Q3 仕事のやりがい・喜びは何ですか?
「私が「帰還」魔法を覚えたのは…いえ、大賢者となったのは全てこのときの為でした…」
「ああ、そして俺が魔王を倒してこっちにに戻ってこれたのは全て、この一杯の為だったんだ…」
突っ込み不在のラーメン屋。
餃子にチャーハンも追加で平らげ、まどろんだ二人はため息をつくように声を絞り出した。
筋違いの場所でデートをしているカップルに鉄槌を!と他にいる客の刺し殺すような視線にも意に介さず、二人は腹ごなしだ、と言わんばかりに軽く頭を回した。
「それで…俺はこれから家に帰って就活はじめっかなって感じなんだが…ツユはどうするよ?」
「うーん私はせっかく来たんで観光とかしてみたいですけどね…って就活って仕事を探す事ですよね?
ギルドなどには行かないですか?」
「…ああ、ここ日本では少し違うんだよ。…うん、ツユ。少しこの世界の事、教えてやるよ」
「ふむ…それも面白そうですね。分かりました、ついていきますよ。でも…」
「分かってる、シュークリームだろ?ずっと食いたいって言ってたもんな」
「タイダ、貴方は分かっていますね!!」
「調子のいいことで」
甘い。まったくもって甘すぎる。
熟練夫婦のような会話。
これは冒険を共にしたパーティーメンバーならではの阿吽の呼吸であるが、ここはラーメン屋。
スイーツのように甘い会話を繰り広げている彼らにとうとう殺意の視線が突き刺さる。
が、それをまるで気にする様子もなく、二人は店を出たのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます