Q10 仕事で大きな失敗やミスをしたことは?

 「ミスったぜ…」

 「どうしたんです?タイダ?」

 「いや、ツユ。やけに簡単な依頼だと思ったんだよ…要は俺に実績積ませて貴族にさせたいんじゃねーかあのおっさん…」

 「まぁ、贔屓目抜いてもタイダは優秀ですからねぇ…それに資質もありますし」

 「俺が?何処が?」


 何時もの一間、寝起き姿のまま二人でインスタントラーメンを啜りながら朝を過ごす二人。

 タイダはのそのそと装備をスーツ~現代社会の戦闘服~へと変えながらツユの話を聞き始める。


 「まぁ、貴族…特に領主なんて問題が起こってからしか動く仕事なんて無いんですけどね。タイダはその問題を見つけるのが上手いし、解決もとても先進的です。」

 「いや、俺は貰った資料とにらめっこしただけだぞ?」

 「でも、不正は見つけましたよね?」

 「まぁ、そいつには後でこっそり警告しといたけどな、お前バレてるぞって。」

 「そんな細かいケアまでしてたんですか…」

 「普通だろ?」

 「普通じゃないですよ…まともに問題すら見つけられない領主もいるぐらいなのに…」

 「まじかぁ…」

 「マジです」


 いつになく強い口調のツユに少したじろうタイダ。

 襟をただしてタイダは誤魔化すようにネクタイを締めた。


 ツユはタイダのネクタイをそっと正すと足元のリクルートバッグをタイダに手渡す。

 正妻か。


 「今日は?」

 「ああ、いよいよ面接だぜ!結構大きな会社なんだけどな、何やら新しい部所の新卒採用枠が急遽出来たそうで、トントン拍子で今日が社長面接 だ!」

 「なるほど…御武運を祈ってますよ?タイダ」


 万人が「どう見ても新婚生活。本当にどうもありがとう御座いました」なやり取りを送ったら後、タイダは「行ってくるわ!」と、自身の面接会場へと足を運んだ。


 タイダを通い妻よろしく送ったツユも支度を始める。


 「さぁーて、私も動き始めますかね」


 ツユは普段「ガーデン」で着ている動きやすそうな魔導師然した民族衣装な装備をタイダの言う現代の戦闘服に支度しつつも、一人呟いた

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