その11 人数は絞るべし

 さて問題。

 登場人物が1人だけなら、あなたは描写できるだろうか?その行動を管理し、制御しきることができるか?

 答えは「可能」だろう。

 2人なら?できると思うだろう。

 3人だと?そろそろきつくなるはずである。2人までなら対話させるなりなんなりできるが、3人を超えた段階で明確な書き分けの難易度はぐっとあがる。4人。5人。どんどん難易度は上がるだろう。

 では今度は逆に、登場人物が大量にいるとしよう。100人くらい。それはあなたの作品の登場人物だ。一度にこの全員をひとりひとり描写できるだろうか?

 答えはNOである。こんな大人数扱えるはずもない。

 では50人なら?無理だ。

 10人なら?できそうな気はしてきた?だが大変だろう。

 ここで発想の転換が必要になる。

 主要な、焦点を絞るべき人間以外の多数の人間を出す必要があるシーンは確実にある。それらはモブだ。ひとまとめの集団として扱うべきである。背景と同じだと考えよう。

 人数と一人当たりの描写は反比例の関係にある。たくさんキャラクターが出てくれば、その分台詞や描写は削減せねばならない。それは本当に表現したい部分を稀薄にするだろう。だから、不必要にキャラを出してはならない。

 主役級の人数は絞れ。さもなくば物語の主題はブレブレとなるだろう。

 うまいことやろう。

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