Q6 まわりの方のあなたへの評価は?
「おお、タイダ!戦友よ!来てくれたのか!」
「よお、相変わらずハンサムガイだな、キシよ…」
「ありがとう、タイダ!お前のお陰で王女と結婚することが出来た!
家名はお前がいつもいっていた(良い男)という意味からあやからせてもらったよ!」
「お、おう…光栄だぜ…」
世界こそ違うとはいえ、説明会と王族の結婚式を比べて説明会にいく愚か者はおらず、タイダは当たり前だが結婚式へと出席をしていた。
ご祝儀いくらだろうかとかそもそもたかがいち学生が王族の結婚式にいく服装やら何やら準備出来るのかなどという細かい話はまあ、此方に代理人かなにかがいるっぽいということで描写は省略する。
さて、王女の結婚式となれば当然新婦の親は王様になるわけで…
「ふぉっふぉっ…来ておったかタイダよ」
「討伐の報告以来です、閣下。」
「よい、祝いの席なのだそう畏まらんでもよい。なんならフランクにお義父さんと呼んでも…」
「おい、オッサン」
フランクすぎて…というよりあからさまに自分の娘をくっつけようとする様子を見てタイダは取り繕うのを止めた。
何故ならその娘というのは…
「タイダさまー!」
「お、ローズマリー様じゃないですか。お久しぶりです」
「タイダ様、ロリィと呼んでくださいとずっと言ってますのに…何時になったら呼んでくださるのですか!?」
「ええっと…」
「なんじゃロリィが嫌いなのかタイダよ」
「い、いえ…そういうわけでは…」
「ロリィはいいぞ!タイダ!まだあどけない中に光るものがある!それにもう12歳じゃ!問題なかろう!」
問題大有りである。
確かにこちらの世界では12歳で貴族が結婚することは珍しくない。
しかしタイダの今まで培ってきた倫理観では12歳はまごう事なきロリコンの烙印を押されるのである。ロリィコンである。
タイダは目の前の王様を基本的には善政をしく賢王としてとても尊敬している。
が、この自分の娘をくっつけようとする振る舞いがどうしてもホームステイを受け入れるHAHAHAと笑うようなアメリカンなおっちゃんに見えてしかたがなく、敬遠している。
タイダは魔王討伐の時に必要不可欠だったスキル、「それとなくお茶を濁しながら自分の要求を主張する」を使用してこの場をうまく切り抜けた。
因みにこの場合の要求はそのままズバリ「王様との会話を切り抜けたい」だ。
そんな平和な結婚式も終わり、良き週末を終えたタイダは再び現実に引き戻される。
重なる説明会、終らないエントリーシート。
場所こそ違えど評価される結果を残すポテンシャルの高い彼が書類すら受からないのは
現実は非常なのだ。
「せめて魔王討伐がESに書ければっ!」
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