第219話 ケジメ

 私は、平日はサラリーマンである。

 週末はバイトである。

 つまり一週間、休みなく働いている社会の底辺に住まう者である。


 年間休日20日以下だと自負している。


 バイト先はホテルの清掃、ハッキリ言えば民度は低い。

 というか第一線をリタイアした年齢、子供に手が掛かる主婦、普通に務められない人などが集まる。

 個人的に人間関係は問題ないのが救いだ。

 女性の多い職場だけに特有の面倒臭いことに目をつむれば問題は無い。

 まぁ一応、戦力としては数えられているうちは大丈夫なのだ。

「桜雪さん、疲れてる?」

「大丈夫ですよ…」

 実際、本業が忙しくて疲れているのだ。

「無理しないでね…会社休めば? けど、コッチには休まず来てね」

 真顔で言われるのだ。


 そういうところが怖かったりする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る