本だけではない。日本人も同様で、高利貸のマツダ・ユタカの話から明らかなように、合法のチャンネルだけからではない。6月2日に神奈川県警により逮捕された48歳の暴力団組員は、2人の手下の助けをかりて、法定の限度の利率の110倍で、カネを貸し付けしたとされる。詐欺師は、この単独の業務で、929,000円を稼いだとされる。警察によると、全国で270人から3,300万円をだまし取ったとされる。
マツダ・ユタカと彼の手下は、ヤミ金を経営している。これらの高利貸は、167,000人の日本人の過剰債務者のように、公的な組織から借金できない人を対象とする。
国内総生産(GDP)の約250%の借金を抱え、2016年末の時点で世帯の借金がGDPの62.5%を占める国の中で、法律はますます厳しくなっているにもかかわらず、ヤミ金は活発なままである。
2016年、『フライデー』誌に、デリヘルで働くことを余儀なくされた借金を抱えた若い女性「ゆき」(仮名)の話が掲載されている。
恋人の子供を妊娠した彼女は、彼氏がすでに結婚していて、子供がいることに気づいた。
恋人に捨てられ、シングルマザーとなり、家賃、教育費、乏しい貯蓄の切り崩しの間で曲芸を行なう必要があった。そしてついにサラ金、その後ヤミ金に助けを求めた。彼女は返済ができず、最終的に性風俗の世界に入るよう求める圧力に屈した。「月に10万円貯めることができます」と彼女は説明する。彼女のようなストーリーは、日本で珍しくない。日本では過剰債務者は減っているものの、依然として問題になっている。
ヤミ金は、古くからある現象で、まさに真鍋昌平の漫画『ヤミ金ウシジマくん』で描かれている世界である。この漫画は、2004年の最初のエピソードの発売日以来、成功が続いている。その漫画は、低劣な雰囲気にもかかわらず、2010年の最初のシーズンからTBS系チャンネルで放送されるシリーズに翻案までもされた。また、2016年に監督・山口雅俊により映画化された。
組織的陰謀
漫画では、ヤミ金・カウカウファイナンスの職場の物語を語っている。カウカウファイナンスは、パチンコに行くためにカネが必要な女性、自分が稼ぐことができる以上のカネを注ぎ込ませるバーのホステスの魅力に屈したサラリーマンなど、さまざまな請願者にカネを貸している。
カウカウファイナンスでは、承諾された貸付金に対して10日で50%の利率が適用される。総額は数百万円に制限される。ドラマではまた、必ず完全に受け入れるほどまでに、人々を借金するよう導くための組織的な陰謀を描いている。一部の人は、人生を諦めるほどまでに押しやられる。日本人は彼らを「蒸発した」と言う。別の人は自殺に至る。日本では、5人に1人が経済的理由により自殺している(2016年の自殺者は24,000人)。
漫画の成功は、現実に沿っていることに由来する。ヤミ金は、借金のある人に、福島第一原子力発電所の掃除の汚れ仕事に行くことを受け入れさせるだろう。「日本人は、借りた金銭を返す義務を深く感じています。彼らは、死に至る可能性があるとしても、それをするよう決心します。」借金の問題に特化した法律アドバイザーは説明する。
高利が完全に禁止されていない国では、新しい問題ではない。「利率は、室町時代に月当たり5%に制限されていました。」2008年の調査で、アメリカの大学、南イリノイ大学のAndrew Pardieck氏は説明する。悪習は、バブルが弾けた後、1990年代に頂点に達した。当局はその頃、200万人近い過剰債務者およびヤミ金の潜在的な犠牲者がいると見積もっていた。厳格な法律がないため、回収者は、極端な方法を使用することに躊躇せず、返済を要求して結婚式や葬式を妨害しさえする。
一掃
2003年に、老夫婦が電車に飛び込み自殺した。彼らは、借金について詳しく述べているメモを残した。そこでは、債権者が毎晩電話し、「隣人からカネを回収しろ」と脅していると説明している。その事件は、大きな反響を呼んだ。それは、警察がヤミ金に対して大々的な撲滅作戦を開始するきっかけになった。この機会に、「ヤミ金の帝王」こと梶山進が逮捕された。
ヤクザの山口組系の梶山氏は当時、年に数百億円を生む、1,000近い事務所を経営していた。梶山氏は、借金のある個人と会社に対して、大々的な直接のマーケティングを組織し、活動を開発した。彼は2006年までに許可された自由を利用し、マーケティングといった業務のために、身分証の基本的な情報をコピーした。
状況は、2006年の法律により劇的に進展し、4年後に現行の法律になった。最大利率の29.2%は、2010年に段階的に20%に下げられた。法律では、借手の支払い能力を厳しく確認する義務が導入された。これにより、貸付金は、所得の3分の1を超過することがなくなっている。法律はまた、サラ金やヤミ金の一掃への道を開いた。
さらなる慎重さを強制され、違法な貸主は適応する。今日、違法な貸主は、特に銀行口座または携帯電話回線を増やすことを目指している。彼らは、すべての口座が同時に凍結されるのを避けるために、それを必要としている。彼らはそのため、借金の返済が困難な借主に、この抜け道により借金の一部を支払うことを提案する。2012年6月に、違法な貸主に預金通帳(口座の名義人のすべての操作を調査している)と新しく開設された銀行のカードを渡し、54,000円を受け取った警察官が逮捕された。
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