横浜

そして翌日、俺は優奈さんの実家に行くことにした。理由は特になかったが、今日は1日休みだし、せっかくだから優奈さんの実家に行こうと俺は考えたのだ。


とりあえず午前中は家の掃除と洗濯をしていた。衣服はともかく、下着を洗濯することにはまだ慣れていない。優奈さんの下着姿はもちろん、全裸も1ヶ月近く毎日のように見ている。しかし、やはりまだ生身の女性、ましてや人気アイドルの身体を見るのはかなり抵抗があるようだ。


そして昼食を作る。結局、俺は冷やしうどんを作った。どうもこの時期はこういう食べ物を食べたくなる。9月くらいまではずっとこんな感じになるのかな。


そして昼食を食べ終えると、午後2時を回っていた。俺はそろそろ出かけてもいい時刻だなと思い、部屋着から外出着に着替える。そして、横浜にある優奈さんの実家に向かった。


優奈さんの実家は自宅から電車で1時間ほどかかった、横浜市内の住宅街にある。どうやらこの周辺は東京へのベッドタウンであり、高級住宅地としても有名らしい。


そして駅から5分ほど歩いた場所に優奈さんの実家があった。そして俺は、優奈さんの実家の規模に驚愕した。



テレビでも何回か取り上げられていたという優奈さんの実家は、いかにも横浜らしくモダンな豪邸だった。しかし俺はその豪邸を見ただけで、優奈さんを都心の高級マンションで一人暮らしできるくらいの金があるということはすぐわかった。今は入口とシャッターが閉まったガレージ、外壁しか見られないけど、試しに一周してみた。すると優奈さんの実家は3階建てで、しかも普通の一戸建てが数棟建てられるくらいの規模であることがわかった。要はそれくらいデカいということだ。


俺は恐る恐る入口のインターホンを押す。すると、優奈さんのお母さんが応対してくれた。


こうして俺は優奈さんの実家に上がった。玄関には大理石が敷かれており、天井は2階と3階に繋がる吹き抜けとなっていた。俺は2階にあるリビングに上がり、優奈さんのお母さんに顔を会わせてきた。リビングは想像以上に広く、そして暖炉があった。いかにもという感じ。そして台所を覗くと、料理中のお手伝いさんが2人いた。


しかしお母さんとの会話はごくごく普通の親子の会話だった。一昨日から芸能活動を再開したこと、お母さんが一昨日のテレビの特番を見ていたこと、そして家族のことなどを色々と話していた。




そして夕方の5時前には妹の優梨花ちゃんが学校を終え、家に帰ってきた。


「お姉ちゃん、久しぶりだね。もしかして正月以来?あ、一昨日テレビ見たよ!やっぱりお姉ちゃんは可愛かった!」


優梨花ちゃんは優奈さん、もとい俺にそう言ってきた。優梨花ちゃん、初めて見るけど可愛い子だな。優奈さんそっくり。確か高2だっけ?なら俺と同い年になる。


優梨花ちゃんは早速お母さんと会話を始めた。どうやら今日は部活がないらしい。そして優梨花ちゃんは3階の自室に上がった。早速勉強をするらしい。


そして俺もお母さんへ3階に行くと言い、一人暮らしをするまで過ごしていたという優奈さんの部屋に向かった。部屋のドアには「優奈の部屋」と書かれていたためすぐわかった。そして隣の部屋のドアには、「優梨花の部屋」と書かれていた。物音もするしここが優梨花ちゃんの部屋だろう。


そして俺は優奈さんの部屋に入った。一人暮らしを始めた今でこそ空き部屋だが、中学や高校の制服や勉強机、そして布団のないベッドだけはなぜかちゃんとあった。


1時間後、俺と優梨花ちゃんはお母さんに呼び出されダイニングテーブルに座った。優梨花ちゃんからは「お姉ちゃん、部屋で何してたの?」と言われた。妹には姉が隣の部屋にいたことがバレていたらしい。それに対し俺は、「懐かしさにふけっていただけだよ」と言った。




そして夕食を食べ終わった頃、夜の7時頃だろう、優奈さんのお父さんが帰ってきた。お父さんは着替えを済ませると、何も言わずに食事を食べ、30分も経たないうちに食事を済ませた。


食事を済ませたお父さんは、リビングでテレビを見ていた俺に、「優奈、実家戻ってたんだな。今日くらいは実家で泊まるか?」と言ってきた。しかし俺は、「もう実家に寝るところないし家に戻るよ。それに明日は仕事で朝早いし」と言った。




こうして俺は優奈さんの実家を後にした。両親は少し心配そうにしていた。そして家に帰宅したのは夜の10時になろうとしていた頃だった。明日は朝早いし軽くシャワー浴びて寝るか。

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