握手会
そして翌日、俺は握手会が行われるため横浜に移動した。自宅にマネージャーさんが車を出してくれて助かった。そして1時間近くかけて横浜に向かう。俺はその移動時間中Twitterに、「今日は握手会です!久しぶりの握手会だからワクワクしています」と自分の顔写真を撮った画像を載せてツイートした。
会場に着くと、俺はすぐさま握手会が行われるブースに向かった。ブースではまず、運営スタッフからの説明があった。先週、別のアイドルグループの握手会で襲撃未遂事件があったため、厳重な警備が行われるらしい。そして朝9時半の開場とともに、大勢のファンが一斉に走り出し、それぞれのブースに列を作った。
そして朝10時、いよいよ握手会が始まる。俺は握手会が行われる前、もう並んでいるファンに向かって拡声器を使いこう言った。
「皆さんお久しぶりです。相沢です。握手会に参加する前に皆さん手を綺麗にしてくださいね~」
俺がそう言うと、優奈さんのレーンが開放され、握手会が始まった。
優奈さんは人気があったのか、握手会の時間は2時間用意されていた。それからお昼休憩を済ませた後、午後1時から握手会がまた2時間行われる。つまり合計4時間、俺は知らない人の手を握ることになるのだ。
俺は女の子との握手なら大歓迎だが、脂汗の染み付いた野郎共と握手なんかしたくない。きっと優奈さんもそうだっただろう。そして他のメンバーもそう思っているはずだ。とりあえずみんな手だけは綺麗にしてほしい。まぁ、向こうも手汗は気にしているだろうけど。
握手会では、ファンの皆さんにこんなことを言われた。
「ゆうにゃん、復帰おめでとう!体は大丈夫なの?」
「昨日テレビ見たよ!ゆうにゃんが戻ってきてくれて嬉しいよ!」
「昨日テレビ見ました。やっぱり優奈さん可愛いです。私の憧れです!」
まぁ、それくらいの言葉はみんなかけてくるだろう。そして、以下のようなことも言われた。
「優奈~、俺と結婚してくれーっ!」
「優奈、俺のこと愛してるよね?まさかこの3ヶ月間、他の男と遊んでないよね?」
「優奈ちゃん。20歳になったんだし、俺と一緒にお酒飲もうよ!いい店知ってるから」
・・・などとセクハラめいたことを言うファンもいた。外は優奈さんだけど、中身は男やで。
そんなこんなで合計4時間、握手会が続いた。何度も顔を見せるファンもいた。それもかなりの数。おそらく今日来たファンの3割くらいは2回以上優奈さんの握手会に来ていたと思う。
そして午後4時、握手会が終わる。そして握手会が終わる直前、ある2人がほぼ同じタイミングでやって来た。その2人は白石梨沙と真鍋結衣ちゃんだった。
「優奈さん、本当に復帰したんですね。やっぱり優奈さんは私の憧れです!尊敬しています!これからも応援しています!」
と白石に言われ、結衣ちゃんからは、
「生の優奈さん見るの2度目ですけど、やっぱり綺麗ですね・・・私、昔から優奈さんに憧れてて、いつかは優奈さんみたいな女性にになりたいです!」
と言われた。いや君、優奈さんの正体知っているよね?
握手会が終わり、俺は家に戻った。そしてブログの更新をする。
本日は横浜で握手会が行われました。握手会に来てくれた皆さん、本当にありがとうございます!私自身も久しぶりの握手会を堪能してなんか懐かしくなりました(笑)
(ここで自撮り写真)
私の体調はまだ万全ではありませんが、また握手会の機会があればぜひ参加したいです。
(ここで握手する画像)
そして、最後に来てくれた女の子2人、私ちゃんと顔覚えたよ!また握手会に来てくれるよね?
俺はこの内容でブログを投稿した。すると読者は凄まじい勢いで反応し、リンクしたTwitterやInstagramも同じような勢いで反応してきた。やっぱ優奈さんは人気者だったんだな。Twitterのフォロワー数もメンバー内ではベスト5にいるみたいだし。
そして帰宅後、俺は夕食の準備に取りかかる。今日は疲れたしそうめんにしよう。そして夕食と同時に、昨日テレビで録画した歌番組を見た。
だらだら見るのもアレなので、赤坂ガールズが出た部分だけを見た。俺、この人たちと一緒に仕事しているんだな・・・そして歌が終わり、俺もとい優奈さんがステージ裏から登場。テレビに向かって今日から活動を再開することを発表した場面を見る。
テレビ越しで見る自分は何か変だった。中身は俺だけど、外見は優奈さんだからかなぁ・・・
テレビを見終わった俺は、夕食の片付けをし、そしてシャワーを浴びる。シャワーを浴びたら明日の朝食を作る。ご飯を炊飯器に入れ、作ったサラダやフルーツは冷蔵庫に入れる。
そしてやっと寝る準備だ。俺は歯みがきとトイレを済ませ、寝間着に着替える。しかしトイレには未だに馴れないなぁ・・・それに着替えのために一度下着姿になるのも。
こうして俺は眠りにつく準備をした。そして、布団の中で明日はオフだから優奈さんの実家に行こうかなと考えていた。俺はこう考えているうちにどうやら寝落ちしてしまった。
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