この日を境に・・・

そして翌日、私は午前中病院に行った。理由は真鍋先生から脳検査をするよう言われたため。しかし、結局異常はなかった。そして少し遅い昼食を済ませた後、午後から横浜にある実家に戻った。どうやら貴彦くんは先週、私の実家に行ったらしい。




東京の自宅からは電車で約1時間、横浜市内の住宅街、駅から5分ほど歩いたところに私の実家はある。時刻を見ると午後4時だ。


私はインターホンを鳴らす。するとお母さんの応対とともに、家に上がった。私自身、実家に戻るのは正月に休み取れた時以来、半年ぶりだ。


「優奈、また実家戻ってきたの?」


玄関に上がると、お母さんは私にこう言った。そしてリビングに上がり、私はこの1週間の出来事、特に東京ドームライブについて話した。どうやらお父さん・お母さん・優梨花もそのライブに行ってたらしい。


お母さんとの話を終えた私は3階に行き、私が一人暮らしをするまで過ごしていた部屋に向かった。部屋のドアにはまだ、「優奈の部屋」と書かれている。そして私は部屋に入った。一人暮らしを始めた今でこそ空き部屋だが、中学や高校の制服や勉強机、そして布団のないベッドだけはまだある。


しばらくして私は再びリビングに戻る。そして夕食を作る最中のお母さんに、「優奈も今日はここで食べてく?」と言われた。それに対し私は「うん、今日は食べてくよ」と言った。




そして夜の7時、部活を終えた優梨花が帰宅。そして30分後には仕事を終えたお父さんも帰宅した。そして家族4人で夕食を取る。夕食中、


「お姉ちゃん、また実家戻ってきたの?ライブすごかったよ!」


と優梨花は言い、


「やっぱステージで歌う優奈が一番輝いていたな」


とお父さんは言う。




そして夕食後、私は自宅に戻るため実家を後にした。時刻はもうすぐ夜の9時。さすがに帰らないとヤバい。しかし優梨花は、「お姉ちゃんまた帰っちゃうの・・・寂しい」と言っていた。さすが私の可愛い妹。


自宅に帰宅すると夜の10時になっていた。貴彦くんは、


「やっぱ優奈さん、いい家族に恵まれてるな・・・俺のとこなんか両親、いつも仕事でほとんど家にいないんだぞ」


と言っていた。そして私は、


「貴彦くん、そんなこと言って・・・あなたもいいお姉さんと妹さんがいるでしょ」


と言った。


私はシャワーを浴び、寝る準備をした。私は貴彦くんに「貴彦くん、おやすみ」と言いら貴彦くんも「優奈さん、おやすみ」と言ってくれた。






この日を境に、そしてこの会話を最後に、貴彦くんの会話は途切れた。

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