その4 巨大ロボットを人型にする描写上の利点とは?
前回あんだけ言っておいてなんだが、人型の巨大ロボットの(描写する上での)利点を考えてみよう。
それは人型という事である。すなわち人間の動きの描写をまんま流用できるということだ。
たとえば、拙作から引用してみよう。
>>次に鶫が飛び出した時、光の壁は襲撃型指揮個体ども。その直前まで迫ってきていた。
>>息がかかりそうな距離。鶫の左腕は、随分あっさりと敵を両断した。
―――銀河縦断ふたりぼっち
ここで出てくる鶫は身長35mの金属生命体なわけだが、人型(四肢が刃になった少女型シルエット)なのでこのような描写が可能となる。息しないけどな!サイズ比が同様の敵味方ならば、人間の感覚を当てはめることができるのだ。
さらに、巨大ロボットの形状。これも描写しやすく、想像しやすいものにしてしまう手がある。
「ARIEL(笹本祐一)」では巨大人型兵器ARIELはグラマラスな女体(顔まである!)という形状である。細部までこだわった女性型ということで、女性特有の描写を自由自在に当てはめることができるのだ。他に女性型ロボットというと「コールド・ゲヘナ(三雲岳斗)」のデッドリードライブなども挙げられる。
あるいは、神像そのものの外観にしてしまうという手もある。
「ジェノサイド・エンジェル(吉田直)」の巨大人型兵器「神体」は液体金属が神像の姿を象ったものであり、勇壮な武神像や精緻な女神像と言った表現を用いることができる。あるいは「風の白猿神(滝川羊)」の「神格筐体」は神を象ったパワー・ヴィジョンを周囲に発生させる機械的システムである。すなわち顕現した巨体は想像によって生み出された神そのものなのだ。
このように、巨大人型兵器の描写をしたければ、小説に最適化した巨大人型兵器を出すのも手であろう。
文章を書きやすい巨大ロボットを出す。それも一つの選択である。
もふもふ(もふ
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