Q11 他の雇用形態や職種でも良いですか?

 「改めて聞くけど、まずは自己紹介と志望動機をお願いします」

 「はい、分かりました。私の名前は…」


 最終の面接が始まり、社長とは初めて顔を合わせるということで改めて自己紹介を始めるタイダ。


 「…志望動機を一言で言うならば御社の多面性とチャレンジ精神と言うような社風に感銘を受けたからです。」

 「ほう?」

 「ここ数年の御社の新規事業の進出は伺っております。ほぼ全ての事業での売り上げを伸ばされてるとか。私もチャレンジ精神を持って御社で働く事が出来たらと思っております!」

 「タイダ君はうちの会社についてよく調べているね、…そうしたらうちが、どんな人材を求めてるかも理解しているのかね?」


 飄飄としていた社長の声のトーンが一つの落ちたことをタイダはハッキリと分かった。

 ここから圧迫面接を開始するのかと理解したのだ。

 しかし、タイダは曲がりなりにも魔王を討伐するという死線を越えた猛者だ。

 この程度の威圧はタイダにとってそよ風のようなものだった。


 「はい、御社は今新規事業を多面的に拡げているので順応性のある人材を求めてるかと考えます。

 それと、御社のスローガンを合わせましてみると(突発的なトラブルにも対応できるリーダーシップを持った人物)だと思っております。

 私もそうなれるよう勤めていきたいです。」


 淀みなく、自信を伴ったタイダの発言に社長以外の重役がほう、と感嘆した。

 しかし、社長のみは少し意地悪そうな笑みを浮かべながら


 「なるほど…では、タイダ君にも新規事業のプロジェクトをやってもらおうじゃないか。」

 「へっ?」


 そう言った社長は他の重役を退室させ、代わりに二人の男女を連れてきた。

 一人は、いや二人ともタイダにとってとても見覚えのある人物だった。


 「ふぉっふぉっふぉ」

 「どうですかタイダ!?この、デキル女のような装い!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る